この日のライブは2部構成行われ、第1部では神無月さんがモノマネと歌を披露、第2部の「神無月プロレス~41歳を迎えた大人の悪ふざけ~」ではアントニオ猪木(のフィギュア)vs.ハルク・ホーガン(に扮した神無月さん)や、馳浩vs.スタン・ハンセン(神無月さんの1人2役)など、古き良き往年の名勝負が次々に再現され、集まったお客さんを大いに沸かせた。
 ライブを締めくくる最後の試合では、グレート・ムタに扮した神無月さんの対戦相手として武藤敬司本人がサプライズゲストとして登場すると、「ほとんどの人がプロレス系」(神無月さん談)だというお客さんは大興奮。想定外のドリームマッチ実現に会場のボルテージは一気にピークに達した。

 こうして実現した神無月ムタvs.武藤の夢対決だったが、プロレスでは歯が立たないと判断した神無月さん陣営は武藤にプロレスではなく「リアクション対決3本勝負」を要求。「オレ、遊びに来いって言われたから来ただけなのに……」とボヤく武藤から無理やり対決承諾を取り付けた。

 1本目は「痛くないのに痛いフリ対決」で、先行は神無月さん。特別レフェリーとして招かれた和田京平レフェリーが「バン!」と拳銃で撃つフリをすると神無月さんは「ウォ~ッ! グ、グワッ!」とリアクション。続く後攻の武藤は「ヤダなあ。オレ、恥ずかしいよ……」と相変わらずボヤきながらも和田レフェリーに「バン!」と撃たれると「ヌォワ~ッ! グ、ドゥワァ~ッ!」と迫真の演技でリング上を転げまわる超オーバーリアクション。プロレスではなかなか見られぬハジケっぷりでまずは1本目を堂々先取した。
「オレ、一応映画(1987年公開「光る女」)も出てるし、最近では『西遊記』にも出てるから」と役者としてのキャリアを豪語した武藤だったが、続く2本目の「熱くないのに熱いフリ対決」では羞恥(しゅうち)が頭をよぎったか、小ぶりな演技で爆発ならず。顔を赤らめ「アチッ! アチツ!」と身をこわばらせるのみで神無月さんに白星を献上し、勝負は3本目の「臭くないのに臭いフリ対決」へ持ち越された。
 1対1で迎えた3本目で、和田レフェリーのワキの臭いをかいだ武藤は「ヴォォウェ~ッ!!!!」と嘔吐(おうと)寸前の大熱演。まるで和田レフェリーのワキが本当に臭いかのような熱演で2つ目の白星を挙げ、神無月さんを降した。

 激戦を制した武藤はマイクを握ると全日本プロレスファン感謝興行の開催を発表。同時に前回大会(3月21日・後楽園ホール)で大いに話題を呼んだ武藤&神無月さんの夢タッグ再結成の正式にオファー。来場していた小島聡らとハッピーバースデーの合唱を神無月さんに贈り、ライブを締めくくった。

 イベント終了後、囲み取材に応じた武藤と神無月さんは「プロレスもお笑いもお客さんを喜ばせるという共通点は同じ。今日はとても勉強になったし、刺激を受けた」(武藤)「前回は全日本さんのリングに呼んでもらった立場だったけど、今回こうして武藤社長が来てくれたことが本当にうれしい。ファン感謝興行に自分が出て行くことでプロレスのお客さんに喜んでもらえるなら喜んで行きます」(神無月さん)。

 前回大会では小島&三沢光晴(に扮したイジリー岡田さん)という超豪華タッグを対戦相手に迎えた武藤&神無月さん組だが、気になる今回の対戦相手について武藤は「神ちゃんが出てくれるならそれなりの相手を用意する」とだけ明言。
 果たして小島&イジリーさんを超えるビッグインパクトとなるのか否か。対戦カードは決定次第後日発表の予定となっている