ウィーンフィルのニューイヤーコンサート2019を意外にも前半だけ見れました。見たかった訳ではありませんがなんとなく気になってしまいまして……。

やはり想像した通りの薄い美しい軽やかな音色でした。これといって特色のない美しい柔らかい音……。好きな方にはすみません私はそのように聞こえました。かつてのウィーンフィルの音は世代交代がありもう出せないのでしょうね。

美しいのですが薄い。踏み込みやここぞという時の馬力がないような感じがしました。ですから印象に残らないような……。

さて、そのお正月気分と反して私はショスタコーヴィチの交響曲第7番《レニングラード》を聞いています。
ドイツナチスがレニングラードを包囲してその最中、戦意高揚の為に作曲された交響曲です。
よく聞いてはいましたが今ひとつ理解できません。難しいです。中には特筆すべき旋律があったりしますが冗長な感じがしない訳ではありません。

しかし、5番ばかりが彼のシンフォニーではありませんから他も物色してみてはいますが何分難しい気がします。5番があまりにも優れているから耳に馴染みやすからかもしれません。

個人的には5番は格別として、9番、10番、15番、8番、4番、1番そして7番あたりは好んでいます。11〜14番は食わず嫌いかもしれませんが後期独特の困難さが耳に障る時があって……。2、3番は政治的な色合いが強くてあまり趣味に合わなかったりします。

さて、その第7番の第1楽章、実はシュワルツネッガーさんがかつて武田薬品さんのアリナミンVでパロディで使用されていました。






確かにCMは記憶にありますがまさかショスタコーヴィチを使用していたとは思いもよりませんでした。
何度もどこかへんちくりんなそのメロディを聞いては面白く思っていました。

それでお腹いっぱいになってしまっていましたが最近ようやく最後まで聞くようになりました。
第2楽章から最後までが……。耳に馴染んでくれないかと私の乏しい感性に訴えます。

面白い、といえば第15番の第1楽章もウィリアム・テルのスイス軍の行進、ひょうきん族のオープニングが使用されて面白いです。1:54あたりからスイス軍の行進のパロディが出てきます。



つい最近まで、といえば最近になりますが偉大な作曲家が存命だったのです(1976年に亡くなりましたが)。
当時のソビエト政府に睨まれていましたから思うように作曲できなかった部分もあったろうと思います。

そのよい例として交響曲第9番。ナンバーがナンバーだけにさも偉大な作品をスターリンの為に作曲するであろうと周りも期待していたら軽いジャズ風な楽しい交響曲に仕上げてしまい顰蹙をかったという話もあります。

ショスタコーヴィチの話しは政治的な絡みもあって調べると興味深いです。