ショパンのマズルカ。暗い雰囲気だが好きだな。美しくて暗い。ショパン独特の甘さはあるが、暗い雰囲気が全体を包んで聞く時は全部聞く。格好良く言えば沈美的となるのか。

シューマンが諸君、天才が見つかった 紹介しよう、と世に広めたそうな。ブラームスもそう。諸君、天才が現れた。先見の明だ。ただ、ブラームスの場合、クララ シューマンとの関係がどうなるんだろうな。

その関係に関する書籍も買ってあるからいつかブログで報告できたらと思案している。

さて、マズルカのもつ静かな舞は淡く喪男な私にはもってこいだ。夜想曲集、前奏曲集も聞かぬではないが前者は気難しい、ベートーヴェン、シューベルトの作風に近くそのショパンらしさとは少し違うように感じる。夜想曲、ゴールドベルク変奏曲の感覚で聞くと面喰らった。メロディがベートーヴェン、シューベルトを模倣したような甘美なショパンではない。

前奏曲集は、どうか。これはショパンらしい。甘美な面が目立つし、愛好する向きも多かろう。ブルックナーを平生にしている人間からすればいかにも甘美過ぎて美し過ぎて沢山は聞けない。嫌いではなくて。

だから、マズルカ、ワルツ、ピアノ協奏曲2曲 ー特に第1番の冒頭に刮目。これは、ツィンマーマン、ツインメルマンの2度目の弾き振りのCDが凄すぎて(表情の濃さたるやいかがか)、初発売から7、8年は他盤は一切興味がなかった。アルゲリッチ、アバドの1番をSACDで聴いたが、良い演奏だと思いつつ、ツインメルマン盤のような衝撃はなかった。今だに忘れられない思い出の美しいエレガンスな女性のように私の記憶に深く留まるー を中心に聞いている。

シューマンの評に、彼は美しい花畑に爆弾を隠している(私得意の狂人だろう)と言うのがあるがそうかもしれない。祖国ポーランドの動乱には心ならずも義憤していたそうだし、革命エチュードなどはその爆弾が出てきたのかもしれない。

革命で思い出した。軍隊ポロネーズ ーホロヴィッツが最高だと思うー を岡本太郎さんが必死に弾いていたのを思い出した。逆にブーニンの冷め過ぎた演奏に閉口する。何を彼があんなに機械的にしたのか、否、歌わなくなったのか疑問だ。多才多芸。

マズルカの演奏はルービンシュタインのステレオ盤、ブライロフスキ盤あたりしか聞いたことがないが十分だ。アシュケナージ盤も良さそう。マズルカを聞くと孤独を癒してくださるようで安心する。感性が合うのだろうな。過去の2ちゃんねるで喪男のスレッドで「喪男はクラシックだよな」というのがあってマズルカを礼賛していた文があったのを記憶している。