イワンのバカ、トルストイ。兄のセミョーンは軍隊に頼り、横暴な政治をして、もう一人の兄のタラースはお金に頼り、また、横暴な政治をする。賢い兄達は悪魔に取り憑かれ、散々な目に遭う。ところが、イワンはバカなので取り憑きようがない。イワンの国には賢い人は出ていってバカしかいない。イワンの国の人々も戦争もお金も欲しない。イワンと同じくバカなのだ。悪魔に取り憑かれた兄達はイワンに養われる。ただ、兵隊にも取られず、税金もないイワンの国では一つだけ決まりがある。手にタコがない人は皆の残り物しか食べられない。
痛快でした。27年ぶりに読み返して、懐かしかった。読書感想文を書いたなぁ。あの時、イワンのようにバカになりたいと思ったのに、少し賢くなってしまった。バカになろう。セミョーンやタラースの合わせ持つ国の多いことよ!悪魔に取り憑かれてる世界。人類を滅ぼしかねない、今日の技術。お金に縛られてる人々。賢さって?バカになろうよ。皆んながバカになれば人は滅びないし、幸せになる。いや、バカになることこそ、本当の意味での生き延びる知恵。軍隊やお金に頼る方が愚かに思える。知を愛す。それは、案外バカになることかも。良い意味でのバカに。
イワンのバカ、トルストイ。岩波文庫。面白い。読んでみて下さいね〜♪