昨日マタチッチさん指揮、ザグレブ・フィルの自主制作盤のCDを聞いてみました。
ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》前奏曲と愛の死とブルックナーの交響曲第7番が収録されたCDです。ライブだそうです。
ヤフーオークションで入手できました。
珍しいし、どうだろう競争率も高いのではないか、と構えていましたが手前1人のみが入札したのみで安価で入力できました。
デザインが良いなと思います。
ブルックナーのみとりあえず聞いてみました。
基本的なマタチッチさんの最後の録音になった演奏とスタイルは一緒だと思います。
懐の深いゆったりとした語り口で聞く者を包み込むようで心地良く、枯れた、とか弱さは感じられず泰然自若あるがままの姿が在って聞いていて落ち着きました。
ザンデルリングさん、シュツットガルト放送響
チェリビダッケさん、ミュンヘン・フィル
ヴァントさん、ベルリン・フィル
朝比奈隆先生、大阪フィル(ザンクト・フローリアンの分)あるいは都響(′01年の分)
ヨッフムさん、ロイヤル・コンセルトヘボウ管(最後の来日の分)
カラヤン、ウィーン・フィル
このあたりの演奏は神々しさと深く達観した深遠な境地に達した演奏だと思われますが、力強さ、生命力は抜きん出て1番であるかもしれないようです。
テンポだけは遅いものの、多少第1、2楽章でもたれかかるような表情を見せますがなんのその、もうこれでお仕舞い……とは感じない強さ、語りでマタチッチさんの熱さを堪能できます。
スケルツォ、フィナーレはテンポは気にならないほどの熱演で熱くなる場面が多々あってマタチッチさんさんらしいと感動しました。
アンサンブルはややヒヤッとする場合がございましたが仕方がありません。気にならない程度です。
当時の状況を鑑みて比べますとN響の方が上手かもしれません。
音質はやや遠目のようなイメージです。
まるで客席にマイクを設定して録音したかのような印象でしょうか。
金管楽器はマイクから遠くにあるようですし、木管楽器も隠れがち、チェロ、コントラバスも少し埋没しがち……敏感な方はいただけないかもしれません。
ですからやや音がはっきりしないような印象が多分にありますが鑑賞に支障はありませんでした。
左様、以前申し上げましたように、このような自主制作盤を大手のレコード会社なりできればタワーレコードさんが一般にある程度広く
流布させるべく奔走すべきではないかと思っています。
ヤフーオークションを拝見してびっくり!! へぇ、こんな自主制作盤があるのかとアイテムとともに値段にもびっくりくるのでございます。
タワーレコードさんが若干そのようなレアものを扱う場合がございますが、それでも限界があります。
CDが売れない不況低迷期に在って自主制作盤の販売する権利、商売できる権利を扱うことができれば少しは違ってくると思いますが現実的に採算が取れないのでしょうね。
それでも検討して欲しい案件です。