今晩は。いつもありがとうございます。胴巻屋です😀
三線の人工皮について少しお話しさせて下さい。
未成年の若い頃、初めて三線の手仕事で学ばせていただいたのが人工皮張り作業でした。本皮張りに取り掛かる前に、まずは人工皮から学べということでした。最初は柄を中央に合わせることさえ難しく、斜めになったり、間違えて反対柄に張ったりと、失敗は多かったです。それでも表は八分強、裏は七分強で張ることで本皮に負けないほど良い響きを得ることができていました。あれには感動しました。仕事が終わったあとも張りの機械を担いで車に乗せ、また別の作業場で皮張りの練習をする...。そんな青年時代が懐かしく、思い出すだけでも涙が出そうです。ではここで、私の経験から得ることができた知識を少し共有できればと思い解説させていただきます。
✳︎写真一枚目は、昭和後期の人工皮です。これは生地自体が厚く、正直張るのも大変です。当時、宜野湾の三線屋さんで数枚残っており、お願いをして二枚購入したことがありました。張るだけでも相当な力であげる必要があります。チーガ材はメリメリ、バキッという音がするほどです。接着後、1日置いて器具から下ろすと、皮の厚みと強さが合わず、接着したにも関わらず皮が抜けてダメになるということがあるほどです。側面の接着にも相当苦労しました。なので、時々見かけるこの手の人工皮張りも当時の職人は工夫して張り付けたことでしょう。音は力強く、強く張らないと音が弾かないため、そのほとんど九分はりと高音です。このタイプが中音域の音色設定のものがないのはそのためです。
✳︎写真二枚目は今では貴重となっためぐみさんの人工皮です。平成期はほとんどこれが用いられたと言って良いでしょう。従来のものに比べて皮も薄くなり、張り付けも容易になった改良品です。現在は購入できなくなりました。。悲しいです。もう二十年も前のことなのでお話ししますが、人工皮派か二重張り(強化張り)派に意見が分かれる時期があったように記憶します。めぐみさんはこれに危機感を持っていらっしゃいました。私どもも二重張りを試みて、何百と張り、研究したものです。二重張りの場合は一度薄い白生地を張った後、更にその上から本皮を接着して張り付ける必要があるため、これもまた難儀をしました。しっかり弾いて鳴るようにするにはなかなか工夫とバランスが必要でした。朝から晩まで張っていたので、手の平がパンパンに腫れ上がったりしていましたね。あれは辛かったです。。人工皮VS強化張 というそんな時代もあったというのも、頭のどこかに置いてもらえると嬉しいです。
✳︎写真三枚目もめぐみさんのものですが、これは二枚目のものに比べて初期のもので、少し色が茶色っぽいんですね。私はこれがものすごく好きでした。緑っぽいよりは茶色が好きで、これを求めてあちこちの三線屋を回ったりしてました。またそれ以外にも、柄が多少違うバージョンもあり、それは皮がやや厚めで、音面も変わります。いやー深いね〜♨︎
✳︎写真四枚目もなかなか良い昭和の人工皮になります。模様が少しはっきりしないのですが、これもまた品質も良く張りやすいものでした。奄美大島では特に好んでこれを使う方が多かったような記憶があります。懐かしいです。
✳︎写真五枚目は近年のものになります。近年のものもまた張り方によっては良い音作りが可能ですが、少し空気の抜け感が多めなのが個人的に非常に気になるところです。皮に唇をつけて息をかけると生地の密度が細かくないため、空気の通りが良いです。その影響で少し力がない音色と感じることがあります。この現状の改善点もありますが、長くなりますのでここでは控えます。
✳︎写真六枚目は初期の落下傘張りです。当時をよく知る三線職人のベテラン様たちは、当初これが出始めの頃は良く思ってなかったと話していました。沖縄三線は蛇皮なのに、こんなものを開発するなんて!という声も上がっていたようです。しかし蛇皮の代用品として便利さが認められて徐々に浸透したようです。ちなみに音色は良いですよ!
✳︎写真七枚目は近年のデザイン柄です。あまり最近は人工皮は張りませんが、友人のお願いで貼っています。これもまた好きな人にとっては需要があるのだなと、また勉強になりました。
どうもありがとうございます。以上になります。少しでも役に立ちましたか?様々な場所でいろいろな人工皮を見たときは、さてどれに当たるのかな?という目線で見ると面白いですよ!






