ガンジス川 4 雲の隙間から光が漏れている。 それが合図だった。 鐘が鳴る。 祈りの声は上がる。 川で清める。 川で洗う。 川を飲む。 川を抱く。 川で叫ぶ。 茶色く淀んだ川に向かい、人々は動作する。 それを私たちは船の上で、ただ圧倒されながら見ていた。 彼等は見られていても動じず、 逆にそれが誇りであるかのように私たちに動作を見せる。 圧倒されている私は、ポカンとただ眺め、そして何か残さなきゃとあせり、彼等にカメラを向けていた。 この迫力が旅人を魅了してならないインドなのだと思った。