10年前、初めて数学の論文を書きました。どんな内容かを大雑把に数式を使わないで説明しましょう。
沢山のデータがあって、極端にデカイ値がポンポン出るような場合を考えます。そうするとデータ全体の和は、その極端な値に引きずられる…と言う直観的な現象を確率論と言う数学を使って証明したわけです。さらに、ある関数を使ってちょっとした工夫をすると、データ全体の和が面白い分布をすると言うことも証明しました。
…どうです
つまんないでしょ
ふーん、へぇ~で終わるような論文なんですよ。沢山ある論文データの中の地味~な1つとして、検索すれば出てきますけど、それだけのもんです。
それが、先日の出版会議で経済学の分野で使う数学の話をしていたら、自分がこの論文でよく使っていた"ある関数"が出てきたわけです
「あの、その話ってこういうことですか」
と、私は自分の修士論文をチラッと見せてみました。女史以外のメンバーは
「さこ先生ったら、いきなりそんな数式出されても(笑)」
と迷惑そうな顔をしたのでヤバイ、失敗したと思ったら、女史だけは鋭い眼光をギラッとさせて
「細かいことはよく分かりませんが多分正しいと思います(微笑)。」
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その日の夜、女史からメールが来ました。
先ほどの論文を日本語で書いて送ってくれませんか。グラフィクスでビジュアルに表現したいのです。
さすが、経済とコンピューターの専門家(;゜ロ゜)
私のつまんない論文に陽を当ててくれそうな予感がしました。彼女と行動するとキツいけど世界が広がるんですねぇ。彼女との出会いって私にとって大きな意味があるのかも…。いくつになっても、出会いは大切にしたいもんです。