英語学習の為の小噺99~Ostracism

 

師匠:いま、1992年有斐閣発行の「日本人の考え方を英語で説明する辞典」という本を読んでいる、って言うか、暇なときに辞書を引きながら読んでいるんだ。

 

弟子:ずいぶん古い本ですね。今から30年以上も前の本ですよ。

 

師匠:そう。昔一杯参考書を買ったんだが、「積ん読」になっていた本を今暇に任せて読んでいるんだ。でも、結構、面白いよ。「武士道」だとか「恩、義理」なんかについて英語で表現してるんだ。

 

弟子:へぇー、確かに面白そうですね。

 

師匠:で、今日の言葉、「Ostracism」(村八分)という言葉を見つけたんだ。本の中に” Murahachibu”という言葉が出てきて、その説明に「In old times, this meant exclusion from social interaction with others in one’s village.」というセンテンスがあった。

 

弟子:そのセンテンスだと意味がよく分りますよね。

 

師匠:そう。で、これを一言で言うと「Ostracism」ということになるらしい。

 

弟子:つまり、村八分はネイティブ的には、その単語で理解できると…。

 

師匠:そうらしいんだ。で、この「ostracism」を辞書で引くと、「古代ギリシャの陶片追放」となっている。

 

弟子:「陶片追放?」それは何ですか?

 

師匠:アタシも分らないから、広辞苑で調べてみた。「古代ギリシャの秘密投票による追放制度。僭主など追放しようとする者の名を陶片(オストラコン)に記して投票し、それが一定数に達すると追放された。」との説明。

 

弟子:つまり当人が知らない間(秘密裡)に追放が決まっていたと…。

 

師匠:当人が知っているか否かは詳しく研究していないので分らないが、外国にも似たような考え方、というか仕組みが在ったんだなぁ、と…。

 

弟子:人間って洋の東西を問わず、同じようなことをしているんですね。

 

師匠:特に自分たちに不利益なことに関しては…ね?(笑)