硯をネタに載せましょうと以前申しておりました。硯は……1番、書道の道具の中で王様のようなものではないかと私は思います。
これはヤフーオークションで5000円もしなかった硯です。本当に端渓? と思いながら入院中に競り落とした硯で今日初めて使用しました。確かに磨り心地がそれらしいような気がすると思いました。小さい硯で縦は8センチくらいでしょうか。
硯は濡らして見るものなんですよ、と学生時代の書の先生に習いました。硯を濡らす、洗うという風流の道があるらしく、硯の販売市がある時は「洗硯会(せんけんかい)」といいます。その硯の紋様を鑑賞して楽しむのだそうです。確かに濡らして見る硯の紋様は美しいのです。
ヤフーオークションの出品で1千件以上の出品のある中で僅か2件くらい洗硯して掲載された硯を見て感心しました。風流の道に通じているお人ではないかと。
とにかく石ですから長持ちしますので4、5世紀の古い硯もありますが、多くは明清時代から伝わる硯が高価で取引されています……。何百万円単位です。欲しいとは思いません……。硯もさりながら、その時代の墨が又高いのです。清朝期の乾隆帝の時期に製作された乾隆御墨(けんりゅうぎょぼく)が特に……。勿論持っていません。要りません。墨は観賞用でしょうね。
端渓硯の特徴は石の表面が顕微鏡で見ると剣山みたい(鋒鋩[ホウボウ]といいます)になっておりよく磨れてツヤのある墨色を出せるということです。安い墨でも良い墨色が出せるということらしいです(業者さんからお伺いいたしました)。
確かに磨ると削れていく感じが伝わってきて違いが解ります。墨色も深いツヤのある黒色があります。
自慢ではなく、硯はやはり端渓に限る、という話です。日本にも詳しくは知らないのですが硯の産地がありますが、硯に関しては中国産にはいささか……。しかし、政府が産地を抑えているので発掘が困難だと伺っております。値段が上がるのは必至な話でしょうね……。高く売れるのは分かりきった話ですから……。ヤフーオークションに出品されている硯に話掘り出し物があるでしょうね……。
最後に書道の道具、硯、墨、筆、紙は四宝文房(しほうぶんぽう)といって宝物なんですよ、と習ったことが忘れられません。このことは以前に少し書いた記憶があります。