興味深い記事を目にした。エジプトのインターネット切断を受け、アメリカの起業家が普通のノートパソコンをイ

ンターネットルータに転換するソフトウエアーを使って、パソコンからパソコンへメッセージを順次送っていく形


の通信網「メッシュネットワーク」を作ろうというのだ。この記事を見てすぐに思い出したのが15年位前に話題と

なった、短波放送を使ったメッシュネットワーク構想だ。話題になったといっても極一部のマニア間での事だ。


だが同時期にPHS携帯やインターネットもすでに話題となっており、注目度では当然圧倒的な差があり、何時

しか忘れ去られてしまった。計画では地域毎にブロック化し一定数の個人が短波放送のアンテナと送受信装


置を持ち、ブロックからブロックに電波を飛ばし情報をリレー伝達してゆくもので、ミニFM局のネットワークとで

も言うべきか、基本的には今回話題の「メッシュネットワーク」と同じ概念だ。ブロック内ではトランシーバや携


帯と組み合わせる事できめ細かな情報が集まる。電波を使うかデジタルを使うかの違いだけなのだ。一番の

強みは、ラジオは電池で作動するので災害などで電気が遮断されても使用できるし、個人的番組開設も容易


になる、工夫次第で利用法はさまざまだ。又、有事の際の事を考えたら、こうしたアナログ的情報伝達が逆に

重要になってきたのではないかと改めて考えさせられた。ぜひ拡散していただきたい。



CNNより転載


先週、エジプト政府が国内のインターネット網を遮断してから数時間後、意外な連中が状況打開に乗り出した。世界の「ハッカー」たちだ。

 すべての始まりは、アメリカの起業家シャービン・ピシェバーがネットが遮断直後にツイッターに書き込んだメッセージ。エジプトにある普通のノートパソコンをインターネットルーターに転換するソフトウェアを現地に送りたい、そのために力を貸してほしいというものだ。このソフトを使って、パソコンからパソコンへメッセージを順次送っていく形の通信網「メッシュネットワーク」を作ろうというのだ。

 世界の技術者たちはこのメッセージを次々に広め、「オープン・メッシュ・プロジェクト」への協力を申し出た。ルーター機能を生かせば近くの人との通信は可能になる。もしネットワーク内の1台がダメになっても、別のパソコンを通じたルートを探してメッセージを伝達できる。「携帯型の臨時ネットワークは作れる」とピシェバーは言う。「最低でもエジプトの人々は連絡を取り合って団結することができる」

 さらに、ネットワーク内の誰かが外部との通信手段を得られれば、それをネットワーク内の人たちと共有することもできる。

 グーグルやツイッターの技術者たちも、多くの人たちとエジプトのための取り組みをスタート。ネットの代わりに電話でメッセージを残すと、その音声が文字に変換されてツイッターに投稿されるようになった。

農村部でのネット接続が発想の原点

 エジプトのプロバイダー「ヌール」はネット遮断後も例外的に営業を続けていたが、1月31日についに停止。その後もネットに接続する方法はいくつかあった。固定電話を使ったダイアルアップのモデムで国外のプロバイダーを通じてネット接続する人もいれば、衛星回線を使う人もいた。

 いち早くピシェバーの呼びかけに応えたのは、米ミシガン州でIT企業を経営するゲーリー・ジェイ・ブルックスだ。彼はすぐにウェブサイトを開設し、世界の技術者からのメッセージをとりまとめ始めた。エジプト国内のワイアレス技術の専門家たちにも連絡を取り、メッシュネットワークのソフトを広く流通させ、インストールを促す協力者を募った。

 アメリカの技術者たちがバラバラに持っていたソフトの「部品やかけら」を組み合わせれば、誰でも簡単にソフトをインストールして使用できるようになると、ブルックスは語った。「48時間以内にプログラムを組み立てて、CDかUSBメモリの形で流通させられる」

 メッシュネットワークという概念は以前からあった。「すべての子供に1台ずつノートパソコンを」という理念を掲げるNPO団体OLPC(One Laptop Per Child)が独自開発した格安の携帯型端末には、メッシュネットワーク機能が内蔵されている。確かなネット接続方法がない農村地域の子供たちが対象だからだ。この端末を使えば、子供たちは少なくとも地域内では連絡を取り合える。さらに地域内に1人でもネット接続できる者がいれば、全員でそれを共有できる。