■you tubeにホイールバランサーの動画が上がっていた

自動車用じゃありません。自転車用です。

 

この中で8gほどのアンバランスをバランサーを使って補正しています。

そのこと自体はいいんですが、いくつか気になった点がありますので、以下に挙げていきます。

 

1. 「匠」のおじさんが、自動車だと115km/hで振動が出ると言ってますが‘、

 それはたまたまおじさんの車がそうなだけです。全ての車が同じ速度であるはずが

 ありません。

 

2. ホイール取り付け時のセンター出しがどうなってるか?

 動画内ではよくわかりません。まあ回転している映像を見るとそれほど偏心して

 いるようには見えないので、多分大丈夫でしょう。

 ついでに言えば、バランス取る時にディスクローター外しちゃってますが、

 ディスクローター込みのバランスを取るべきです。

 

3. カーボンリムの方がアルミリムに比べてばらつきが大きい?

 動画内で「匠」のおじさんが言ってます。曰く、「アルミリムは引抜き成形だから

 均一、カーボンリムはカーボン繊維を貼って成型なのでばらつきが大きい」と。

 イメージとしてはそうなんでしょうが、実際にはアルミリムは円形に仕上げる

 必要があり、振動に寄与が大きい真円度で比較すると、一概にアルミリムが

 いいとは言えません。(もちろんカーボンリムも型の中で加熱成型するので、

 簡単に精度が確保できるわけではありません。)

 同時にカーボンリムの方が軽いので、多少の繊維の貼り方にばらつきが出ても、

 重量バランスに与える影響は小さいとも言えます。

 

 実際動画内で振動していたホイールのカウンターウェイトは貼り付け位置が

 ちょうどバルブステムの反対側で、重さも8g程度ってことは、バルブステム分の

 重量を補正しているだけにすぎず(ホイール自体にアンバランスがあれば、

 普通カウンターウェイトを貼り付ける位置はバルブの反対側からずれます。)、

 このこと自体からもカーボンホイールのバランス精度は決して悪くないということ

 がわかります。(あくまで一般論ですよ。粗悪品も中にはあるでしょう。)

 

4. 共振を起こしているのは計測機器としていかがなものか?

 58km/h(だったかな?)で、バランスを補正していないホイールがバランサーに

 取り付けた状態で大きく振動していますが、これは明らかにバランサーの

 アーム支持剛性不足による共振です。

 補正するためのバランス必要量は共振を起こすよりもずっと低い速度域で

 計測してなんとか精度を確保しているのでしょうが、そもそも精密であるべき

 計測機器が使用可能領域で大きく共振するなんて、

 普通あってはならないことです。

 まあ、素人さんに気持ちよくお金を払ってもらうためのデモ目的なんでしょうが、

 ジジイ的にはあざとく見えてしまい、なんだかなあ…と言う印象です。

 

5. 動画内でバランス補正に使っているシート状のウェイトはハサミで易々と

 カットしているので、おそらく鉛だと思います。(違ってたらすいません。)

 鉛は環境に良くありません。使わないで欲しいです。

 

■バランスはとった方がいいのか?

それで結局、バランスはとった方がいいのでしょうか?

何事も程度によるので、恐ろしく狂ってる場合はとった方がいいでしょう。

でもね、下の記事にも書きましたが、20gくらいのアンバランスなら無視できる程度です。

 

ましてや動画内のアンバランス量の8gなんて…

 

動画内でも匠おじさんが「気持ちの問題」みたいなこと言ってますよね。

微振動がなくシューっと走れるって。

もちろん微小とは言えアンバランスにより加振力が出るのは事実なので、振動は出ますが普通まず体感はできないでしょう。(何度も言いますが、大きくバランスが狂っていれば話は別です)

体感できなくてもお金かけて自転車をメンテしているという自己満足の世界ですね。

 

ジジイは自己満足が悪いとは思ってません。

そもそも趣味なんてプロじゃないんだから自己満足の世界なんだし。

でも自己満足で言うならば、軽量化を気にしているのであれば、こんな「不要な」重量をわざわざ追加する必要は全くありません。

振動問題で自己満足欲を満たすのであれば、ホイールの真円度(偏心だけが問題じゃありません)や、タイヤのユニフォミティも対策してほしいです。

 

自転車用で計測できる機器がない?

 

ジジイが作り方アドバイスしますよ。

 

【追記】簡易的なバランスの取り方を記事にしました。ご参考。