先日、郵便局の前を通ろうとしたら、目の前で、1台の軽自動車が止まった。
おばあ……じゃなかった、だいぶ年上のお姉さん、が、降りてきて、何やら悪戦苦闘している。
どうやら、おコメを郵送したいらしい。
お声がけをして良いものかどうか……と、こちらがためらっているうちに、背中側に置いたコメを骨盤に乗せるようにしながら歩き出した。
推定40kg未満の高齢のお姉さんが、推定30kg近いおコメを運ぶ。
車道から歩道への段差に少しためらい、立ち止まる。意を決したように登り、歩き出したところで見守ってた私に気づいたらしく。
「容易じゃねーな。」と私に顔を向けて一笑してから、郵便局へと入っていった。
……誰に贈るおコメなのだろう。
我が子へ、だろうか。我が孫へ、だろうか。
贈られた人は、贈る人の苦労に思いを馳せてくれるだろうか。
きっと、あのお姉さんは、相手にそんな気遣いは望んでいないだろう……とか思っていたら、我が目がずいぶん潤ってしまった。
……本来、家族とは、そういうものなんだろうなあ。
つくづく、ありがたいことだと思う。
私は幼少期の少しだけしか家族と暮らしたことがないだけに、心にしみる。