ドイツ発! W杯日記


【7月4日(火)@ドルトムント】
ドイツサポーターの負け惜しみ!?

 「Beriln, Berlin, fahr'n wir nach Berlin! (ベルリン、ベルリン、ベルリンへ行くぞ!)」

 これ、今大会のドイツサポーターのテーマチャント(?)だった。ベルリンはご存知、決勝の地。今日も試合前や試合中にたびたびこのチャントが聞かれたのだが、お茶の間の皆さんの耳にも届いていただろうか。結局ドイツは延長戦、最後の最後でイタリアにゴールを許し、ベルリン行きは逃すことになってしまったのだが…。

 準々決勝でアルゼンチンを破り、ベスト4入りを果たしたドイツ。「優勝」の2文字がいよいよ手の届くところにやってきて、イタリア戦前には国内の期待が最高潮に高まっていた。街中を散策中には「Das Wunder von Ber”li”n(ベル“リ”ンの奇跡)」というTシャツを発見した。少し前に映画にもなった“ベルンの奇跡”(注)を文字っているのだ。大会開幕前には、それほど代表チームへの期待も高くなかったドイツ。そんななか、全勝で準決勝の舞台に到達し、“驚きの”16年ぶりのタイトル獲得への期待は、本当に高まっていたのだ。

 そんな期待を完膚なきまでに砕く、延長戦残り数分での2ゴール。試合後はしばらく選手も立ち上がれずにいたが、サポーターからはすぐに「ドイツ、ドイツ」の大合唱が沸き起こった。“赤黒金”にまとまった開催国を再確認したような気がした。

 帰りの列車に乗るために向かった中央駅は、まだたくさんのサポーターでごった返していた。そんななか、ビートルズのイエローサブマリンのメロディーに乗せて、「シュトゥットガルトはベルリンよりいいぞ」と歌う集団とすれ違った。さらにそのあとにも同じ歌を歌う集団が…。もうすでに、新しいテーマチャントが!? かなり負け惜しみに近いけれど…。

 シュトゥットガルトでの3位決定戦、開催国はまだまだひとつにまとまって、最後まで最高のW杯の雰囲気を楽しませてくれそうだ。

注:ベルンの奇跡とは、1954年のスイス大会でドイツが、当時向かうところ敵なしのハンガリー代表を破って、初めてW杯タイトルを獲得した出来事