優勝をかけた首位攻防戦。
マリノスの15年ぶりの頂点を託された11人は川崎戦で警告を受け出場停止となった扇原に代わって和田拓也が入りその他は川崎戦と同じメンバーとなった。

前半から4点必要な瓦斯の猛攻を耐えながら少しずつ本来の形を作って行く展開に。最初のチャンスは前半22分瓦斯の永井だったがここは1-1になっても落ち着いていたパキがナイスセーブで失点を許さなかった。しかしピンチの後にはチャンスあり。4分後マリノスに歓喜への号砲が放たれる。相手のゴールキックをマツケンがヘディングでエリキに送るとエリキは中に仕掛けながら和田に送ると横に流しどうぞ打ってくださいというかのようにティーラトンに預け迷わず悪魔の左足を振り抜くと東に当たったボールは身長195cmの林の頭上を超えゴールイン。今季加入し、2得点をあげてきたティーラトンにとって記念すべき日産スタジアム初ゴールは優勝を決める大1番で生まれた。

こうなるとペースはマリノス。

44分にはパス交換からマルコスがドリブルで仕掛けエリキにパス。夏にやってきたSmile BOYSは上手く切り返しFC東京DFを手玉に取りながら左足で流し込みゴールイン。

前半2点リードに得失点差の関係で6点リードに。

しかし迎えた後半思わぬ事態が。東京のロングボールをチアゴがパギにバックパスすると反応してきた永井に対しパキが蹴ってしまい一発退場。

流石に6点差あるとはいえここからどうなるかと思ったが、77分。持ってる男が優勝を決定づける。高萩がオフサイドを取られるとティーラトンが素早く渓太へ!

渓太は前に見えた渡辺を迷わず大きく蹴り出して振り切りゴール前へ!しかし渡辺が追いつき渓太は中にカットインすると思いきや、縦に切り返し完全に振り切り左足で振り抜くと林のセーブを突き破りネットを揺らし3-0。

これで優勝を確信したベンチ外のメンバーもピッチまでやってきてカウントダウンが始まる。

そして、散々な目に遭わせてきた木村のホイッスルで歓喜の瞬間がやってきた。

天皇杯、ルヴァン杯であと1つ届かなかったタイトルを見事に勝ち取った。


青の錨


立ち上がりの15分は思うように攻めることが出来なかったが、徐々に盛り返した形となったが2点目のシーンが1番興味深かった。

最初は下がりめに捌いていたマルコスだがパス回しでティーラトンや和田拓也らとポジションを変えながらじわりじわりと前へ。そしてドリブルを開始するとFC東京はマークが曖昧になっていてプレスをかけられない。

ラインを下げるだけになった相手DFをしりめにマルコスはエリキへパス。

エリキは決めるだけだった。

トップ下マルコスは捌くことが多かった印象だが、このドリブルは曖昧になった相手にとって1番効果的なプレーだったであろう。


白の錨




この日が5ヶ月ぶりのスタメンとなり今季初めてボランチに入った和田拓也は素晴らしかった。フィジカル面ではやや気になる部分もあったが連携面では久しぶりの試合とは思えない見事な出来だった。ボランチで初出場ながらいて欲しいところにいる安心感やティーラトンへの的確なアシストなど存在感は増した。

赤の錨




畠中&チアゴのコンビは年間を通して安定していたがこの試合でも存在感は大きかった。この日は川崎戦や松本戦のようにチアゴがドリブルで駆け上がる事もほとんど見られなかったが守備ではFC東京の攻撃を封じ込めしっかり完封していっていた。1つ気になるのはチアゴのバックパスから永井キックを浴びせたパキが退場してしまった場面があったがACLではあういう所を狙ってくるチームもあるはずなのでしっかりすり合わせて欲しい。



舵取り

朴ー圭 6.0

退場前まではノーミスの完璧な出来。ハイラインのケアは満点。永井との1-1も冷静に対応した。退場の場面は今後DF陣とさらに連携を深めれば問題ない。

松原健 6.0

序盤は緊張した印象だったが徐々に安定する。先制点の場面では林のキックを狙ってたかのようにエリキに頭で渡した。

チアゴ・マルチンス 6.0

相手攻撃陣に仕事させずほぼ完璧な出来。息詰まっても強引なドリブルで打開できるのは流石。唯一の失態と言えばパギへの頭でのパスの威力がイマイチ足らなかった。

畠中慎之介 6.0

この日はパスはもちろんチアゴに負けじとドリブルで運ぶ場面も。セットプレーの守備も的確にクリアし完封勝利に貢献した。

ティーラトン 6.5

緊迫感溢れる試合で値千金の先制点。
シュートは打たなきゃ始まらないを見事に実行し加入後3点目を決めた。後半には相手の隙を着いて渓太のゴールをアシストした。

喜田拓也6.5

ハマの舵取りはこの日も腕にキャプテンマークを巻いてプレイ。守備で狩ってすぐに攻撃面で信頼出来る仲間への的確なパスで活性化させた。試合後の涙は誰よりもマリノスを引っ張った男の勲章だ。

和田拓也 6.0

AWAY FC東京戦以来の先発。
リーグ戦出場が途切れた因縁の相手をフィジカルで負けはしたが、的確なポジショニングとティーラトンへのアシストでリベンジ成功。リペンジを果たした。

マルコス・ジュニオール 6.5

川崎戦に続いてこの日もトップ下で相手を困らせる。2点目のシーンはこの男の良さが詰まったポジショニングとボール捌きだった。

仲川輝人 6.0

前半に隙を見て相手をドリブルで翻弄しシュートまでいった場面は惜しくも決まらず。しかしこの日は守備で最後尾まで下がりチームを鼓舞した。

エリキ 7.0

このSmileboyは序盤から縦横無尽に駆け回りチームを助けた。前半終了間際には2点目を決めこの日も笑顔で走りきった。

マテウス 6.0

序盤はスペースがなくやや苦戦していたが時間と共に動きにキレが戻る。前半最初の決定機はこの男の飛び出しからだった。渓太との交代は鉄板。


遠藤渓太 6.5

やはり持ってる男。相棒のティーラトンのスルーパスに素早く反応。渡辺剛を2回振り切り3点目を決める。2019年のマリノスを締めた。

中林洋次 6.0

突然やってきたマリノスデビュー。
それでも日頃の準備がありしっかりと対応し完封でデビュー戦勝利を飾り優勝キーパーとなった。

渡辺皓太 -

時間は短かったがしっかり試合を締めて完封勝利に貢献。途中出場がメインだったが夏から加入もマリノスのサッカーにしっかりマッチしていた。