最後以外はタイトルと関係ないから、興味ない人は読み飛ばして。
65mmを超える個体を見つけることは多くのマルバネファンの夢らしい(ネット情報だけど)。
大歯を何度か見てきた自分も(と言っても1桁個体数だけど)、62mmが最大だった。
最も小さい大歯は57mmだったが、多くは60mm前後だ。
自分も見れたらいいなぁと思いつつ、65mm以上の話を聞くのは、林道や登山道から外れ、GPSだけを頼りに発生木を目指すという猛者達だ。
自分はそんな発生木を知らないし、登山道から外れる勇気もない。
そんな気概で見れるほど甘くはないのが65mmという壁なのだろう。
が、自分もいつ沖縄本島に戻ることになるか分からない。
毎年がこれが最後のヤエマルシーズンだと思って、何とか出不精の体を奮い立たせ、夜な夜な探してきた。
すごい頑張った感じで書いているが、夜にただ登山道を歩いて、ただ道沿いの木を見るだけだ。
無理をして65mmをという考えはない。能力もないのに奥に入り、遭難して迷惑を掛けるようなことだけはダメだ。
2024年11月下旬、ヤエヤママルバネクワガタのシーズンとしてはもう終わりに近い。
22時に登山道入口に到着。駐車場にも車はない。
10月中旬~下旬がピークで、11月下旬では採集されてしまって、いないなんてもこともあるのだから当然か。
そんなことを言っても、どうしようもないので、一抹の望みを掛けて、登山道を進み始める。
これは自分の考えだが、前夜半よりも深夜の方が良く見る気がする。
なので、夕方に仮眠して、夜食を食べてから来るくらいでいいと思っている。
初めての場所なら夜から入るなんてことはできないが、何度も入っている場所だ。
油断は禁物だが、夕方入って森の中で待つなんて、自分には無理だ。
ポイントに到着し、登山道沿いの洞のあるイタジイを順番に見て行く。
途中でサキシママダラを撮影したり、ヤエヤマアオガエルを撮影したり、ウラジロガシのドングリはどれが大きいか探したりと、無駄なことをしていては、2時間を過ぎ、日付を越していた。
サキシママダラ(大して珍しくは無い)
オオハナサキガエル(背中全体が緑なのは比較的少ない)
チャイロマルバネクワガタ♂の死骸(この時期は力尽きて亡くなっているのが多い)
チャイロマルバネクワガタ♀(♀の方が生きていることが多い)
一向に距離を稼げていないのが原因なのだが、シーズンも終わりだしな、と1匹も見つからない言い訳を独り言。
それにしても大歯はおろか小歯すら見つからない。
ヤル気が削がれ始めた時に、やっと53mmの中歯だ。
ヤエヤママルバネクワガタ♂中歯といって良さそう
何気に大歯より見る機会が少ない
これを最後にはできない。大歯を見つけて帰りたいと奮い立たせ、近くのイタジイを見て回る。
1箇所で付いていると、近くでも付いていることがあると聞く。
環境が同じであれば、活動するのも同じということか。
そして、やっと2匹目を見つける。大歯だ、やっと見つけた。
しかし、見るからにサイズは大きくない。測ったら58mm。
大歯であることは嬉しいが、60mmすら超えていない。
このまま帰るのは後悔しそうなので、進めるだけ進む。
当初は斜面にあるイタジイまではと思ったが、気力が削がれてきたので、去年62mmの大歯を見つけたポイントまでとした。
が、そこにも何もいなかった・・・
引き返す時点で開始から3時間は超えている。戻る頃には3時は過ぎる計算だ。
望んだ成果ではないが、大歯を見れたので、悪くはないと言い聞かせる。
帰り道でウラジロガシの根元を見ると、小歯がひっくり返っていた。
希にウラジロガシで発生するらしいが、そんな洞もないから、近くのイタジイから歩いてきたのだろう。
神様は見てくれるはずという邪な考えで助けてあげることにした。

ヤエヤママルバネクワガタ♂小歯(小さいなぁ)
最後の望みは小道に入ったイタジイだけ。
ここは登山道入口から20分程度の近場で、大きなイタジイはないので、サイズは期待できない。
前回入った時に見たのも小歯2匹だけだった。
サイズがダメなら、数くらいはと思って探す。
やはりいたのは小歯だ。前回見た個体のようで、フセツがとれても頑張っているようだ。
ヤエヤママルバネクワガタ♂かなり小さめの小歯。50mmも下回る個体
さらに小歯
さらにさらに小歯
小歯だと記録用で、写りを気にしてないので、後で見返すと酷いものだ。
諦め気味に最後まで見て回っていたら、なかなかいいサイズのが付いていた。
しかし、その木の根元でヤエヤマセマルハコガメがのんびりしているではないか。
疲れているせいで、今日初めて見たハコガメの方を先に撮影していた。
涼しくなって最近は道路上で見かけなくなってきたのもあったかも知れないが、真の目的を忘れているのがバカ以外何者でもない。
こういう、すぐに目移りする飽き性がダメなのだ。

しかし、ハコガメは何とも言えないおじいちゃん顔だ。
エサもないのに、口をパクパクしたいたのも可愛い。
ハコガメばっかり撮影していると、どっか行ってしまうと思い出し、マルバネを見返す。
そして、やっと気付く。デ、デカい!!
圧倒的に今まで見てきたのよりデカい!
測ったら、65mmを超えている!!
ヤエヤママルバネクワガタ♂特大歯65mm
右後脚にフセツとれがあるが、そんなことは大して気にならない。
完璧主義ではないので、これも野外個体の醍醐味だと思っている。
この大顎の立体感、横幅と厚みのある体、夢にまで見た65mmだ。
夢中で撮影していたら、気付けば1時間以上もそこにいて、4時半だった。
こんな機会は二度と無いくらいだ。疲労など微塵も感じない中、帰路についた。
駐車場に戻ることには5時近くになっていた。
7時間近く森の中にいたが、アドレナリンのおかげで眠気もない。
そして、とんでもないことに気付いた気がするので、また次回。
(気のせいの可能性も大いにあるが、振り幅は大きければ大きい程いいのだ)


























