夜、街道を歩いている。

途轍もなく暗い。田舎道というのはなぜ、こうも暗いのか。

街灯なんざ、あってないような、そんな感じだ。

 

暗すぎてたまに通る車のライトが眩しくて・・・

眩しすぎてケタタマシイ!と変な方向の怒りが湧いてくる。

そもそも暗すぎる所に明るすぎるライトが飛び込んでくるから理不尽な怒りに遭遇するのだ。

 

『あれが光ったりしたら・・・』

 

ポォ・・・

 

『・・・・』

 

ホワァ

 

『えぇ・・・、・・・光りよった・・・』

 

近くにあった木製の電柱を何の気なしに見ながら、うっすら光ったりしないかなと考えたら光りだしたのだ。

ええぇぇ・・・・

冷静にパニックである。

 

冷静なので少し目線を外し、現実逃避してみる。

うん、目線外しても漏れている光は目に入ってくるね。

この場には自分しかいない。

恐らく夢ではない。

ああ、これ夢だと気づく夢より確実に意識がクリアだから夢ではないと思う。

驚きはしたが、これをなかったことにするには勿体ないと感じてしまった。

 

よしっ、次は強く思ってみよう

優しく光っている電柱を再び見る。

 

『光れ!!!』

 

ビィヤーン

強く意識すると一気に電柱から発せられる光が増した。

 

「わっ!」

急いで目を背けるも、目がチカチカする。

再び理不尽な怒りが湧いてくる。

 

『あああ!もううう!!ケタタマシイ!!!!!!』

本末転倒である。