日本には四季がある。そしてそれぞれの季節には特徴があり、我々はそのなかで暮らしを営んでいる。日々の暮らしを営むための器が住宅であり、この器の中でいかに「四季を感じる」かを大切に考えたいものである。
日本古来の建築素材、タタミ・障子・土壁・漆などは、その風土により培われたものであると考えても良いわけであり、こういった優れた素材が春夏秋冬のなかで上手に居住環境をしつらえてきたと考えられる。
例えば、西洋では光の中に影を見る的な感覚であるのに対し、日本では影があってその中に光を感じるという風情がある。そこには障子があり、軒端があり、庭の樹木があり、といった空間が容易に想像できる。またタタミや土塗壁は四季を通じて常に湿度を調整してくれ、日本人の基本的生活動作に非常に適していると考えられる。他にもたくさんの優秀な素材が挙げられるが、すべてとは言わなくても少なくともこれらを要素として取り入れた居住空間を計画していきたいものである。そこに住まいの美学があるのではないだろうか。
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