話の続きでクマオに尋ねた。

 

「もし私が飲み会でさ、

 連絡取れんくなったら 

 どう思う?」

 

「心配するよ」

 

「その心配って身の安全のこと?」

 

「そう・・やな」

 

「ふ~ん、

 私がクマオさんを心配する時は、

 クマオさんの身の安全30%、

 あとの70%は浮気の心配」

 

そう言うと、またハハハと笑う。

 

 

わかってはいるが、

何か、私、悔しいではないか。

なので言ってやった。

 

「まぁ、見ときよ、

 クマオさん、いつかとんでもなく

 後悔する時くるよ」

 

「え?」

 

「クマオさんが敢えて無視した私の

 電話、それが私の息引き取る

 寸前の電話かもね~

 

 クマオさん、あとで、

 りこ~りこ~って泣いても泣いても

 もう遅いねんからな!」

 

子供じみているとわかりながら

言葉が止められない。

鼻息荒い私の言葉。

 

 

「そんなことになったら・・・・

 そんなことになったら、

 ボクはもう後悔のかたまりで、

 もう生きていかれへん・・・」

 

 

「フフ~ンだ!」

 

 

そう言いながらクマオを見ると、

情けなそうな顔をしている。

 

 

 

 

 

つまりは、

私を欺くのなら、

それぐらいの覚悟がいるということ、

 

だから、いつどんな時でも、

私からの電話には出てほしいということ、

そうすれば、相手にもわかる。

この男には別に大切な女がいると。

 

 

私はそれを伝えたいだけなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最近のピンは、元気だ。 

クマオが脱いだウルトラライトを

わざわざ広げてポジショニング

するピン。

 

「ピンが可愛くて可愛くて  

 抱っこしてたら

 ドキドキする」などと、

クマオが聞き捨てならないことを

言う。

 

クマオってそんなふうに

思うのか。

 

私にはドキドキなんか

してないなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうど使っていたファンデーションが

なくなりかけたところだったので、

あるブロガーさんのブログから

これを購入してみた。

確かにいいかも。

 

マキアレイベル 薬用クリアエステヴェール

 

 

 

 

 

 

 

 

先週の金曜日、

クマオは飲み会だったが、

クマオから、「今、駅から徒歩で

帰ってる」と電話があったのが

22時半ごろ。

 

確かに歩いているのか、

若干息が上がっているのが

電話越しに聞こえた。

 

 

 

 

ちょうど1年ぐらい前のことが

蘇った。

同じようにやっぱり飲み会だった

クマオとまったく連絡が取れなく

なった夜があった。

 

 

何度電話しても、虚しく呼び出し音が

聞こえるだけだったその夜。

 

結局、クマオが電話に出たのは

日付も変わった午前2時前。

 

電話に出なかった理由を尋ねると

「気づかなかった」の一点張りだった。

 

 

 

土曜日。

大阪への車中での会話で

その1年前の時の話になった。

 

「あの時クマオさんさ、

 電話に気づかなかったって

 言うてたけど、

 

 んなわけないやん?

 

 ええ大人が、スマホの着信に

 気づかない程、呑み呆けるか?

 だとしたら、社会人失格やん」

 

 

そう言うと、顔を赤くしてゲラゲラ笑い

出した。

 

「なるほどね、

 私からの電話だと確認して、

 わざと出なかったってことね」

 

念押しでそう言うと、

さらに顔を真っ赤にして笑っている。

 

 

 

クマオのその反応に、

あぁ・・・やっぱりあの時のあれは

嘘だったんだ、

やっぱりクロだったということかと、

今さらながらとわかってはいても、

ちょっと心がシクシクした。

 

まぁ、1年前のこと。

もういいのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時々クマオは近くて遠い。

私の心はキュンとする。

 

image

この日、アウターの下は

ミニスカート。

クマオが「久々やなぁ」と

言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

激込みの京都市内を出るのに、

小一時間かかったが、

高速道路に乗ってしまえば、

30分ほどで自宅に着く。

 

 

高速道路に乗ると、

急に眠気に襲われた。

 

大きなあくびをすると、

「りこちゃん、シート倒して

 寝とき」とクマオ。

 

「うん・・・」

 

いつも悪いなぁと思うが、

言われた通りにシートを

かなり倒してしばし寝入った。

 

 

目が覚めると、

日はすっかり暮れていた。

倒したままのシートから

無言で運転しているクマオを見た。

 

その姿を見ながら思う。

今、クマオは何を考えているのだろう。

 

隣にいるのが、私じゃなかったら

もっと楽しいのかな、

本当の本当のところはどうなんだろう。

 

 

そんなことをとりとめもなく思う。

 

 

ジ~とシートを元に戻すと、

すぐに、

「りこちゃん、何か買いものして

 帰る?」と訊く。

 

私が起きたとわかると、

すぐにそう尋ねるということは、

今、晩ごはんのことを考えていたんだと

そう思えて、ホッと安心する私。

 

 

私はいつでも何かを心配している。

幸せに浸りきることを恐れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クマオの母親からもらった

豚しゃぶセット。

レタスときのこ少々だけの

超あっさりで。

 

 

 

 

 

 

結局、昨夜もまたクマオは

ダラダラ。

 

四条の村上重で買った

千枚漬けをあてに前日買った

新酒をチビチビ。

 

 

「りこちゃん、ごめん、

 いつもダラダラして」と言う。

 

 

「ううん、

 私は嬉しいよ

 クマオさんといるのが、

 誰といるよりも一番楽しいもん」

 

そう言うと

「ボクもやで」とオウム返し。

 

「いやいや、

 クマオさんはどうかな」

 

「何でよ、そうやで」

「いやいや」

 

そう言いながらも、

引き寄せ合うようにハグした。

 

 

 

 

京都への紅葉狩り。

帰って二人でしゃぶしゃぶ。

 

これが私の居場所、

誰が何と言おうと私の居場所。

決して諦めなかった私の居場所。

惨めでも不格好でもいい、本気で

取り返した私の居場所。

 

 

ここを守ろう。

いつか明け渡す日が来るまでは。

 

 

 

 

 

 

 

ここの千枚漬けは甘ったるくなくて

本当においしい。

 

今年のお歳暮はこれに決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クマオさん、
 渋滞、人混み、行列の
 クマオさんの三大嫌なもん
 揃ってるけど、
 怒っちゃや~よ」
 
車に乗ってすぐにそう言った。
 
クマオは、
「わかってまんがな、
だから、今日は、円光寺の観覧を
予約してんねん」と言う。
 
「予約してくれたん!」
「そやで~、 ボク、えらいやろ」
 
「うん、ありがとう」
 
 
「あんなぁ、ねーちゃん
 
 混むのは、 
 嵐山、東山や。
 今日行く予定の円光寺は
 一条寺のあたりやからな、
 ちょっとマシやと思うんやわ」
 
「ねーちゃん」
クマオはたまにふざけてそう言うの
だが、それが出たので、
 
私は安心してケラケラと笑った。
 
 
クマオは、「りこちゃんが笑ってくれて
たら、ボクはいつも機嫌ええで」
 
「うそつけ!」
 
と、まぁまぁ好調な出足。
 
 
 
そしてその言葉通り、比較的スムーズに
動けた。
 
 
 
紅葉は、ちょっと遅れた感あったような。
 
昨年の嵐山の紅葉はやはり圧巻だったなと
改めて思った。
 
 
 
 
 
 
ラーメン激戦区とあって、
どこのラーメン屋さんも行列。
一番列が短いお店に。
かなり濃厚なとんこつスープ。
image
 
 
 
予約時間まで余裕があったので、
詩仙堂へ。
ハラハラと落ちるもみじ。
そのうちの一枚をクマオが
ロープに絡ませてパシャリ。
image
 
ふと振り返ると、
クマオが作為にしたとは知らない
人たちのシャッターポイントに
なっている。
 
クマオ、ワルイやつ。
二人でゲラゲラ笑う。
 
 
 
 
 
 
 
そして円光寺へ。

 

もみじのじゅうたん。
 
一際人気のちっちゃいお地蔵さま。
お庭は宇宙。
 
 
 

 

クマオの機嫌もよかった。

楽しい一日。