もう逢えないかもしれない (菊池桃子)
日差しがひとつ弱まるたびにふたりの心も もろくなるね草原ぬけてミモザの駅へあなたを送りに急ぐ 風と夕陽をつれてそんな怒った顔を はじめて見たわ手も握れない私 責めてるみたいもう逢えないかもしれない 秋は旅人あなたに枯れ葉の音がしたもう逢えないかもしれない一度も好きと言えずにごめんねいま風は走るあなたの影をふまないように離れて電車が来るの待った胸が一杯クルミの枝にそっと 小さく彫ったあなたの名前 冬に埋れてゆくねもう逢えないかも知れない 風も旅人ホームにゆれてるかすみ草もう逢えないかも知れない思い出だけが 心に重くて ねえ折れそうですもう逢えないかも知れない 夢も旅人木の葉が涙の海になるもう逢えないかも知れない一度も好きと言えずにごめんねほら風が止まる