◆ 宇多田ヒカル 映画ヱヴァンゲリヲン
映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のエンディング・テーマソング「Beautiful World」を手がけた、宇多田ヒカル。この映画が公開される直前に行われた試写を観た彼女は、「監督さんや制作に関わった人たちがたくさんいる中で、あそこに自分がいるのが恥ずかしくて、曲が流れている間はちょっとモゾモゾしてた」んだそうだ。
宇多田ヒカル:いつ、どこで自分の曲が流れるかハッキリわからなかったし、映画に集中していたから曲が流れた瞬間はびっくりした(笑)。でも、あぁ来たか、遂に来た! って感じもあって、なんか「Beautiful World」がテーマソングで良かったんだぁって、ちょっと安心したんだ
“エヴァ”ありきで作ったこの作品は、自分の新曲を作るというよりも、エヴァの世界観やテーマを考慮しながら、最後まで自分の色を100%出すことをあえてしないで完成させたものだった。だから、ちゃんと映画を観るまでは、「これで良かったのか、そうじゃないのか」という判断が、なかなかできない宇多田ヒカルがいたようだ。
宇多田ヒカル:(TVアニメシリーズには)「残酷な天使のテーゼ」っていうテーマ曲がずっとあって。
あの曲の場合はすごくエヴァの神秘的なテーマに沿って、ちゃんと非日常というか、具体的な描写よりも、神秘的できれいな歌詞のまま、最後まで終わるのね。
だから私が今回テーマソングを書いて、そこに“新聞”とか“根性なし”とか“少年マンガ”のような、割と日常的な言葉があるのって果たしてエヴァに合うのかどうかっていう疑問もありつつ書いたんだけど。
でも、映画の予告編に使われていた映像にも、キーポイントになっているシーンにも、学校の階段とか制服姿の子達とか夕暮れとか電車とか、日常的にわれわれが子供の頃から見ている風景や日本のなつかしい風景がいっぱい使われてて。
あぁ、そうか、この曲にああいう日常的な台詞を歌詞に入れても良かったんだって思ったんだ
映画を観たことで、やっと「Beautiful World」は宇多田ヒカルの中で完全に完成させる事ができたのだろう。そして、ひとりの“エヴァファン”として彼女は次なるエヴァ第2弾映画('08公開予定)への期待も大きくふくらませている。「次なる展開が予想できないし、知らないキャラとか出てくるみたいだし、ホント次が超気になる! もうね早く! 早く見せてよ! って感じよ」