世界陸上 男子四百リレー・日本5位 アジア記録を再更新

世界陸上 男子四百リレー 

9月2日9時45分配信


声援に応える(左から)塚原、朝原、高平、末続=長居陸上競技場で1日、

世界陸上選手権大阪大会第8日の1日、四百メートルリレーの男子決勝で、日本(塚原直貴、末続慎吾、高平慎士、朝原宣治)は念願のメダル獲得はならなかったものの、01年エドモントン大会以来の5位に入り、4大会連続で入賞。38秒03をマークし、前日の予選で記録した38秒21のアジア記録を一夜で更新した。優勝は、米国が37秒78で、2大会ぶりに飾った。


 同女子決勝では、米国が今季世界最高の41秒98で、2大会連続の優勝を飾った。
 ▽日本・朝原宣治 大声援の中で走れ、メダルより価値のあるレースだった。アジア記録で、この順位なので完敗。スカッとした。
 ▽日本・末続慎吾 陸上は楽しいものだということを見せようとやってきたが、最後の最後に、楽しさを観客のみなさんに教えてもらった。


 ▽日本・塚原直貴 一生忘れられない大会になった。朝原さんを超えたい。
 ▽日本・高平慎士 朝原さんが大きな背中を見せてくれるので、気持ちよく走れた。


 ◇4人に満場の歓声
 念願のメダルには届かなかった。だが、予選で出したアジア記録をさらに0秒18も更新しての5位。力を出し切った4人は、ひと仕事を終えた充実感に浸って日の丸を掲げ、満場の歓声を浴びた。


 塚原、末続と順調につなぎ、第3走者の高平は短距離2冠のゲイ(米国)に抜かれても粘った。アンカー朝原がバトンを受けた時は上位争いに絡んでいた。最後は離されたが、一瞬の期待も持たせるレースだった。


 27歳のエース末続は「個人種目のメダルは夢だけど、リレーのメダルは義務」と言っていた。男子短距離陣は「チーム日本」を合言葉に、毎月のように合宿を重ねてバトンパスの練習を積み、時には競うように走り込んで、互いに刺激しながらチームワークを高めてきた。


 大黒柱の存在もメンバーの意欲をかきたてた。この10年間、ほとんどの国際大会でアンカーを担った朝原ももう35歳。えとで一回り下の高平は「朝原さんがいるうちにメダルを取りたい」と、残り少ないチャンスに賭けていた。その朝原は22歳の塚原とも張り合い、そして数々の国際舞台の経験を語り伝えてきた。


 3位との0秒13差は小さいようで大きい。個人の百メートルの力を見れば、上位の国とはまだ差がある。末続が引っ張る次の世代のチームに、多くの「義務」が託された


最終更新:9月2日9時45分