AsH創作物語
【夢ト悪魔666】
彼の声が聴こえた―‥
それはあの、夢の町が歌う、ハロウィンを宿し夜に…
+*+
空虚なほど、
穏やかな夢町のハロウィン夜を‥
町を裏の支配者として
ただ見つめる。
『…』
何故に、此処に留まるか
何故が、此処に留めるか
あの日から自問自答している
魔の世界に生まれし、
魔の王族の血を宿し者…
狂気なる世界に魅せられし存在であるはずの己れは
今や
平凡で飽きるほど平和な夢を描く町《箱庭》に存在を置く…
その所以は、
「ただいま、ティアル」
聴くはずのない声に、己れは耳を疑う。
だが、幻ではなく、
声は己れの顔を覗き込む、
玩具の黒い羽の裏に白き翼を宿し、浮かぶ者…
「聞こえてた?」
「オ前さ、翔べタッケ?」
その己れの反応に、愉快げに笑い、
「いちおーね、オレ天使だし」
と、隣に座った。
天使になった彼の香りは聖なる雫を宿す…
己れの魂を虜にした其の‥
「あ~そうだった。はい、はっぴーはろうぃん!」
彼は己れの掌に赤を宿した小瓶を乗せた。
『渇きを覚えた喉が鳴るのを己(オレ)は抑えた…』
「人形(doll)が届いたからさ。誰かにプレゼントをしないと、“またオレが”人形になっちゃうじゃん?」
悪戯じみた表情の彼はそう言った後、
ワザと己れの耳元で囁く
〔コレ、他のヤツには秘密なw〕
その囁き声に己れの意識が夢町の裏(闇)世界での事が過った…
彼〔贄〕を“《口食》シタ‥”
「んじゃ、また足りなくなったら渡しに来るから…
“デ・ロワ〔DES RoIS〕《マスター》”
なんてなw」
あっという間に彼は、ハロウィンの光に飛び込んで行った。
『相変わらず…』
天使の翼は、悪魔の仮装にやけに歪だった…
けど
『アイツらしいな…』
その歪さ、善く似合っている。
だって彼は
『この雫《血》で魔の者を虜にするなんて…
畏れ入る天使だな、SEic』
―魔の者を虜にした天使こそ、
666《悪魔》の称号に相応しいと…
‥壊レタ友情ヲ想ウ‥―
◆サタン《666》宿し日、
また彼は、闇館へ足を運ぶ―…
その囁きは…+*+
闇創作物語
【夢ト悪魔666《星歌ヲ纏イシ天使》】
作:砂水雫
物語作20210511
作業BGM:『lsolation』KITADENANA
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