◾️事の始まり

ターマックのディスクブレーキの引きずりをチェックするために、タイヤを浮かして空転させて、減速する様子を見ていた時のことです。

フレームを手で持ち上げてタイヤを浮かせ、リアタイヤを手で軽く空転させたらフレームを持ってる手に振動が伝わってくるじゃありませんか‼︎

えええ、ちょっとなんだこれは!と思い、ペダルを手で回してもっと速くホイールを回転させてみます。

すると回転の速度が上がるのと連動して振動の周波数も上がっていき、良く見るとちょうどホイール1回転で1回振動が出ます。

 

今までのTIMEにはデュラの9100–C40を履いていますが、このホイールは振動どころか目に見えるホイールのランナウト(振れ)もほぼ無く、すごく精度が高い回り方をしていたのでそこからの落差が激しく、ビックリしてしまいました。

 

◾️振動の原因

これは製造工程の不具合でホイールの中にでも何か重いものが残っているのでは?とその時は思いました。

そこで急遽タイヤとチューブを外してホイールだけにして同じように回してみました。

すると振動は大部分無くなりました。

 

ただし、ホイールだけにしても振動は完全には消えず、またランナウトもあまり良くなさそうで、デュラの精度感とはえらい違いです。

たぶんそこまでの精度は不要と割り切っているのでしょうね。

 

それはともかく犯人はタイヤかチューブです。

そこで目が行ったのはチューブについているバルブステムです。

ターマックのリアホイールは60mmハイトなんですが、バルブはそこから25mm突き出ています。

つまり合計80mm程度のバルブステム長があります。

さすがに円周上の1箇所だけに80mmものスティールの棒(ステム)が付いてたら振動も出るよね〜

間違いなくコイツが犯人でしょう。

 

◾️バランスは取る必要あるのか?

対策するには、単純にいえば反対側に同じくらいの重りを付ければいいんですが、ここでふと考えました。バランス取る必要あるのか??

 

これが致命的な問題ならさすがにアメリカンなスペシャでも対策するだろうし。

だいたい、実際の路面で乗ってた時には60km/hくらいまで出しても振動なんか全く気になりませんでした。

ネットにはバランス取りの効果として、シミーが収まるとか、パワー消費を防げるとか書いてあるものもありますが、どれもあいまいで根拠が示されておらず、効果は不明確です。まるで健康食品のサイト見てるみたい。

 

そもそもシミーなんて共振系を何とかしなきゃ加振力だけ対策したって片手落ち。

むしろこの程度の加振力でシミー出るような自転車は危ないから乗らないほうがいいです。

 

パワー消費ですが、振動でエネルギー消費って増えるのでしょうか?

振動によってタイヤの変形による熱損失かなんかで増えるんでしょうけど、どのくらい??

バルブステムの重量アンバランスが20gあるとして、40km/hで走行時の遠心力をサイトに計算してもらうと、遠心力は約8N弱と出ました。

 

タイヤの縦バネ定数は180N/mmくらいだとすると遠心力によるタイヤの変形量は0.04mmです。

この変形量によるエネルギー損失は私にはいくらくらいなのかわかりませんが、無視できる量であることくらいはわかります。

ちなみに60km/hでの遠心力は17Nくらい。輪荷重45kgとすると、発生する加速度は単純計算で0.04G弱です。そりゃあ気が付かないわけだ。

 

◾️結論

というわけで、バランスは取る必要ないというのがジジイの結論です。

あくまでジジイの使用環境では不要と判断しただけで、下りで100km/h出すとかという人はバランス取ったほうがいいかもしれません。

でもその場合は、重量バランスだけでなく、ランナウトやユニフォミティも考慮に入れることをお勧めします。簡単じゃないですが0.04mm分だけ対策しても意味ないです。

それと使用するウェイトは鉛以外の環境にやさしいものを使ってくださいね。