私立バラが丘学園3_2
私立バラが丘学園
第三章 バラ学の一週間
火曜日☆
一年五組時間割
時間|月曜|火曜|水曜|木曜|金曜
1限|国語|社会|理科|数学|英語
2限|理科|保健|数学|国語|社会
3限|体育|国語|国語|音楽|理科
-------昼休み-------
4限|家庭|理科|体育|英語|総合
5限|家庭|情報|OCA_|理科|総合
6限|数学|美術|LHR_|情報|総合
一時限目は社会で、このクラスの担任、浦田が担当する。
自分のクラスの生徒なので、名前や性格など、手に取るように分かる。生徒も入学から慣れ親しんだ浦田の授業は、ホームルームの延長みたいなものだ。
ちなみに浦田は鉄道部の顧問だ。社会科の中で、日本地理が最も得意で、地方の名産や気候などもよく知っている。鉄道のみならずバスや飛行機と公共交通なら何でも好きなので、特に部員からは裏で、「浦田旅行代理店」と呼ばれている。
二時限目は保健で、月曜の体育を担当している丹波が行う。
力強い板書に、大きな声が生徒の気を引き締める。
三時限目の国語と四時限目の理科は月曜で解説済みなので割愛する。
五時限目の情報は、ちょっと風変わりな大河原という四十代前半の教師が担当する。バラが丘学園に情報の授業ができたのは二〇〇三年のこと。それと同時に大河原が就任してきた。大河原の経歴は他の教師とは異なり、工業高校卒業後、IT企業でプログラマーとして働いていた。
しかし社会人になってから人に教えることに興味をもち、母校の工業高校で教師をしようと考え、助手から教師という職業にありついた。ところが工業高校に就任した一九九三年は、情報はまだ一般教科ではなく、教員免許を持たなくても教壇に立つことはできたのだが、二〇〇三年より一般教科になるにあたり、二〇〇一年より研修を行い、認定試験を受け、晴れて情報の教員免許を持つこととなった。
一般教科になったことで、大河原は十年ほど勤めていた工業高校を退職した。昔から自分はゲイだと自認していたので、バラが丘学園で働きたいとは、教師を始めて何年かして考えるようになった。ただ、今から大学に行くのも気が引けるし、当時教員になれそうな教科といえば数学だったが、あまり好きではなかったため、今後の人生に迷いながらも、当時勤めていた高校で定年まで頑張ろうと考えていた。それが、免許を取ったことで職場を変えることが可能となり、二〇〇三年に就任したのだ。
性格は理論的だが、人情もある。あまり喋るほうではなく、生徒の評判も悪くはない。生徒から見れば特に目立った特徴もないので俗に言う目立たない先生だ。
パソコン部の顧問をしている。
六時限目の美術は、デッサンが好きな赤星という三十代後半の教師が担当する。
「絵は心よ」というのが赤星のモットーだ。本人はヌードも描いてみたいと思っているのだが、多感な高校生にそんなことをさせたらPTAから訴えられるので、石膏像で我慢している。授業はデッサンのみならず、木工アートやマーブリング、アクセサリーづくりと豊富な内容だ。
一部の生徒はこの美術の虜になり、美術部に入り、コンクールなどに数多くの作品を出している。
小説『私立バラが丘学園』3_1
私立バラが丘学園
第三章 バラ学の一週間
月曜日☆
授業が始まってから、一週間が経った。オトコファイルを登録した月曜を除いて、既に授業は始まったのだが、入学早々でいきなり教科書を開くわけでもなく、大半は自己紹介などで終わってしまった。
時間割は次の通り。
一年五組時間割
時間|月曜|火曜|水曜|木曜|金曜
1限|国語|社会|理科|数学|英語
2限|理科|保健|数学|国語|社会
3限|体育|国語|国語|音楽|理科
-------昼休み-------
4限|家庭|理科|体育|英語|総合
5限|家庭|情報|OCA_|理科|総合
6限|数学|美術|LHR_|情報|総合
月曜の一時限目は国語で、二十代後半の笠原という新米教師が担当をする。外見は地味で、制服を身に纏えば高校生と間違えられるほどだ。性格もおとなしく、一部の年配の教師からは「先生に向かないオトコ」と言われている。
部活は卓球部の顧問で、腕はそれなりだが、厳しさがないので今年からマッタリしている。
授業についても同じで、厳しくないので、生徒が隣の子と好きなオトコを語っていても、軽く注意するくらいであり、表情を変えない。
圭一と竜也は真面目に授業を受けているが、友紀や重治はお互い好きなオトコの話をしたり、「だからあんたはモテないのよ」などと毒舌を浴びせたりしている。
他の生徒も騒がしい子と真面目な子が半々で、ある意味活気のある授業風景だ。
二時限目は理科で、四十代後半の高崎というベテラン教師が担当をする。頭のてっぺんには髪がなく、在校生から、裏ではカッパ、カパザキと呼ばれている。性格は頑固で授業方針も一度決めたことは曲げない、そして無愛想と、生徒からあまり好かれないタイプだ。授業風景は静かでみんなつまらなそうに口を尖らせたり、やや雑にノートをとったりしている。
部活動の顧問はやっていない。
三時限目は体育で、月曜は球技や陸上、器械体操などを行う。教師は丹波という三十代前半の、俗に言うガチムチ系だ。短髪、マッチョ、ヒゲと、古くから好かれるタイプの容姿で、一部の生徒を片想いにさせる。性格は体育バカで、すぐ上半身裸になりたがる。指導も熱が入り、生徒よりも運動をするほどアクティブだ。
圭一と友紀は球技がからっきしダメで、バスケやバレーが予定として組まれている六月が今から憂鬱だ。竜也は苦手なものは特にない。重治は走るのが遅いので今月の陸上は気が進まない。
バスケ部の顧問をしているが、部員の少なさをいつも嘆いている。
昼休み。生徒は教室や食堂でお昼ご飯を食べる。自分のクラスで食べなければいけないという規定はないので、あちらこちらでカップルがひとつの弁当箱をつつきあっている。
食後は二十分の休み時間で、他の高校生のように校庭で遊んだり、教室でカードゲームをしたり、廊下で立ち話をしたりしている。
四時限目と五時限目は家庭科。三十代前半の自称「主夫」のおネエ教師、竹崎が担当する。首を傾けながら、唇に人差し指を当てて授業をする。その光景はまさにオンナだ。
容姿は若作りで、最近小じわができたことで悩んでいる。
授業は花柄やハート型の絵が描かれた自製のかわいいプリントを教材として、黒板の文字も丸くてトゲトゲしさを感じない。月に一度は調理実習をするのだが、最初の予定は今月の最終の週なので当分先のことだ。
非常勤講師で、月曜から水曜までしかいない。
六時限目は数学で、鎌倉という三十代前半の非常勤講師が担当する。
「いいですかぁ」、「~になるのよねぇ~はーい」などと独特の口調を生徒から真似される。特に「はーい」を頻発させるので、一部の生徒は「はーい」の回数をカウントしている。
鎌倉は二つの高校で数学を教え、週末は二丁目のゲイバー『アルム』でミセコをしている。バラが丘でももうひとつの高校でも同じように授業をするので、もうひとつの高校では、オカマクラと呼ばれている。おまけに他の教師には、バラが丘での授業とミセコをしていることを話しているので、どことなくよそよそしい態度をとられる。
中立、あまり何にも属さない、が鎌倉の合言葉で、生徒とそれほど関わりを持たない。国語の笠原と共通する点があるのだが、なかなか二人が顔を合わせることがないので、お互いの存在に気づいていない。
小説『私立バラが丘学園』2_4
私立バラが丘学園
第二章 イケメン争奪!?オトコファイルを読み漁ろぉ
その後の話ぃ
翌日。
圭一は健志とのエッチからずっと何かを考え込むような感じになった。
そんな圭一の態度に友紀が「どうしたの?」と声をかけた。
圭一は昨日のエッチの事を話した。
「ああ、ヤリ逃げだね」
「ヤリ逃げ?」
聞いた事もない言葉に首をかしげる圭一。
「うん、絶対そうだよ。自分だけイッたらもういいやって人」
圭一はしょぼくれた顔をする。
「あはは、けいちゃん落ち込んでるー。ヤリ逃げなんて珍しくないよ。仕返しにどんどんやっちゃえばいいのに」
「ならないよ。やっぱり好きっていう気持ちがないと」
「えーっ、ヤられてから好きになればいいし」
「そんなの違うと思う」
黙る二人。
「あっ、そうそう。またオトコファイル見たいから昼休み図書室付き合ってよ」
場を取り戻すように友紀が話題を変えた。
「えーっ、もう当分オトコいらないからいい」
昨日のエッチや友紀の考えで、圭一は当分オトコ探しをやめようと思った。
「じゃあいいわ。竜也くんと行くから。竜也くぅーん」
「うーん、ボクもいいや。ボクは自分で好きな人見つけたいし。ファイルも非公開にしてるし」
「あら、じゃあ…(重治をみつめる友紀)」
「あたしも嫌よ。だって全然こないんですもの」
「何よみんな、つれないわねぇ」
オトコファイルではなく、自分のペースで好きな人を見つけたい竜也。
もうすっかり諦めてフテ子になっている重治。
ひとりでも図書室で黙々とファイルを読み漁る友紀。
みんなそれぞれのやり方があるようだ。
