6月8日土曜日、昼。
あぁ、くそ、具合が悪い。
どうやら風邪をひいたらしい。
此度の風邪は妙に蔓延する。
皆、喉にきているようだ。
あと鼻水。ジュビジョバである。
熱を計ろうと鈍色に輝く薬箱を開けるが、大量の風邪薬が検出された。
もはやパッと見ただけでは何の薬か分からない。
と言うか我が家には体温計などないようだ。
必要ではないらしい。
いや、しかし、ダルい。
なぜ血圧計があって体温計がない。
思わぬダルさだ。
こうしてる間にゴミ箱からジュビジョバのティッシュが溢れ出てしまいそうだ。
とりあえず血圧計っておこう。
初めて計ったが異常はないようだ。
ぬ…アレは…!!
マズい。
栽培中のペパーミントにアブラムシが大量にくっついているではないか!
どうする。
牛乳スプレーで窒息させるか…?
いや、今の時期に牛乳スプレーもマズい。臭い。
しかもそれでは殺生である。
殺生もマズい…か。
アブラムシ大量殺害の罪で起訴されては元も子もない。
彼らだって生きるのに必死なのだ。
あ、て言うかダルい。
体温計がなくてはどうにもならない。
それでは寝る訳にもいかないだろう。
もう悪寒もしてきた。
体温計の為に私は果てるか。
………それも良いだろう。
眠たくなってきた。
この身体が動かなくなろうとも、
精魂の旅に終わりはない。
旅に絶壁は付き物だが、道は必ずどこかにある。
人生とは…旅だ。
半世紀の更に半分も生られなかった私であったが、これは始まりである。
参らん。体温計を探す旅へ。
………私が次に目を覚ました時は、熱が上がっていることだろう…。