女性エレキ奏者、夢のビート刻む 京在住 難病耐えCD発売

 京在住 難病耐えCDデビュー

3月8日15時28分配信


CDデビューに向けて意気込みを語る安達久美さん(京都市中京区・京都新聞社)((c)京都新聞)

 女性では異色のエレキギター奏者安達久美さん(29)=京都市左京区=が、国内有数のミュージシャンと組む音楽グループのリーダーとして、21日にCDデビューする。これを機会に、2年前から患う難病指定の潰瘍(かいよう)性大腸炎を公表、自らの飛躍を誓うとともに、「悩みのある多くの人々を励ましたい」と語る。

 ■猛練習 楽器、米の会社提供

 専門誌がデビュー前から大きく取り上げ、米国の老舗楽器メーカーが専用モデルの提供を申し出るなど、作曲も手がける女性奏者の登場が業界の注目を集めている。

 安達さんは、元T-スクエアのドラム奏者則竹裕之さん(42)らとつくる4人組「クラブパンゲア」で、自作の9曲を収録したデビューアルバム「リトル・ウイング」(ビデオアーツ、2940円)を発表する。

 エレキギターは、独特のひずむような音色を出すのに指に大きな負担がかかり、女性が弾きこなすのは難しいとされる。しかし、小学5年生からエレキを始めた安達さんは高校時代、1日6、7時間に及ぶ練習で腕を上げ、男性の音楽仲間とライブにも出演するようになった。

 曲は、だんじり祭りの太鼓や笛の音からヒントを得た「ダンジリ ファンク」など、洋楽にとらわれない発想とリズムで表現する。2年前、安達さんの感性にほれ込んだ則竹さんらベテランが共演を持ちかけ、新人女性が率いるグループが生まれた。京都を拠点に全国でライブを重ね、ファンの支持を受けてメジャーデビューが決まった。

 潰瘍性大腸炎は、断続的に腹痛や下痢に襲われる原因不明の疾患。安達さんはこの痛みに耐えながら演奏した経験もあり、ライブ当日は絶食するなど対策を講じている。

 安達さんは「努力すれば、必ず良い演奏になってはね返ってくる。女性にエレキギターは無理といわれないよう頑張っていきたい」と語る。

 CD発売の記念ライブは、22日午後7時から栗東市の栗東芸術文化会館、4月13日午後7時半から京都市中京区のライブスポットラグで開かれる。有料。

最終更新:3月8日16時58分