【セッションレポート:決勝】聖地イモラでM.シューマッハが勝利!

2006 年 4 月 24 日
【写真】大勢のティフォジが見守る聖地イモラで、ミハエル・シューマッハがポール・トゥ・ウィンを飾った(REUTERS/Max Rossi)
4月23日(日)
晴れ/ドライコンディション

 好天に恵まれたサン・マリノGPの決勝日は、気温27℃、路面温度は43℃のドライコンディション。フェラーリの熱狂的ファン、ティフォジが詰めかける聖地イモラで、フェラーリのミハエル・シューマッハとルノーのフェルナンド・アロンソによる手に汗握る熱いバトルが展開された。

 スタートのシグナルとともに、M.シューマッハがポールポジションから好スタートを切る。後方では3番手グリッドにつけていたHondaのルーベンス・バリチェッロがフェリペ・マッサ(フェラーリ)とF.アロンソに交わされ、5番手に。1コーナーで混乱はなかったが、ビルヌーブ・シケインに差し掛かり、SUPER AGURI F1チームの井出有治とミッドランドのクリスチャン・アルバースが接触。C.アルバースのマシンは大破するが、幸いドライバーに怪我はなかった。このアクシデントのため、セーフティカーが導入される。

 3周目に再スタートが切られ、M.シューマッハがファステストラップを次々と更新し、後続を引き離しにかかる。15周目、まずHonda勢が動き、R.バリチェッロがピットストップを行なう。M.シューマッハから3秒離されたジェンソン・バトンも、次の16周目にピットに入る。これでHondaの3ストップ作戦が明らかになった。続いて動いたのはフェラーリだった。背後のF.アロンソとバトルを演じていたF.マッサが、19周目にピットイン。7番手でコースに復帰し、F.アロンソは2番手に浮上する。20周を終えたところで、F.アロンソとのタイム差は13秒5。ここで、M.シューマッハもピットストップを行ない、2番手でコースに戻った。暫定トップのF.アロンソは自己ベストを更新し周回を重ね、1回目のピットストップを行なったのは25周目だった。

 31周目にはJ.バトンが2度目のピットストップを行なうが、給油口にノズルをつけたまま走り出すなど混乱があり、大幅にタイムをロスしてしまう。

 再びトップに立ったM.シューマッハは、第2スティントのタイムが上がらない。2番手のF.アロンソに対し10秒以上のマージンがあったが、みるみる差が縮まり、35周を過ぎる頃には1秒を切る。抜きどころの少ないサーキットで、F.アロンソは機を伺い仕掛けるものの、M.シューマッハは隙を見せず、トップの座を維持する。この状態を打開するため、ルノーが先に動き、41周目にF.アロンソが2度目のピットストップ。しかしアウトラップが伸びず、すかさず42周目にピットストップを行なったM.シューマッハが、F.アロンソの前でコースに復帰することに成功した。そしてここから、テール・トゥ・ノーズのバトルが再び展開される。

 昨年のサン・マリノGPでも、M.シューマッハとF.アロンソによる接戦が演じられたが、今年は互いの立場が逆となった。F.アロンソは追いすがるが、残り3周で縁石を超えオーバーランするなどミスもあり、タイム差は2秒に広がる。最後まで安定した走りを見せ、歴代記録の66回目のポールからスタートしたM.シューマッハがトップの座を守りきり、ティフォジの詰めかけた聖地イモラで、ポール・トゥ・ウィンを飾った。

 また、チームメイトのF.マッサも、コンマ4秒の差でマクラーレンのキミ・ライッコネン(5位)を抑え、4位入賞。3位表彰台にはファン-パブロ.モントーヤが入っている。6位はウィリアムズ・コスワースのマーク・ウェーバー、ピットストップ時のタイムロスなどが響いたJ.バトンは7位に終わり、地元のジャンカルロ・フィジケラが11番グリッドから8位に浮上した。

 SUPER AGURIは、レース中盤にリタイアしていた井出に続き、佐藤琢磨も44周目にマシンを降り、F1に参戦して以来、初の2台リタイアとなった