サーチナ


アジア開発銀行(ADB)が25日に発表したリポートで、韓国は1人当たりの名目GDPで2030年に日本を抜き

、50年には米国と同じ水準に達するとの見通しを示した。複数の韓国メディアがこれを報じた。

  韓国メディアは「韓国の1人当たりGDP、2030年に日本を超える」「韓国、2050年にアジア成長の主導国

」などと題して、相次いで関連内容を伝えた。



この記事を見て驚いたでしょか、笑ったでしょうか?。アジア開発銀行はご存知、日本とアメリカが最大の出

資国の謂わば日米銀行アジア支店。20年先、40年先の予測などあまり興味が無いが、現在、米韓FTA問

題で今だ反対の声が大きい韓国国内を騙す?にはこの位先に設定して置かなければ、外れた時の言い訳

が出来ないとでも考えたのか、いかにもアメリカが考えそうな手段だ。


ちなみに100歩ゆずって この予想が当った所で、韓国の国民自体が豊かになることは有り得ない事を韓国

国民はどれだけ理解しているのだろうか。名目GDPだけで国民が腹いっぱいなれば良いが。恐らく、格差社

会がますます拡大した歪んだ韓国がそこにあるだけだろう。過去記事で指摘した様に、韓国は欧米の傀


儡国家である、一部の企業や財閥が儲かりいくら全体のGDPを押し上げても利益の殆どは外資と財閥に

渡り、一般国民にされなければならない利益の再配分は極一部に限られるだろう。そもそも韓国は選択と集

中と言う手法で経済を主導してきたが、これは一部の優秀な人間や企業に資金を手中させ経済をリードさせ


、得た利益は一般国民に間接的に再配分すると言う一見正当な考えからスタートしているが、現実はそうは

なっていない。富の集中が加速するだけの格差社会を生んでおり、今後も益々加速するだろう。


話は飛ぶが、現在のアメリカやイギリスでも形は違うが、同じような歪みが深刻化している。先日のウオール

街デモに見られるように、偏った富の集積は必ず問題を露呈する。選択と集中と言う手法はマーケティング

等では有効かも知れないが、経済政策そのものに応用するとあたかも王朝下の経済へと変貌する。歴史は


繰り返されると言うが、欧米は近年、アジアを生産基地と物流の一大拠点とし、一方で自国は金融やマーケ

ティング等ノウハウ、医療と軍事力の増大に特化し、アジアをコントロールする、新植民地化とも取れる政策


を進めようとしている。つまり労働を伴う実業はアジア等の後進国にまかせ、金融などの高度技術を伴う虚

業に分担すると言う発想だが、根底には選択と集中という概念が透けて見える。あえて実業と虚業に別けた

のは、この関係が実体と影の関係に似ているという点を指摘したかったからだ。実体は形を変えようがない


が影は視点を変えれば形も変わる。影の都合のいいように実体を移動させてコントロール出来ている内は

良いが、コントロールを誤ると影は消えてしまう。常に危険と隣り合わせと言えるかもしれない。


又、形は違うが中国の共産党独裁下での計画経済も、選択と集中の最たるものだ。いずれも短期間では最

も効果的に見えるが、大きな副作用を伴う。先述したように富の再配分システムの欠落だ。中でも今後、ま

すます問題になってくるのは食料自給率、農業の後退だろう。各国とも農業を守る為、富の再配分システム


を模索しているが、人口構成、気候、地形、地理的条件などが複雑に絡み合い、継続可能な形で容易に構

築出来る問題では無い。物が無くても生活できるが 食料が無ければそれで終了だ。歴史から学ぶとしたら

、今後の富の再配分のさじ加減一つで、大きな混乱が待ち受けているのはどうも避けられない状況のようだ。


日本は欧米や韓国、中国を真似し追いかけるのではなく、反面教師として冷静に見極め、乗り越えていかな

ければならないと思う。ただ、直面する問題 アメリカとのTPPは、経済の連携と言う表面上の仮面の下に対

中国という安全保障を含む複雑な問題も内包しており、避けて通れそうも無い。農業問題など譲れない物は


徹底抗戦しなければならないと思う。これで農業、林業の抜本的構造改革は待った無しとなったが 時間が

無い今、徹底的に守る必要がある。それには効果的な再配分システムを構築して時間稼ぎをする手段もあ

るが・・・・果たしてできるだろうか?。