渋谷スパ爆発 天然ガス点検せず 警視庁が運営会社捜索

渋谷スパ 天然ガス爆発

6月20日17時18分配信


現場検証が始まり、爆発事故があった温泉くみ上げ施設の地下部分をのぞき込む捜査員=東京都渋谷区松濤で20日午前10時11分、


 東京都渋谷区松涛1の女性専用温泉施設「シエスパ」の源泉くみ上げ施設で19日に起きた爆発事故で、同施設が天然ガスを分離・排気する装置の点検やガス検知を昨年1月の開業以来行っていなかった疑いが強いことが分かった。警視庁捜査1課と渋谷署は20日午後、業務上過失致死傷容疑で、▽運営会社の「ユニマットビューティーアンドスパ」(港区)▽保守点検の「サングー」(品川区)▽温泉掘削を担当した「鉱研工業」(豊島区)など10カ所の家宅捜索を始めた。


 東京都や同社などによると、地下から源泉がくみ上げられると、施設内で天然ガスの一部が自然分離する。さらに「ガスセパレーター」を経由して源泉槽に貯水される過程で、段階的にガスが分離され、換気扇などを使って屋外に排気される仕組みになっているという。


 施設の保守・管理は、ユ社が「日立ビルシステム」(千代田区)に委託し、「サングー」(東京都品川区)が下請けしていた。爆発が起きたとみられる施設の地下1階は施錠され、サングーの担当者しか出入り出来なかった。
 調べやサングーの説明によると、70歳代の男性嘱託社員2人が交代で施設の運転管理業務を担当。毎日午前8時から午後5時までシエスパに常駐、午後2~3時の間にくみ上げ施設の地下1階にある源泉槽のメーターを目視し、地下水をどれだけくみ上げたか確認していた。


 サングーの三宮勝男社長は20日朝、「セパレーターの点検や修理、ガス濃度の測定は契約内容に含まれていない。大変な事故が起きて驚いており、原因解明には協力したい」と説明。昨年1月の開業以来、同社はガス点検をしていなかったという。施設にガス検知器もなかった可能性が高い。


 「ユニマットビューティーアンドスパ」の宮田春美社長らは19日夜の会見で「施設の管理体制に不備はなかった」としながら、セパレーターの仕組みについては「外部の業者に保守・点検などを委託しているのでよくわからない」と話し、業者任せだったことを明らかにしていた。


 このため、捜査1課は、20日朝から現場検証し、ガス検知システムなどの設備や点検・管理体制に不備がなかったか捜査していた


最終更新:6月20日17時18分