最後に話したのは  かかってきた電話で
帰省していた妹から「家に着いた」という連絡があったことを伝えてくれた
せっかくかけてくれた電話に対して「そうなん!着いたんやなぁ!分かったよ!」と、ご飯を作っている途中だったこともあり 素っ気ない話し方で 「じゃぁね!また明日行くね!」って 電話を切った
それから いつもなら夜中に数度掛かってくる電話が一度も鳴らないまま4時を迎え…
今日はなかったなぁ、って思ってうとうとしていたその時に鳴った電話は 病院からの「もう呼吸が弱いのですぐに来れますか?」というものでした
駆けつけたのはそれから約20分後
真っ白い顔を一目見てあーもうホントにダメなんだってようやくわかった。心電図は横一本、呼気が若干あるかのような…波形
〝お父さん〟と呼び続けても何の返事もなかった
ドクターが死亡診断書に書いた時刻は電話を頂いた時刻!
巡回の看護師さんが気づいたときが臨終ってこと
一人で寂しく旅だったんだ
ひとりぼっちにしてごめんね
ドクターからは「この週末になにかあってもおかしくない状態、個室だし泊まっていいよ」って言われてたのに 泊まらず帰った私を許してね
前日は大声で〝(注射が痛いから)やめてくれ!〟って怒鳴るほどまだ力があるんだと勘違いした
思い起こせば 妹が3時に帰るので駅まで送り、また病院に戻ったとき麻薬の点滴していて うとうとしていた父を そのままにして帰ろうかと思ったけど、なんだかダメと思い直し、それが終わるまではと思い直した…
その待っている間に 数回 「えっ!呼吸が止まるの?」って一瞬焦ったことがあった
弱い呼吸になったから
それなのに それでも まさか 十時間ほど後にホントに止まってしまうとは夢にも思わなかった
そして、点滴が終わったときに 「じゃあ帰るな!バイバイ」って
寂しい顔が最後の顔

入院してからあっという間の1ヶ月だったけど これまで生きてきて一番長く一緒にいたと思う
ありがとう
親不孝でごめんね