“策士”桜庭の目がキラリと光った

2006年12月31日(日) 6時3分 





メーンで対戦する秋山(左)と桜庭は笑顔で握手
 31日に行われるK―1 Dynamite!!(京セラドーム大阪)の前日会見が30日、大阪市内のホテルで行われ、桜庭和志(37=フリー)VS秋山成勲(31=フリー)の対戦がメーンイベントになることが発表された。秋山がオリックス・清原和博内野手(39)をセコンドにつけるのに対抗し、桜庭は阪神・下柳剛投手(38)を起用することを明言。KO勝ちを宣言し、ライバル撃破に並々ならぬ闘志を燃やした。

 “策士”桜庭の目がキラリと光った。「(セコンドは)シモ(下柳)さんにお願いしています。一番近くで見てもらってアドバイスしてほしい」。秋山に“番長”清原のセコンドがつくなら、こっちはトラの“コワモテ左腕”。パンチにはパンチ、キックにはキック、やられたらやり返すのが定石の総合格闘技だけに、、桜庭は“場外戦”でも一歩も引く気はなかった。

 下柳との付き合いは10年近い。これまでも自主トレを合同で行ったり、試合のセコンドについてもらっており「マウンドに1人で立つ気持ちと、リングに1人で立つ状況は似ている。気持ちの持っていき方は僕よりもシモさんの方がうまい」と精神的なサポート役として全幅の信頼を寄せている。

 秋山とは初対戦となるが、桜庭にとっては重要な意味を持つ。本来なら10月のHERO’Sライトヘビー級決勝トーナメント準決勝で対戦するはずだったが、桜庭が椎(つい)骨脳底動脈血流不全症を患ったため幻に終わった。その大会で優勝した秋山から「桜庭さんに勝たなければ本当の王者とはいえない」と対決を呼びかけられていた。

 試合順も発表され、この試合がメーンイベントになった。「最後を締めなきゃいけないという意識が出る」との理由から、試合に集中できないメーンを嫌う桜庭も「そうなるんだろうなと思っていた。いい意味でしようがないと思う」とこれ以上の注目カードが存在しないことを自認している。

 大みそかの大一番ということで谷川イベントプロデューサーら「打倒・紅白」を口にする関係者は多いが、桜庭は「見に来てくれた人が喜んでくれて楽しい思いをしてもらえたらいい。その次にテレビの視聴者かな」とマイペースを貫く。

 秋山対策については「作戦を決めてしまうと訳が分からなくなってしまう」と肌を合わせて感じる本能に任せていく。

 「戦ったことのない選手とやるのは楽しみ。いろんな技を練習してきたのでそれが出せたらいい。勝ちにこだわって、KOか一本で分かりやすく勝ちたい」。終わりよければすべてよし。移籍に病気といろいろあった1年だが、桜庭は勝利ですべてを丸く収める