羽生ら千葉オシムチルドレン全開/J1

2006年8月27日(日)

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後半23分、千葉MF羽生(中央)は2点目を決め祝福を受ける
<J1:千葉3-1福岡>◇第20節◇26日◇博多球
 悔し涙から、うれし涙へ--。MF羽生直剛(26)ら千葉の代表、そして代表予備軍が、底力で連敗を「2」で止めた。
 1点リードの後半23分だった。左からのクロスをFW巻が下がりながらヘディングシュート。クロスバーにはね返ったところに飛び込んだのが羽生だ。相手DFに脇腹を蹴られながら、167センチがプロ入り後初めて頭で決めた。前半にも脇腹に相手のヒジが入るなど満身創痍(そうい)。得点直後に交代するほどの完全燃焼だった。
 数的優位を生かせず23日の磐田戦で敗れると、人目をはばからず号泣した。「勝たなきゃいけない状況で、中堅より上の年齢の僕が流れをつくれなかった。自分自身に腹が立った」と振り返る。「今日は絶対に勝ちたいと思っていた。結果が欲しかった」。この日は笑顔、笑顔、笑顔だった。
 涙は3点目をアシストしたMF阿部だ。試合終了後、目を真っ赤にはらし「勝ったことに尽きます」と、連敗の責任を感じていたことを吐露した。試合前にはアマル監督から「代表選手は責任を負わなければならない。君たちがいいプレーをすれば周りもついてくるんだ」と叱咤(しった)された。FW巻は「僕らにもプライドがある。ここでやらなきゃ男じゃない」と代表組の気持ちを代弁した。
 疲労で先発を外された弟分のMF山岸が3点目を挙げ、MF坂本も声を出し続けてチームを統率した。チームは辛うじて上位に食い下がった。オシムチルドレンがその真価を発揮するのは、まだまだこれからだ。