数百万人を抱える楽天モバイル事業の秘密兵器、「前略プロフ」の秘密
「手軽さ」がヒットの理由
前略プロフィールのサービスが開始されたのは2002年4月。当時は個人ホームページが全盛で、ブログやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は日本で開始されたばかり。前略プロフィールの利用者数も、さほど多くはなかった。それが、2006年に風向きが変わる。
「利用者数が急激に伸びたのは2006年の後半から。特にプロモーションをしたわけでもないのに、口コミで広がっている。コミュニケーションツールとして、10代から20代前半までのユーザーが利用しているようだ」と、開発・編成統括本部 プロデュース本部 ポータル部門 ポータルプロデュース部の鈴木裕次氏は話す。
前略プロフィールでは、あらかじめ用意された質問事項に答えていくと自分のプロフィールページが完成する。また、写真や画像を掲載することも可能だ。非常に簡単な仕組みだが、この手軽さが受けたと楽天は見る。また、質問事項も「性別」「星座」「趣味」などスタンダードなもののほかに、「前世」「生まれ変わったら」「世界平和に必要なのは」といったユニークなものも多くあり、「受け狙い」ができる点も魅力になっているようだ。
ユーザーは自分のページを携帯電話で開いて直接見せ合ったり、URLをメールで送りあったりしているという。また、初対面の際の名刺代わりとしても使っている。
自己紹介ページは一度作成したらほとんど更新しないというケースが多いが、前略プロフィールでは様子が異なる。掲載した写真を頻繁に入れ替えたりプロフィールを書き換えたりするケースが多いという。また、掲示板を設置することができるため、新しいコミュニケーションツールとしても利用され始めている。
同様のコミュニケーションツールとしてSNSやブログといったインターネットサービスもあるが、前略プロフィールは機能が限られているがゆえに利用するための敷居が低く、若年層を中心に会員数が伸びたのである。
しかし、懸念材料もある。若年層がメインユーザーのためメールアドレスを簡単に公開してしまったり、自分の写真をそのまま載せてしまったりすることで、出会い系などへのトラブルにつながる可能性が高いのだ。「携帯電話から使っているユーザーが多いせいか、自分と友人しか見ていないと勘違いしてしまい、自分の住んでいる場所や友達の名前などをそのまま書いてしまう。インターネット上で一般に公開されているという意識が薄いユーザーは多い。PCサイトのコミュニティで言えば、3~5年前の状況に似ている」(浅見氏)


