2006年11月20日(月) 18時





 【ロサンゼルス國枝すみれ】渡米中の西武・松坂大輔投手は19日、当地で米プロバスケットボール(NBA)、レーカーズ―ブルズ戦を観戦後、報道陣の取材に応えた。今回の渡米で最も印象に残った出来事に「レッドソックスの監督らと会ったこと」を挙げた。松坂は21日に帰国する予定。
 松坂は18日、代理人ボラス氏と打ち合わせを行ったが、その際にレッドソックスのヘンリー・オーナーとエプスタイン・ゼネラルマネジャー(GM)、フランコナ監督の三者と会食したことを明かした。
 具体的な会談内容は明らかにしなかったものの、「いいミーティングだった。大リーガーへの道がだんだん近くなってきた。(ボラス氏とは)連絡を密に取って、細かく話し合いたい」と、契約交渉に向けた気持ちを語った。
 また、19日には自主トレーニングを行う施設の候補地2カ所を見学。この日は決定するには至らなかったが、「きれいな、いい場所だった」と感想を口にした。


球団トップ3が電撃訪問。早くも“超エース待遇”だ。

 【ロサンゼルス19日(日本時間20日)】レッドソックスとの交渉に入った西武・松坂大輔投手(26)が19日のNBA観戦後、報道陣に対応。レ軍のジョン・ヘンリー・オーナー(57)、セオ・エプスタインGM(32)、テリー・フランコナ監督(47)と、18日夜に会食したことを明かした。米大陸を横断して球団トップ3が電撃訪問。早くも“超エース待遇”だ。

 コートサイド最前列の特等席でNBAを満喫した興奮が、松坂の口を滑らかにさせた。レイカーズ-ブルズ観戦後に明かしたのは、レッドソックス球団首脳トリオとの仰天ディナーだった。

 「今回の渡米では、ボストンのオーナーや監督に会ったことが一番印象に残っています。驚きました。いい形でこっちに来られたらいいと思う。疲れているけど、少しずつ前に進んでいます」

 約60億円で独占交渉権を落札したレ軍から、松坂が早くも超VIP待遇を受けた。前日18日、代理人のスコット・ボラス氏(54)とロサンゼルス郊外の高級住宅地・ニューポートビーチにある自社ビル兼事務所で夕方まで打ち合わせ。その後の夕食で待っていたのが、レ軍のヘンリー・オーナー、編成部門の最高責任者であるエプスタインGM、そして04年に86年ぶりの世界一に導いたフランコナ監督だった。

 大リーグでは、フロントや現場の球団トップ3がそろって契約前の選手に会うこと自体が超異例。しかもレ軍の本拠地・ボストンは東海岸にあり、ロサンゼルスまでは飛行機で約6時間もかかる。さらにエプスタインGMは、17日までフロリダ州ネープルズで行われていたGMミーティングに出席直後。フランコナ監督は左足の感染症で入院して、日米野球の大リーグ選抜監督さえ辞退していたのだ。

 これぞレ軍流の“三(首脳)顧の礼”。実は、この電撃訪問は02年に史上最年少の28歳11カ月で就任したエプスタインGMが、交渉相手を口説く際の“必殺技”でもあった。03年11月に当時ダイヤモンドバックスのカート・シリング投手(40)獲得を狙った際、アリゾナ州の自宅を極秘訪問。感謝祭の時期だったことから、七面鳥を食べながらレ軍移籍を説得し、トレード拒否権を放棄させた。この電撃交渉が、翌04年の世界一につながった。

 「(交渉は)期間があるので、のんびりやってもらっていいと思います。ポスティングの結果を待つよりは全然楽ですね」。松坂もシリングを上回る“超エース待遇”に好印象を抱いた。奇しくも今週は、そのシリング獲得を決めたときと同じ感謝祭ウイーク。来週から本格的に始まる交渉で松坂獲得が決まれば、レ軍にとって3年ぶり世界一奪回への吉兆となる。