我輩はイグアナである。
名前はミー太郎…記憶が定かではないが、我輩が店頭に並んでいる時にはすでにミー太郎と呼ばれていた。ショップの世話係が勝手に名付けたものだと思われる。飼い主は、我輩をイグアナミー太郎として始めからお迎えしたようだ。飼い主と我輩の出会いは、このように微妙に残念なものであった。
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(中略)
我輩も老イグアナと呼ばれる年齢だが、ピチピチのロッキー嬢と同居して4年目を迎える。こう見えても、我輩まだまだ現役である。昔は彼女と良い仲になったこともあるが、最近は我輩の体力不足でサッパリダメである。しかし、諦めたわけではない。今日もtryしてみよう。
男「やあ、ロッキー嬢。今日はいちだんと綺麗だね。」
女「(=_=;)…50㎝以上近づいたらどうなるか分かってるわね( ̄。 ̄)y-~~」
女「道あけて。ほら!」
男「はい…」
…どうやら今日も失敗に終わったようだ。しかも彼女に我輩の日光浴スペースまで乗っ取られてしまった。
しかし、我輩は腹を立てるわけでもないし、落胆したわけでもない。健康的な彼女をボーッと眺めるのも悪くない。発情期は、まだ1ヶ月半あるのだ。我輩は諦めないイグアナミー太郎である。
(第38話 完)