アリ失踪事件の記録 | さこのブログ☆半分本気、半分冗談

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しばらく中断していましたが、再開しました。トレーニングのこと、相変わらず、雑感、仕事や家族のことなど、等身大のブログ。
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2月16日 夜の11時に息子がバイトから帰った後、アリとリキを公園に散歩に連れていった。11時40分頃、息子から電話が。

「アリが迷子になった」

それを聞いた瞬間、帰って来たばかりの旦那と私はすぐに家を飛び出した。娘は風呂に入っていたので、急いで風呂から出て、公園に向かった。



その日は、最低気温が0℃、寒がりで甘えん坊のイタグレのアリが夜の真っ暗な公園で迷子になったなんて考えただけでも可哀想で、家族全員で夜中の3時近くまで大声で呼びながら探し回った。半分泣きながら探した。でも、公園は広く、原っぱや林の隅々まで真っ暗な中、探し尽くすことは不可能だった。


最寄りの交番に届け、帰宅したらネットで手当たり次第に「迷い犬掲示板」に情報を書き込んで、目撃情報を待つしかなかった。娘はTwitterに書き込んで情報拡散を頼んだ。それから、口コミの評価が高かったペット探偵で24時間対応の某業者に電話相談した。とても親切に対応してくれた。


「一番の心配事は、寒さに弱いイタグレが凍死することです。」


と行ったら、相談員は


「生き物はわれわれが思う以上に強く、日本の気候では真冬でも凍死した例はないです。毛が短かろうが関係ないです。寒さをしのげる場所を探しますから。」


と明快に答えた。心配なのは悪い人に捕まったり交通事故に遇うことだと説明した。この時点で、深夜は交通量もないので命の危険は高くない無いと判断して、翌朝からまたアリを探すことにした。勿論、皆アリが心配で可哀想で殆んど眠れなかった。



翌朝、旦那はアリを探してから、警察と公園の管理組合に迷い犬の申請をしてから、かなり遅刻して会社に向かった。心配で仕事にならないだろうと言いつつも休めなかったようだ。娘は学校を休んだ。事情は言わなかったが、友達が担任に説明してくれたそうだ。私は近隣の保健所や動物愛護センターの何ヵ所かに連絡をした。考えたくないけれど、もし事故に遇った場合のことも考えて死体処理班の清掃局にも問い合わせをした。昨夜相談したペット探偵業者にも捜索依頼メールを送った。掲示板に情報が上がってないかチェックし続けた。


ありがたかったのは、たかが見知らぬ人物の犬一匹が失踪しただけなのに、保健所も愛護センターの担当者も親身になって対応してくれたということだ。ペットを可愛がっている人達は、こういうときに辛さを分かってくれて、協力してくれるのだ…と暖かい気持ちになった。



でも、アリはまだ見つからない。交通量も多くなってきて心配なのだが、家族は皆心身ともに疲れきって、午前10時頃には布団に横たわって少し休むことにした。




それから40分くらいして、掲示板をチェックしていた息子が


「10時に書き込みがあった!うちのマンションのあたりをイタグレがうろうろしていたって!特徴からして間違いないと思う。」




アリが無事なんだ!


そして、自分で頑張って家まで帰ってきてる!


その瞬間、息子は家を飛び出していった。メガネを踏んづけて、スマホも持たずに。私も娘も続いて家を飛び出した。とにかく早くアリを見つけなきゃ!



でも、そこらじゅう探し回ったけどアリには会えず、一旦マンションに戻ったら、エレベーターの前でアリを抱いた息子に会った!





「アリー(  ;∀;)」




間違いなくアリだった。擦り傷や切り傷はあったけど弱った様子はなかった。嬉しくて涙が出た。アリは興奮していて、何だか野良犬っぽいよそよそしい雰囲気になっていたけど、スリスリして目一杯撫でた。それまでの重苦しい空気が一気に去った。



旦那にすぐに連絡した。


「そうか、本当に良かったー(  ;∀;)あんに可愛いワンコが居なくなったら悲しいもんな。会社行きたくなかったんだよ、仕事にならなかった。」


ペット探偵にはキャンセルの連絡をしたが、担当者は微塵も嫌な顔せずに本当に喜んでくれた。あんな寒がりでビビりで甘えん坊のアリが真冬の夜をサバイバルして、大通りの信号をいくつも渡って、事故に遭わずに、11時間かけて自宅に戻ってきたんだ。辛かっただろーな、大冒険だったろーな。本当に可愛いやつだ。とにかく幸運だった。



息子によれば、目撃情報をくれたのは、見知らぬ近所の子連れのママだった。アリを見つけて保護しようとしたが逃げてしまったので、掲示板に書き込みながらずっと見張っててくれたのだ。それで息子がアリを抱き上げたときは、もらい泣きしたそうだ。お礼をしたいので連絡先を教えてくれと言っても、いいですよーと、その場を立ち去った。だから、掲示板に息子はお礼を書き込むことしか出来なかった。都会は


「隣はなにする人ぞ?」


って感じで、近所付き合いも無いし顔も知らない冷たさがある。でも、今回のことで、東京も捨てたもんじゃないと思った。私は彼女の顔は見ていないけど、どこかで会うかも知れない。自分のことばかり考えないで、誰か困っていたら力になりたいと思った。うちの子供達も同じことを思ったんじゃないかな。



そんなんで、長い長い11時間だった。取り合えず、記録に残しておきます。






帰宅したばかりのアリ。ごはんをメチャクチャ食べて爆睡。



その後は布団に入って一日寝てました。額のえぐれたような傷が、サバイバルを物語ってます。