その日は満月。

月にはいつも、3匹のうさぎがいます🐇


うさぎの名前は、まとめ役のあさこ、兄貴分のでんじろう、弟分のけんじです。


満月の今日は月の中で3人仲良く、餅つきをしたり食事をして楽しんでいます。


でんじろうとけんじはサボり癖があるので、いつもあさこに叱られています。


「ちょっとあんたたち、いつまで寝てるのよ!はやく餅つきなさい。」


「はぁー、あさこは今日も元気だな」


「でんさん、さっきあさこ姉さん牛肉買ってきてるの俺見ましたよ!今日は焼き肉じゃないですか?」


「お!今日は牛肉か。たまにはやるじゃねえか、あさこ。」


「ちょっと、早くしないと夕飯抜きにするわよ。」


「しょうがねぇな。やるか、でんじろう」


「へい!」


餅つきは満月の日に決まって行う行事。

うさぎたちは、ついたお餅が大好物です。


「よし!けんじ、今日も頼むぜ」


「あいよ、でんさん」


杵はでんじろう、合いの手を入れるのはけんじの役目。

その間にあさこは夕食のおかずを仕込みます。


2人の息の合った掛け声ともに、ふっくらした粒状のもち米が滑らかなお餅に変わっていきます。



ついたお餅は冷めない内に、けんじが素早く片栗粉をまぶしたトレイの上にのせます。

そして、でんじろうがお餅を一口大にちぎり、丸めていきます。


「おーい、あさこ。今日のおかずはなんだい?」


「あら、もう分かってるんじゃないの?焼き肉よ」


さあ、お餅はどんな味付けをするのでしょう。

毎回その日のおかずに合わせてお餅の味付けをでんじろうが決めます。


「じゃあ、今日は大根おろしにするか!」


「やったー!俺それめっちゃ好きなんすよ」


けんじは大根をすりおろし、でんじろうがお皿にお餅を盛り付けます。


すりおろした大根おろしをお餅の上にのせ、きざみ海苔をちらし、醤油をかければ出来上がり。


ちょうど、焼き肉も出来上がりました。


さあ、3人で食卓を囲んで食事の時間です。


「焼き肉うまいな。あさこの料理はいつも絶品だな」


「あら、ありがとう。お餅もおいしいわ。」


「焼き肉もお餅もうまいっすよ。」



月には、今日も3人の楽しい笑い声が聞こえます。


おしまい。