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宝箱の中

このブログは腐女子な私がカキカキするブログです。
絵画紹介、お薦めの本、日常での出来事などを載せます。
アメーバは友達からのススメがあって入りました。
ごちゃまぜのなかにガラクタや宝石があることがあり、気にいったものは全部巣穴に持ち帰ります。

前に書いてた小説の内容が気に入ったので、続けさせてもらいます。


「お、俺もう部活行くっ」

早口に言ってその場を走って逃げだした。

逃げることしかできない自分が憎い。何だって俺が逃げなきゃ・・・。

部室まで来て、中に入り込む。

体操着に着替えて、朝練に間に合うか不安になった。

「先輩、おはようございますっ」

振り返ると、後輩の籠川信吾がいた。

にっこりと笑み、礼儀正しく朝の挨拶をしてくるところ、とてもいい後輩だ。

「あ、おはよう」

そして俺は、あることに気付いた。

「お前、朝練行かねえの?」

「いえ、俺は功乃先輩を待ってたんです。一緒に行きましょう?」

「ああ」

いい後輩だなと思い、今日も頑張ろうと手を握りしめ、朝練場所へ走った。


一時間目の授業は理科。理科室へ移動するため廊下を歩いていると、信吾と会った。

「お前も移動授業なのか?」

「ええ、そうなんです。先輩は理科ですか?」

「・・・?そうだけど・・・」

何で分かったんだこいつ。

まあいいかと俺はその場で、その思いを捨てた。

「次の理科、何か火使うみたいです。はい、これあげますね」

手渡されたのは絆創膏だった。

変。やはり変だ。

「お前何で知っ・・・」

「功乃ちゃーん。早く行こうぜっ」

後ろから蓮寺に突きとばされ、俺は危うく転びそうになった。

「ちゃんって呼ぶな!つーか、突きとばさなくたっていいだろ!」

「ソ―リィ」

けらけら笑うだけの蓮寺。そして俺は信吾を忘れている事に気付く。

「ありがとな、信吾。じゃあもう俺らは行くから。っ蓮寺、待てよ!」

俺は蓮寺の後を追って、信吾をその場に残した。


「功乃・・・お前に言いたい事があるんだ」

「?何だよ、急にあらたまって」

ここは放課後の教室。真剣な顔をして話す蓮寺は、緊張しているのか声が少し震えていた。

「俺・・・女だけどこんな喋りだろ?真剣に、聞いてくれよ」

いきなり何の話だ。困惑する俺を置き去りに、蓮寺はとんでもないことを言った。

「俺と結婚してくれ!!!」

「・・・え?あ、・・・・・・っ!!!????」

今なんて言った。

あれ待てよ、普通これって男から言うもんじゃ。

別にいいだろ蓮寺と結婚できるならと、悪魔が囁いた。

駄目だ駄目だ!やっぱり男から言わなきゃ駄目だ!と、天使が喚く。

悪魔と天使が睨みあい、攻防戦をしている間、蓮寺は何かを取り出した。

「これ・・・受け取って欲しいんだ」

つつ、と渡されたのは、 指 輪 だ と 。

「ゆ、ゆゆゆゆ、ゆび、指輪ッ」

単語が口から滑り出た。驚愕の言葉さえまともに出ない。

リンゴーン、リンゴ―ンと、いつの間にやら場所は教会に変り、鐘がやかましく鳴り響く。

「受け取ってくれるよな?・・・功乃」

いつの間にやら蓮寺は白いタキシードに着替えており、俺の手を取って言った。

心臓が痛い。トゥンクと鳴ったのは気のせいだと思いたい。

そしていつの間にやら天使と悪魔の攻防戦に決着がつき、悪魔が勝ったようだ。

ほうら早く指輪を嵌めろと悪魔がはやし立て、勝手に手が嵌めようとした。

おい、やめろ。左手の薬指に嵌めるなやめろよよめろやめろやめろやめろ!!!

「オメデトォゴザイマァス」と悪魔が笑ったーーーーーー・・・・・・・


「嫌だああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

がばっ、と起き上がると、頭を何かで叩かれた。

え?あれ?教会は?指に指輪もないしえ?あれ?

「俺の授業中に寝て、しかも盛大に寝言を叫ぶとはいい度胸だなぁ、日島・・・」

見上げると、理科の教師、城長柚木がこちらを見下ろしていた。

ニヤリと笑みを浮かべているが、目はけして笑っていない。

「ひ・・・っ」

ようやく事の重大さに気付き、俺は小さく悲鳴を上げた。

「罰として放課後の理科室掃除、お前も強制参加だ」

ーーーーー・・・・・・ああ、今日は厄日だ。


続く