「椿山課長の七日間」製作発表

伊東美咲:西田敏行の化身に 映画「椿山課長の七日間」製作発表
会見に登場した西田敏行さん(右)と伊東美咲さん

 ベストセラー作家、浅田次郎さんの新聞連載小説を映画化した「椿山課長の七日間」(河野圭太監督)の製作発表会見が29日、題名にちなんでフォーシーズンズホテル椿山荘(東京都文京区)で開かれ、主演の西田敏行さん(58)と伊東美咲さん(29)らが登場した。物語は、西田さん演じる椿山課長が会社で突然死し、伊東さん演じる絶世の美女に生まれ変わるという奇想天外な設定で、伊東さんは「西田さんと同じ福島県出身で、同一人物を演じるためお国言葉を使って、楽しく撮影できた」と話した。

 原作は、浅田さんが01年7月~02年4月まで233回にわたって朝日新聞夕刊紙上で連載し、昨年9月に文庫化されると25万部を売り上げた人気小説。物語は、脳いっ血のため突然死した椿山和昭課長(西田さん)は、天国と地獄の中間にある「中陰役所」で3日間だけ現世に戻ることを許される。正体がバレないように絶世の美女、和山椿(伊東さん)となってよみがえった椿山は、家族や親子の愛、秘めた思いなどに改めて気づかされる……という涙あり、笑いありの感動ストーリー。今年3月に公開された「子ぎつねヘレン」で映画監督デビューした河野圭太監督の長編2作目となる。

 浅田作品はテレビドラマを含めて4作目という西田さんは「僕も一度、心筋こうそくで(死を)覚悟したこともあるので、椿山は映画の中で僕の気持ちを代弁してくれた。彼は現世に戻って、納得した生き方ができていいなぁと思った」と感慨深げ。伊東さんも「中身は中年サラリーマンという難しい役どころを楽しみながら演じることができた」と満足した様子で語った。河野監督は「椿山はひどい目にあったりするが、見終わった後、ふっと温かい気持ちになる作品にしたい」と完成に向けての意欲を語り、原作の浅田さんは「この作品を書いている時に、映像化されたら(小説は)かなわんのじゃないか、という気がした。出来上がりに期待したい」とエールを送った。ちなみに映画と同じように女性に変身できたら何をしたいかという質問に、西田さんは「男を翻弄(ほんろう)して誘惑し、ガーンと遊び抜きたい」と話し、会場の笑いを誘った。

 映画は、4月中旬から都内や関東近郊で撮影を行い、6月16日にクランクアップした。8月末に完成し、11月から東京・東劇ほかで全国ロードショー公開予定。

2006年6月29日