-13-
彼の顔が鼻先まで来たところで、瞳を閉じる。
胸の鼓動が激しく、彼に聞こえてしまうんじゃないかと、よけいにドキドキする。
乳首も細かく震えてきたわ。
特に左の乳首だけ・・・
笑点のメロディとともに・・・
「あっ、電話」
ブラウスの胸ポケットに入れてあった携帯が着信してる。
「ごめんなさい。ちょっと待って・・・」
彼に背中を向け、ディスプレイを見ると、あの小僧!
どこまで私の邪魔をする気なのよ!
「なによ!」
「先生!助けて」
「何時だと思ってるのっ!いいところなのよっ!いいかげんにしなさいっ!」
通話を切り、パンツのヒップポケットに捻じ込む。
なんで丁度いいところで電話を掛けてくるのよ。
もしかして、私の体のどこかに盗聴器をセットしてたりして。
盗聴器が無いか全身をパンパンしてると、彼が後ろから体をそっと密着してくる。
「あん」
おしりに細かい振動を感じるわ。
えっ、いきなりバイブ?
「ちゃんちゃらすちゃらら、すっちゃんちゃ~ん。パフっ」
また、笑点のテーマ。
ヒップポケットに入れた携帯を取り出す。
「小僧!いいかげんにしなさい!」
「・・・あの・・・先生?」
聞こえてきたのは女性の声。
「えっ、もしもし、どちら様です?」
「夜分遅く申し訳ございません。マリの母です」
「あっ、マリちゃんのママ!すいません、あの、あの、小僧が久しぶりのチャンスで笑点のメロディが・・・」
しどろもどろになる。
「先生、あの、すみません、マリが置手紙を残して家を出て行ったみたいなんです」
「えっ、家出ですか?」
「駆け落ちすると書いてあります。カズヤくんと一緒みたいです」
駆け落ち?
小僧と一緒?
さっきの電話・・・
何やってんのよ、あいつら!