職業としてのAV女優
内容紹介
日当3万円! 倍率25倍! 年齢不問! ! スキルがなくてもカラダがある! ?
業界の低迷で、100万円も珍しくなかった最盛期の日当は、現在は3万円以下というケースもあるAV女優の仕事。それでも自ら志願する女性は増える一方だ。かつては、「早く足を洗いたい」女性が大半だったが、現在は「長く続けたい」とみな願っている。収入よりも、誰かに必要とされ、褒められることが生きがいになっているからだ。カラダを売る仕事は、なぜ普通の女性が選択する普通の仕事になったのか? 長年、女優へのインタビューを続ける著者が収入、労働環境、意識の変化をレポート。求人誌に載らない職業案内。
この新書を読んで、「AV女優って、そこまで『狭き門』になっていたのか……」と、ちょっと驚きました。
たしかに、ひとむかし、ふたむかし前に比べると、綺麗な子、可愛い子が多いものなあ。
この本によると、AV女優は、「単体」「企画単体」「企画」の3つのランクに分けられているそうです。
このランクによって、もらえるお金は全然違います。
・単体 100万~250万円(1本あたりの出演料、芸能人、元芸能人を除く)
・企画単体 30万円~80万円(一日あたりの日当)
・企画 15~25万円(一日あたりの日当)
この金額をみて、「単体」が圧倒的に稼げるかというとそうでもなく、「アイドル候補」として大々的に売り出される「単体女優」は、メーカーとの専属契約で仕事の総量が制限されるのに比べて、名前は出るものの何らかの「企画モノ」にキャスティングされる形の「企画単体」は、専属契約がないためにどのメーカーの作品にも自由に出演できるため、「単体」よりも稼げたり、有名になったりすることもあるそうです。売れっ子になると、毎日のように撮影して、月20本以上も出演作がリリースされることもあるのだとか。
「仕事量」としては、それはそれで大変そうではありますけど。
「企画」は、「女優の名前が出ないような『その他大勢」的な役割ですが、自ら応募して採用された人の80~90%はこのカテゴリーに属することになり、「事務所には所属しているものの、まったく仕事がない女優」もかなりいるそうです。
そして、「単体」からスタートしても、人気によって「企画単体」、そして「企画」とランクダウンしていくことも多いのだとか。
この「AV女優の格付けと仕事の内容、収入」の解説は、この新書のなかでも、「本当にAV女優になってみようと考えている人」にとっては役立つ情報だと思います。
「人前で脱いでセックスする覚悟さえあれば、高収入が得られる」という時代ではないのです。
ひとむかし前は、「借金」とか「事務所に騙され、半ば強引に」なんて例が少なくなかったそうなのですが、今の「供給源」は、「応募」か「スカウト」。
自分からAVに出たがる女性が増えていて、「合格率」はかなり下がってきているようです。
ネットの普及のため、アダルトDVDや雑誌というメディアの売り上げは下がってきており、著者によると、これらのメディアの利用者は、「ネットをうまく使いこなせない中年以上の男性」と高齢化しているそうです。
だからこそ、「熟女もの」は今後期待できるジャンルなのだ、とも。
「好きこのんでカラダを売るなんて……」と僕は考えてしまうのですが、この本のなかでは、「都会暮らしの若い女性の金銭的な行き詰まり」も紹介されています。
現在は特別な能力がある者以外はワーキングプアという時代であり、一般的な時給や給料では東京で満足な一人暮らしはできない。大多数の若い女性たちは特別な能力などなく、持っているのは若い肉体だけ。もうちょっと余裕ある生活がしたいのでキャバクラや風俗やAV女優に走る、という選択が地方出身女性たちの中では普通になされている。地方出身の女性にとっては生活が苦しいというのは死活問題で、カラダを売ることを決意させるのが、決して遊ぶお金やブランド物が欲しいからという欲の問題ではなく、生きるため生活のため。AV女優は清楚だったり清純だったり、色に染まっていない真っ白なタイプを採用する傾向があり、地方出身の一般女性とマッチする。ごく普通に育った地方女性が続々とAV女優になっている裏側には、そういう切実な事情がある。
借金漬けで強要される、というような話ではなくて、「東京では仕事があっても給料が安く、生活するだけでギリギリのワーキングプア状態」。
資格があるわけでもなく、「他人に注目される人生」に憧れていれば、「AVに出る」というのは、そんなに意外な選択肢ではないのでしょう。
というか、そういうワーキングプア状態で、もう少し稼ぎたいと思えば、一発逆転のためにできることって、そんなに多くはないんですよね。
でも、それなら、風俗とかのほうが、まだマシなんじゃない? AVって、不特定多数の人に見られるから、身元バレしたら、「元AV女優の○○さん」って、ずっと言われ続けることになるだろうし……
ところが、女性の立場からすれば、必ずしもそうではないんですね。
「誰を相手にさせられるかわからない」し、「献身的な接客を求められる」「人間関係がめんどくさい」という風俗や水商売に比べて、AVにはメリットもたくさんあるのです。
お金はそんなに稼げなくても、有名になれるというのもあるし、相手は熟練の男優さんがほとんど。基本的にコンドームをつけてのセックスで、たくさんのスタッフで、(最近は)クリーンに「管理」されている。
むしろ、「AVのほうが、リスクが少ない」面も多々あるのです。
著者によると、ごく一部の単体有名女優以外は、そんなにバレるものでもないみたいですし。
先日、NHKのドキュメンタリーで、「母親との関係がうまくいかないAV女優の話」(『裸になれない心』というタイトルです)を観たのですが、その女優さんは、芸能プロダクションに所属していて、半ば強引にAVに出演させられた、と話していました。
精神的にも不安定な様子がうかがえ、「やっぱり、AVに出るような女性は、いろいろと『不幸な背景』があるのかなあ」なんて考えずにはいられなかったのですけど、少なくとも最近のAV業界は、「ごく普通の女性が、ちょっと勇気を出して出演するくらいの感じ」みたいです。
もちろんAV出演後に、さまざまな問題を抱えている女性はいるのですが、著者は「彼女たちは、AVに出演したからそうなったわけではなく、もともとそういう性向を持っていたのだ」と著者は述べています。
過去、AV女優に病んでいる女性があまりに多かったことから、たまに「過酷な性搾取をするAV女優という職業が女性を壊している」といったニュアンスの論調を聞くことがあるが、それは大きな間違いである。
病んでいる女性が症状を抱えることになった理由は、AV女優として性を売っているからではなく、機能不全家庭で育ったことやイジメ、過保護など幼少時や思春期の経験が原因である。
人格障害など深刻な症状を抱えている女性の多くは、親が似たような症状を持つ遺伝だったり性的虐待を受けている。桜一菜も機能不全家庭で育ち、AV女優になる前から自殺未遂を繰り返すような状態であった。
AV女優に漂着するまでに負のスパイラルが起こっている彼女たちの人生は、壮絶ですらあるが、傷を負った女性はAV女優になる以前の10代半ばから発症して社会的な活動ができなくなり、多くは自傷の延長として性的逸脱を繰り返している。
規則正しい生活を送ることができず、身近に信用できる家族や友人を持たない孤独な女性が、勤務日時が自由で高額な風俗や売春を仕事に選ぶのは必然的な流れで、AV女優という選択はその延長にある。要するに不健康な女性は、AV女優になる以前から不健康なのである。逆に承認欲求を満たしてくれて、成功体験を得られるAV女優という仕事は、彼女たちを蝕むどころか、精神的安定を与えているケースの方が多いのだ。
『名前のない女たち』シリーズで、たくさんのAV女優たちを取材してきた著者の言葉ですから、重みがあります。
いまの時代では、AV出演というのは、「その人にとってプラスにもなるキャリアの一部」でさえあるのです。
著者は、人気女優だった小室友里さんにインタビューされていますが、小室さんは人気絶頂で稼いでいた時期も「環境が変わっても意図的に自分自身を変えないようにしていた」そうです。
プロ野球などのスポーツ選手にも、引退後人生を狂わせる人がいるのですが、結局のところ、それは「職業の責任」というよりは、「本人の気の持ちよう」なのでしょうね。
それがいちばん難しいこと、なのかもしれませんが。
とはいえ、この新書のなかでは、女優の変死とか、ハードな撮影中の行き過ぎ行為で女優を傷つけてしまった例なども紹介されており、「100%安全」というわけではありません。
ずっと同じでは飽きられるし、過激になればなるほど、リスクは上がる。
そもそも、AV女優というのは、どうしても、「出演作が増えれば増えるほど、新鮮さは薄れる」面があります。
そう何年も続けられるようなものではないし、ごく一部の「超人気女優」にならなければ、そんなに稼げるものでもない。
超人気女優になればなったで、その後の人生の選択肢が狭められたり、普通の人生に戻りづらくなったりもする。
この本を読むと、「東京で暮らしている、とくに資格もない若い女性が、なんとかしてもう少し金銭的な余裕が欲しいとき」に、AVや風俗の仕事って、すごく魅力的というか、現実的なんだろうなあ、と考えてしまいます。
しかし、そういう仕事が「最後のセーフティネット」だった女性たちは、「普通の女の子」が参入してくることによって、「詰んでしまった」のではないか、とも思うんですよね。
著者は、この新書をこう結んでいます。
本書はAV女優でもしようかな? と思っている女性や、娘を持つ親たちに読んでほしい。たとえアルバイト気分でも、職業は現実を知ってから選ぶべきである。
「AV女優の話」ということで、僕も好奇心を抑えきれずに読んだひとりなのですが、読み終えて、「これは、AVに限定された話ではなくて、『普通の人』が、いまの時代を生きていくための仕事選び」について語られた本なのだということがわかりました。
米女性記者への性的暴行 200人以上に囲まれ…舞台裏で何が
エジプトで取材中の米テレビの女性記者が、群衆に襲撃され性的暴行を受けた。大統領が辞任したその夜の出来事で、現場となった広場には、命がけの抗議を続けてきた人たち以外にも大勢が押し寄せていた。
ジャーナリストの仕事はときとして危険と背中合わせだが、性的暴行が報告されるのはまれだ。きょうのテーマは「記者に対する性的暴行」とした。
ララ・ローガン恐怖の暴行体験を60ミニッツで語る
宗教と文化 , 対テロ戦争
2011年2月、エジプトのムバラク大統領が辞任した日、歓喜に狂う群衆の様子を取材していたアメリカのCBSテレビのリポーターで南アフリカ出身の金髪美女ララ・ローガンさんは、突如としてリポーターではなく残忍な犯罪の被害者となった。
彼女が取材班の仲間やボディガードと引き裂かれ、暴徒らによって集団性的暴行を受けたニュースはあっという間に世界に広まったが、三ヶ月たった今、当人のローガンさんはあの日の恐ろしい体験を自ら、彼女が担当している60ミニッツの番組で語った。
暴行の内容は私が以前に書いた事と矛盾はないのだが、やはり被害者当人の口から話を聞くと、非常に凄まじいものがある。
一時間以上パーティーのような状況を何事も無く取材していた取材班は、カメラのバッテリーが切れたため一時的に立ち止まった。そこで通訳の男性が突然表情を変え、「ラーラ、ここらから出よう」と真剣な顔で言ったという。その時は彼女は何故通訳がそう言ったのか解らなかったのだが、あとになって聞いたところ、通訳は回りの男達が「彼女のバンツを脱がしてやろうぜ」と言ってる声を聞いて、これは危ないと思ったのだと言う。
だが、通訳が出ようと行った時はすでに遅く、ローガンは後ろから男達の腕に掴まれた。
ローガン: そして突然、私には何が起きているのか悟る暇もなく、後ろから数々の手が私の胸を掴み私の股を掴んできたのです。それもひとりが掴んで止めるというようなものではなく、一人、また一人、そしてまた一人と続いたのです。(ボディガードの)レイはすぐそこに居ました。彼は私の腕を掴み叫んでいました。「ララ、つかまって、つかまって!」
ここで彼女が「止めて!」と叫ぶ音声だけが録音されている。ララはここで「止めて」と叫べば男達は止めてくれると本気で信じたと言う。まさか本当に集団暴行されるなんて思わなかったと。しかし、群衆は彼女が叫べば叫ぶほど興奮して彼女に襲いかかった。
ボディガードのレイが必死に彼女の腕をつかんだが、二人は群衆に引き裂かれてしまった。レイの手にはローラの服の袖が残っただけ。
そのうち誰かが彼女はイスラエルのユダヤ人だと叫んだ。彼女はそのどちらでもないが、そのデマを聞いた群衆はさらに興奮して攻撃は激化した。
ララは自分のセーターが引き裂かれるのを感じた。つぎにブラジャーが引きちぎられ、素肌に風の感触を感じた。以後は多くの手があちこちから伸びて来て彼女は体中をまさぐられつねられぶたれた。数知れない男達の手で何度も強姦された。群衆の何人かが携帯のカメラを使ってその様子を撮影している姿を彼女は目の端で見た。
ローガン: レイとはぐれた時、私はこれで終わりだと思いました。すべてのアドレネレンが私の身体から抜け出てしまったように感じました。私を失った時のレイの顔には私が死ぬと書かれていたからです。群衆は私の身体を方々から引き裂こうとしていました。私の筋肉を引きちぎろうとしていたのです。
男達が彼女の髪の毛を束になってつかみ彼女を引きずり回したので、彼女は頭皮がはがされるのではないかと思ったという。このまま死んでしまったら幼い二人の子供に申し訳がない。なんとか生き延びなければ。もうどれだけ闘っても強姦から逃れることは出来ない。これは生き延びるための戦いだ。そう思って彼女は度重なる暴行に耐えたという。
ローガン:私は間違いなく自分が死につつあると思いました。しかもただ死ぬのではなく、ひどい拷問の末に殺されるのだと、そしてこの拷問はいつまでもいつまでも果てしなく続くのだと。
そうやって20分から25分間群衆の中を引きずり回された彼女は、群衆の端の方にいた女達の集団にぶつかった。男達から人形のように投げ回されていたローガンは偶然ある女性の膝に着地した。この女性は頭からつま先まで黒いチャドラを着ており、ローガンにおおい被るように包んでくれたという。そして回りにいた女たちと暴徒ではない男達が、暴徒に向って水をかけたり物を投げたりして暴徒を追い払おうとした。そこに取材班が助けを求めた兵士らがやっと追いつき、狂った暴徒たちは軍隊によって拡散された。
軍隊に助けられたローガンはそのままアメリカに帰国し病院に一週間ほど入院したが、あまりにも手足を乱暴に引っ張られたため、筋肉や関節が伸びて何日も激しい筋肉痛に苦しんだという。また陰部は皮膚が破れるなどひどい傷を負ったそうだ。
もしも、彼女が偶然にして女達の集団に出くわさなかったら、ローガンは文字通り腕や足をもぎ取られて引き裂かれて殺されていただろう。エジプトには恐ろしい野蛮人が居ることは確かだが、正義感のある人々が居た事も忘れてはならない。
ローガンは、後になってエジプトでは女性に対する性的虐待はごく普通だという話を聞いた。この話はカカシも以前にしたことがある。エジプト男性による女性虐待は日本の満員電車の中でおきる痴漢行為の100倍も悪質らしい。
四日間入院していたローガンはやっと帰宅して二人の子供達と再会した。子供達の顔を見た彼女は自分が第二の人生を与えられたような気がしたと言う。そして自分はこの体験によってより強くなったと語っている。
さて、ここで当然ながら出る疑問は、このような危険な場所に女性リポーターが取材とはいえ行くべきなのだろうかということであるが、ローガンが自分の体験談を語ろうと言う気になったのもそれと関係がある。
ローガン:ひとつ私が非常に誇りに思っていることは、意外だったのですが他の女性リポーター達が私が沈黙の掟を破ってくれたと語ったことです。これまでみんなが経験して一度も公言しなかったことを。
司会者: それはどういう意味です?
ローガン: 女性は性的な暴力について決して文句は言わないという掟です。誰かから「だからそんな場所に女性が行くべきではない」と言われたくないからです。ジャーナリストとして多くの女性たちがこういう目にあっていると思います。でもだからといって仕事を止めたくない。何故なら彼女たちもわたしと同じように仕事に賭けているからです。彼女たちはアドレネレン中毒なんかでも栄光にどん欲なわけでもありません。ジャーナリストという仕事を信じているからやっているのです。
ローガンが自分の体験を公開したことについて、アメリカでは性暴力の被害者を「無条件で保護する」文化があるのかという疑問に対して、フェミニストのエミちゃんが興味深い感想を書いている。
そんな文化が確立していれば良いのですが、それはないでしょう。ローガンさんは、そういう文化を確立するのに貢献するため、問題提起するために、あえて普通なら公開されない被害の事実を勇気を出して公開したのであって、すでにそういう文化が確立しているからと気軽に公表したわけではありません。
そもそも、この件がそれだけ話題になり、ローガンさんの勇気がたたえられている(そして、ローガンさんに対する中傷発言が激しく反発をされている)ということが、ローガンさんの行為が「社会的な価値観」を揺るがすものであることを示しています。たとえば男性ニュースアンカーのアンダーソン・クーパーが暴行を受けた件については、勇気を出して公表したと褒める人もいなければ、かれに対して失礼なジョークを言うのもタブーではありません。
(被害者への嘲笑や批判が)「厳しく禁じられる」のは、性暴力被害を公言することが、いまだにタブーだからです。もしほかの犯罪被害と同じように、被害者の「落ち度」が責められるのでもなく、被害者の恥だとか貞操の問題だとかして扱われるのでなければ、ほかの犯罪被害者と同じ程度には(アンダーソン・クーパーに対して「話題作りになって良かったな」と揶揄する人がいて、それが悪趣味だと思われつつも特に反発を浴びない程度には)許容されるはずです。そうでないのは、いまだに性暴力に関して、ほかの暴力や犯罪行為とは別格の、なにか被害者本人の資質や人格にとって汚点となるようなものだとして見る「社会的価値観」が温存されているからです。
ララ・ローガンさんはこういう仕事は素人ではない。以前にも書いたが、イラクのタルアファーに関する彼女の現地リポートは立派だった。他の男性リポーター達が安全なグリーンゾーンから出ずに地元イラク人のストリンガーを使ってリベラル偏見丸出しで『取材』していたのに比べ、彼女がアメリカ軍に従軍しての現場直接リポートは非常に迫力があった。エミちゃんも指摘しているように、イスラム圏において、テロリストたちに捕まって人質になったり、拷問を受けたり、殺されたりした男性リポーターは大勢居る。それでもそんな危険な場所にジャーナリストは行くべきではないという批判はあまり聞かない。
この事件が起きた後、リビアで起きた紛争を取材していたニューヨークタイムスの取材班がリビア軍に一時的に捉えられるという事件が起きた。その時も一人居た女性カメラマンが六日間拘束されている間、何人もの兵士から性的暴行を受けたと証言している。
ひとりの兵士は彼女の顔を殴って笑った、彼女が泣き出すと余計に笑い、彼女の身体をまさぐった。彼女に携わったすべての兵士が彼女の身体の隅々まで触りまくったと言う。一人の男は優しく彼女の髪を撫でながら「お前は今夜死ぬんだ」と語ったという。
鬼、畜生、野蛮人!
イスラム圏諸国では女性とみれば性的虐待は当たり前という風習がある。自分らの女性にベールを被して体中黒いケープで覆うのも、女性を大事にしているからとか女性を外敵の目から隠すためとかいうのは単なる口実で、実際は女は自分の所有物だと思っているから他の奴らから剥奪されるのを恐れているだけのことだ。年端も行かない娘が近所の男の顔を見たと噂を聞いただけで、我が家の名誉を怪我したとかいって親や兄弟が娘を虐殺するのも、娘の人権など完全無視。自分らの面子だけを尊重した非常に野蛮で低俗な文化だ。
さて、ではそんな場所に女性リポーターやカメラマンは取材に出かけていくべきなのだろうか?
ミスター苺は行くべきではないという。「同じようにフリードマンとかゴールドバーグとかパールなんて名前(ユダヤ系の名前)の人間は男でもイスラム圏に行くべきじゃない。危険すぎる。男女平等とか人権とかいう問題以前に、実際に危険なんだからさ。」確かに野蛮人に文明社会の礼節など期待しても意味がない。危険な場所は危険と認識してそれなりに対処しなければならないというのは本当だ。
でもそれだったら戦地は危険だから女性兵士は戦闘員になるべきではないというのと同じ理屈なのでは?米軍は未だに女性兵士が戦闘員となることを認めていないが、ミスター苺は常に女性が戦闘員になることには全く抵抗がないと言っている。女性兵士が女性だからという理由で戦闘からはずされるのは不公平だと。女性兵士はいいのに女性ジャーナリストはいけないというのも変な理屈だ。
もっとも米軍兵は男性であろうと女性であろうと捕まれば八つ裂きにされて殺されることは決まり切っている、女性だから特に危険ということもない。軍人は最初から危険覚悟で戦地に赴いているのだからジャーナリストと一緒には出来ないのだといういい分もある。
だが、軍人でない女性が戦地に赴くのは何も今に始まった事ではない。第二次世界大戦や朝鮮戦争やベトナム戦争でも、直接戦闘に参加しないとはいえ、第一線で看護婦をしていた女性達や、運転手やパイロットとして戦地で活躍した女性の数は知れない。ジャーナリストのように華々しい仕事ではないが、現地の基地内の施設で賄いや事務の仕事をする女性はいくらでもいた。また、太古の昔からヨーロッパでは、正規軍の後ろから妻や恋人や慰安婦の女性達が着いて行って、戦闘後の兵士らの面倒を観るのは普通だったという。
こうした女性達が敵側の軍に捉えられて恥じかしめを受けた上に虐殺されるなどということはしょっちゅう起きていたことだろう。それでも女性達は危険覚悟で戦地に出かけて行った。
ローガンに起きた事は、そうした暴行のなかでも特にひどいものだったことは確かだが、このようなことは、これが始めてでもなければ終わりでもないだろう。これまでにそんな話が表沙汰にならなかったのは、被害にあった女性ジャーナリストたちが、被害を口にすることによって仕事を失うのが怖かったからだとローガン記者は説明している。
私は別の意味でローガンが被害を公表したことは正しかったと考える。それはイスラム文化はリベラル西洋人がどれだけ美化しようとも野蛮なのだということを世間に知らしめる意味で価値があるからだ。
最近はヨーロッパ諸国でもアメリカでさえもイスラム移民に遠慮してイスラム文化の野蛮さを過小評価する傾向がある。だが現地の危険性を充分に理解せずに、のこのこ出かけて行くの本当に危険だ。ローガンの身に起きた事件を充分に教訓として西側諸国の人間はジャーナリストにしろ軍人にしろエンジニアにしろ、イスラム圏諸国を訪問する際には充分に警戒してもらいたいものだ。



これが 本当の画像かどうかは わからない
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ララ・ローガン記者と言えば、イギリス人の金髪美人女性。はっきり言ってイスラム国の危険な場所にこんなミス白人みたいな美女を送り込んで取材させるCBS局の無神経度を疑いたくなる、と普通は考える。しかしローガン記者は新米のペーペーではない。イラク戦争当時、アメリカ軍について密着取材をしたり、リベラルジャーナリストとしてはかなり公平でしっかりした取材をしてきた女性だ。特にイラクのタルアファー地区に関する取材は立派なものだったという印象が今でも残っている。
そのベテランジャーナリストである彼女が、エジプトの集団から暴行を受けたというなら、それだけでもかなりニュースの価値はあるはずだ。特にCBSを始めアメリカのリベラルメディアはエジプトの反ムバラクの群衆を自由平等を求める民主主義者だとして報道していたのだから、その群衆がアメリカ人記者に真っ昼間に集団暴行を加えたとしたら、それだけでもニュースのはずである。にもかかわらずCBSは当初この事件の報道を隠蔽しようとした。
事件が起きたのが11日なのに声明文が発表されたのが15日だったのも、他局が事件を報道する可能性が高くなってきたため、仕方なしに公式声明分を出したと言う話だ。なぜ、CBSはこの事件を隠そうとしたのだろうか?
目撃者の話によると、ローガン記者を襲ったのはそれまでデモ行進をしていたのとは違う集団だったそうで、記者への攻撃の際も「このユダヤ人!」というような反ユダヤ人的発言が多く聞かれたと言う。ローガン記者はユダヤ教徒ではないが、エジプトの過激派の間ではイスラエルと同盟関係にあるアメリカ人を一緒くたにユダヤ親派として嫌う傾向があるので、記者を襲った集団はモスリム同胞団関係の人間かもしれない。
ところで、エジプトの紛争を取材中に暴行を受けたのは何もローガン記者に限らない。2月初めの段階でこれまでにも取材中のCNNのアンダーソン・クーパーを始め、フォックスニュースやBBCの記者数十名が集団から殴る蹴るの暴行を受け、人によっては入院するほどの重傷を負ったりしている。
はっきり言ってこれらの攻撃は、単に危険な場所に居て巻き添えを食ったというよりも、西洋ジャーナリストへの故意的な攻撃であり、他国からエジプトの状況を報道させまいとするイスラム過激派の陰謀ではないかと思われる。だから、過激派にとってクーパーやローガンのように世界的に有名なジャーナリストを襲うことには大きな意味があるわけだ。
もちろんローガン記者の場合は女性として屈辱的な性的暴行という難しい問題が絡むため、報道が難しいというのは解る。だが、最悪の状態を想像するような声明文を発表した以上、CBSはもっと詳しくことの詳細を報道すべきではないのか、CBSにしろローガン記者にしろプロのジャーナリストなのだから
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ララ・ローガン記者襲撃の詳細明らかになる
この間も書いたように、エジプトの革命を取材していた米CBSテレビ局のララ・ローガン記者は、当初200人にも及ぶ暴徒に性的暴行を受けたと発表されたが、性的暴行といっても強姦ではなかったことがはっきりしてきた。だから良いと言う訳ではないが、だったら最初からもっとちゃんとした説明をすればいいのに、CBSが意味深な報道をしたので色々な憶測がながれてしまった。だいたい200人からの人間に強姦されたら八つ裂きにされてしまうだろう。現実的にそんなことをされて生きて帰れるはずがない。
それで事実はどうだったのかというと、一緒にいたスタッフやボディガードと引き離されたローガン記者は、衣服をはぎ取られ旗の棒などでなぐられ、体中を強くつねられた。そのつねられかたがあまりにもひどかったので、体中青あざで腫れ上がり、最初は噛まれ傷ではないかと思われたほどだったという。
一緒に居たボディーガードも暴行を受け手を骨折するなどの怪我を負っている。ローガン記者を襲った群衆は記者を「ユダヤ人!」と呼んでいたというが、その理由は、エジプト内で報道陣に化けたイスラエルのスパイがエジプトに侵入しているとエジプトメディアが虚偽の報道をしたことが原因らしい。以前にも書いた通りローガン記者はユダヤ人ではない。私はイギリス人だと思っていたのだが、出身は南アフリカだそうだ。
ところで、アラブ系メディアのアルジェジーラではローガン記者への襲撃に関しては報道していないそうだ。
エジプトで取材中の米テレビの女性記者が、群衆に襲撃され性的暴行を受けた。大統領が辞任したその夜の出来事で、現場となった広場には、命がけの抗議を続けてきた人たち以外にも大勢が押し寄せていた。
ジャーナリストの仕事はときとして危険と背中合わせだが、性的暴行が報告されるのはまれだ。きょうのテーマは「記者に対する性的暴行」とした。
ララ・ローガン恐怖の暴行体験を60ミニッツで語る
宗教と文化 , 対テロ戦争
2011年2月、エジプトのムバラク大統領が辞任した日、歓喜に狂う群衆の様子を取材していたアメリカのCBSテレビのリポーターで南アフリカ出身の金髪美女ララ・ローガンさんは、突如としてリポーターではなく残忍な犯罪の被害者となった。
彼女が取材班の仲間やボディガードと引き裂かれ、暴徒らによって集団性的暴行を受けたニュースはあっという間に世界に広まったが、三ヶ月たった今、当人のローガンさんはあの日の恐ろしい体験を自ら、彼女が担当している60ミニッツの番組で語った。
暴行の内容は私が以前に書いた事と矛盾はないのだが、やはり被害者当人の口から話を聞くと、非常に凄まじいものがある。
一時間以上パーティーのような状況を何事も無く取材していた取材班は、カメラのバッテリーが切れたため一時的に立ち止まった。そこで通訳の男性が突然表情を変え、「ラーラ、ここらから出よう」と真剣な顔で言ったという。その時は彼女は何故通訳がそう言ったのか解らなかったのだが、あとになって聞いたところ、通訳は回りの男達が「彼女のバンツを脱がしてやろうぜ」と言ってる声を聞いて、これは危ないと思ったのだと言う。
だが、通訳が出ようと行った時はすでに遅く、ローガンは後ろから男達の腕に掴まれた。
ローガン: そして突然、私には何が起きているのか悟る暇もなく、後ろから数々の手が私の胸を掴み私の股を掴んできたのです。それもひとりが掴んで止めるというようなものではなく、一人、また一人、そしてまた一人と続いたのです。(ボディガードの)レイはすぐそこに居ました。彼は私の腕を掴み叫んでいました。「ララ、つかまって、つかまって!」
ここで彼女が「止めて!」と叫ぶ音声だけが録音されている。ララはここで「止めて」と叫べば男達は止めてくれると本気で信じたと言う。まさか本当に集団暴行されるなんて思わなかったと。しかし、群衆は彼女が叫べば叫ぶほど興奮して彼女に襲いかかった。
ボディガードのレイが必死に彼女の腕をつかんだが、二人は群衆に引き裂かれてしまった。レイの手にはローラの服の袖が残っただけ。
そのうち誰かが彼女はイスラエルのユダヤ人だと叫んだ。彼女はそのどちらでもないが、そのデマを聞いた群衆はさらに興奮して攻撃は激化した。
ララは自分のセーターが引き裂かれるのを感じた。つぎにブラジャーが引きちぎられ、素肌に風の感触を感じた。以後は多くの手があちこちから伸びて来て彼女は体中をまさぐられつねられぶたれた。数知れない男達の手で何度も強姦された。群衆の何人かが携帯のカメラを使ってその様子を撮影している姿を彼女は目の端で見た。
ローガン: レイとはぐれた時、私はこれで終わりだと思いました。すべてのアドレネレンが私の身体から抜け出てしまったように感じました。私を失った時のレイの顔には私が死ぬと書かれていたからです。群衆は私の身体を方々から引き裂こうとしていました。私の筋肉を引きちぎろうとしていたのです。
男達が彼女の髪の毛を束になってつかみ彼女を引きずり回したので、彼女は頭皮がはがされるのではないかと思ったという。このまま死んでしまったら幼い二人の子供に申し訳がない。なんとか生き延びなければ。もうどれだけ闘っても強姦から逃れることは出来ない。これは生き延びるための戦いだ。そう思って彼女は度重なる暴行に耐えたという。
ローガン:私は間違いなく自分が死につつあると思いました。しかもただ死ぬのではなく、ひどい拷問の末に殺されるのだと、そしてこの拷問はいつまでもいつまでも果てしなく続くのだと。
そうやって20分から25分間群衆の中を引きずり回された彼女は、群衆の端の方にいた女達の集団にぶつかった。男達から人形のように投げ回されていたローガンは偶然ある女性の膝に着地した。この女性は頭からつま先まで黒いチャドラを着ており、ローガンにおおい被るように包んでくれたという。そして回りにいた女たちと暴徒ではない男達が、暴徒に向って水をかけたり物を投げたりして暴徒を追い払おうとした。そこに取材班が助けを求めた兵士らがやっと追いつき、狂った暴徒たちは軍隊によって拡散された。
軍隊に助けられたローガンはそのままアメリカに帰国し病院に一週間ほど入院したが、あまりにも手足を乱暴に引っ張られたため、筋肉や関節が伸びて何日も激しい筋肉痛に苦しんだという。また陰部は皮膚が破れるなどひどい傷を負ったそうだ。
もしも、彼女が偶然にして女達の集団に出くわさなかったら、ローガンは文字通り腕や足をもぎ取られて引き裂かれて殺されていただろう。エジプトには恐ろしい野蛮人が居ることは確かだが、正義感のある人々が居た事も忘れてはならない。
ローガンは、後になってエジプトでは女性に対する性的虐待はごく普通だという話を聞いた。この話はカカシも以前にしたことがある。エジプト男性による女性虐待は日本の満員電車の中でおきる痴漢行為の100倍も悪質らしい。
四日間入院していたローガンはやっと帰宅して二人の子供達と再会した。子供達の顔を見た彼女は自分が第二の人生を与えられたような気がしたと言う。そして自分はこの体験によってより強くなったと語っている。
さて、ここで当然ながら出る疑問は、このような危険な場所に女性リポーターが取材とはいえ行くべきなのだろうかということであるが、ローガンが自分の体験談を語ろうと言う気になったのもそれと関係がある。
ローガン:ひとつ私が非常に誇りに思っていることは、意外だったのですが他の女性リポーター達が私が沈黙の掟を破ってくれたと語ったことです。これまでみんなが経験して一度も公言しなかったことを。
司会者: それはどういう意味です?
ローガン: 女性は性的な暴力について決して文句は言わないという掟です。誰かから「だからそんな場所に女性が行くべきではない」と言われたくないからです。ジャーナリストとして多くの女性たちがこういう目にあっていると思います。でもだからといって仕事を止めたくない。何故なら彼女たちもわたしと同じように仕事に賭けているからです。彼女たちはアドレネレン中毒なんかでも栄光にどん欲なわけでもありません。ジャーナリストという仕事を信じているからやっているのです。
ローガンが自分の体験を公開したことについて、アメリカでは性暴力の被害者を「無条件で保護する」文化があるのかという疑問に対して、フェミニストのエミちゃんが興味深い感想を書いている。
そんな文化が確立していれば良いのですが、それはないでしょう。ローガンさんは、そういう文化を確立するのに貢献するため、問題提起するために、あえて普通なら公開されない被害の事実を勇気を出して公開したのであって、すでにそういう文化が確立しているからと気軽に公表したわけではありません。
そもそも、この件がそれだけ話題になり、ローガンさんの勇気がたたえられている(そして、ローガンさんに対する中傷発言が激しく反発をされている)ということが、ローガンさんの行為が「社会的な価値観」を揺るがすものであることを示しています。たとえば男性ニュースアンカーのアンダーソン・クーパーが暴行を受けた件については、勇気を出して公表したと褒める人もいなければ、かれに対して失礼なジョークを言うのもタブーではありません。
(被害者への嘲笑や批判が)「厳しく禁じられる」のは、性暴力被害を公言することが、いまだにタブーだからです。もしほかの犯罪被害と同じように、被害者の「落ち度」が責められるのでもなく、被害者の恥だとか貞操の問題だとかして扱われるのでなければ、ほかの犯罪被害者と同じ程度には(アンダーソン・クーパーに対して「話題作りになって良かったな」と揶揄する人がいて、それが悪趣味だと思われつつも特に反発を浴びない程度には)許容されるはずです。そうでないのは、いまだに性暴力に関して、ほかの暴力や犯罪行為とは別格の、なにか被害者本人の資質や人格にとって汚点となるようなものだとして見る「社会的価値観」が温存されているからです。
ララ・ローガンさんはこういう仕事は素人ではない。以前にも書いたが、イラクのタルアファーに関する彼女の現地リポートは立派だった。他の男性リポーター達が安全なグリーンゾーンから出ずに地元イラク人のストリンガーを使ってリベラル偏見丸出しで『取材』していたのに比べ、彼女がアメリカ軍に従軍しての現場直接リポートは非常に迫力があった。エミちゃんも指摘しているように、イスラム圏において、テロリストたちに捕まって人質になったり、拷問を受けたり、殺されたりした男性リポーターは大勢居る。それでもそんな危険な場所にジャーナリストは行くべきではないという批判はあまり聞かない。
この事件が起きた後、リビアで起きた紛争を取材していたニューヨークタイムスの取材班がリビア軍に一時的に捉えられるという事件が起きた。その時も一人居た女性カメラマンが六日間拘束されている間、何人もの兵士から性的暴行を受けたと証言している。
ひとりの兵士は彼女の顔を殴って笑った、彼女が泣き出すと余計に笑い、彼女の身体をまさぐった。彼女に携わったすべての兵士が彼女の身体の隅々まで触りまくったと言う。一人の男は優しく彼女の髪を撫でながら「お前は今夜死ぬんだ」と語ったという。
鬼、畜生、野蛮人!
イスラム圏諸国では女性とみれば性的虐待は当たり前という風習がある。自分らの女性にベールを被して体中黒いケープで覆うのも、女性を大事にしているからとか女性を外敵の目から隠すためとかいうのは単なる口実で、実際は女は自分の所有物だと思っているから他の奴らから剥奪されるのを恐れているだけのことだ。年端も行かない娘が近所の男の顔を見たと噂を聞いただけで、我が家の名誉を怪我したとかいって親や兄弟が娘を虐殺するのも、娘の人権など完全無視。自分らの面子だけを尊重した非常に野蛮で低俗な文化だ。
さて、ではそんな場所に女性リポーターやカメラマンは取材に出かけていくべきなのだろうか?
ミスター苺は行くべきではないという。「同じようにフリードマンとかゴールドバーグとかパールなんて名前(ユダヤ系の名前)の人間は男でもイスラム圏に行くべきじゃない。危険すぎる。男女平等とか人権とかいう問題以前に、実際に危険なんだからさ。」確かに野蛮人に文明社会の礼節など期待しても意味がない。危険な場所は危険と認識してそれなりに対処しなければならないというのは本当だ。
でもそれだったら戦地は危険だから女性兵士は戦闘員になるべきではないというのと同じ理屈なのでは?米軍は未だに女性兵士が戦闘員となることを認めていないが、ミスター苺は常に女性が戦闘員になることには全く抵抗がないと言っている。女性兵士が女性だからという理由で戦闘からはずされるのは不公平だと。女性兵士はいいのに女性ジャーナリストはいけないというのも変な理屈だ。
もっとも米軍兵は男性であろうと女性であろうと捕まれば八つ裂きにされて殺されることは決まり切っている、女性だから特に危険ということもない。軍人は最初から危険覚悟で戦地に赴いているのだからジャーナリストと一緒には出来ないのだといういい分もある。
だが、軍人でない女性が戦地に赴くのは何も今に始まった事ではない。第二次世界大戦や朝鮮戦争やベトナム戦争でも、直接戦闘に参加しないとはいえ、第一線で看護婦をしていた女性達や、運転手やパイロットとして戦地で活躍した女性の数は知れない。ジャーナリストのように華々しい仕事ではないが、現地の基地内の施設で賄いや事務の仕事をする女性はいくらでもいた。また、太古の昔からヨーロッパでは、正規軍の後ろから妻や恋人や慰安婦の女性達が着いて行って、戦闘後の兵士らの面倒を観るのは普通だったという。
こうした女性達が敵側の軍に捉えられて恥じかしめを受けた上に虐殺されるなどということはしょっちゅう起きていたことだろう。それでも女性達は危険覚悟で戦地に出かけて行った。
ローガンに起きた事は、そうした暴行のなかでも特にひどいものだったことは確かだが、このようなことは、これが始めてでもなければ終わりでもないだろう。これまでにそんな話が表沙汰にならなかったのは、被害にあった女性ジャーナリストたちが、被害を口にすることによって仕事を失うのが怖かったからだとローガン記者は説明している。
私は別の意味でローガンが被害を公表したことは正しかったと考える。それはイスラム文化はリベラル西洋人がどれだけ美化しようとも野蛮なのだということを世間に知らしめる意味で価値があるからだ。
最近はヨーロッパ諸国でもアメリカでさえもイスラム移民に遠慮してイスラム文化の野蛮さを過小評価する傾向がある。だが現地の危険性を充分に理解せずに、のこのこ出かけて行くの本当に危険だ。ローガンの身に起きた事件を充分に教訓として西側諸国の人間はジャーナリストにしろ軍人にしろエンジニアにしろ、イスラム圏諸国を訪問する際には充分に警戒してもらいたいものだ。



これが 本当の画像かどうかは わからない
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ララ・ローガン記者と言えば、イギリス人の金髪美人女性。はっきり言ってイスラム国の危険な場所にこんなミス白人みたいな美女を送り込んで取材させるCBS局の無神経度を疑いたくなる、と普通は考える。しかしローガン記者は新米のペーペーではない。イラク戦争当時、アメリカ軍について密着取材をしたり、リベラルジャーナリストとしてはかなり公平でしっかりした取材をしてきた女性だ。特にイラクのタルアファー地区に関する取材は立派なものだったという印象が今でも残っている。
そのベテランジャーナリストである彼女が、エジプトの集団から暴行を受けたというなら、それだけでもかなりニュースの価値はあるはずだ。特にCBSを始めアメリカのリベラルメディアはエジプトの反ムバラクの群衆を自由平等を求める民主主義者だとして報道していたのだから、その群衆がアメリカ人記者に真っ昼間に集団暴行を加えたとしたら、それだけでもニュースのはずである。にもかかわらずCBSは当初この事件の報道を隠蔽しようとした。
事件が起きたのが11日なのに声明文が発表されたのが15日だったのも、他局が事件を報道する可能性が高くなってきたため、仕方なしに公式声明分を出したと言う話だ。なぜ、CBSはこの事件を隠そうとしたのだろうか?
目撃者の話によると、ローガン記者を襲ったのはそれまでデモ行進をしていたのとは違う集団だったそうで、記者への攻撃の際も「このユダヤ人!」というような反ユダヤ人的発言が多く聞かれたと言う。ローガン記者はユダヤ教徒ではないが、エジプトの過激派の間ではイスラエルと同盟関係にあるアメリカ人を一緒くたにユダヤ親派として嫌う傾向があるので、記者を襲った集団はモスリム同胞団関係の人間かもしれない。
ところで、エジプトの紛争を取材中に暴行を受けたのは何もローガン記者に限らない。2月初めの段階でこれまでにも取材中のCNNのアンダーソン・クーパーを始め、フォックスニュースやBBCの記者数十名が集団から殴る蹴るの暴行を受け、人によっては入院するほどの重傷を負ったりしている。
はっきり言ってこれらの攻撃は、単に危険な場所に居て巻き添えを食ったというよりも、西洋ジャーナリストへの故意的な攻撃であり、他国からエジプトの状況を報道させまいとするイスラム過激派の陰謀ではないかと思われる。だから、過激派にとってクーパーやローガンのように世界的に有名なジャーナリストを襲うことには大きな意味があるわけだ。
もちろんローガン記者の場合は女性として屈辱的な性的暴行という難しい問題が絡むため、報道が難しいというのは解る。だが、最悪の状態を想像するような声明文を発表した以上、CBSはもっと詳しくことの詳細を報道すべきではないのか、CBSにしろローガン記者にしろプロのジャーナリストなのだから
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ララ・ローガン記者襲撃の詳細明らかになる
この間も書いたように、エジプトの革命を取材していた米CBSテレビ局のララ・ローガン記者は、当初200人にも及ぶ暴徒に性的暴行を受けたと発表されたが、性的暴行といっても強姦ではなかったことがはっきりしてきた。だから良いと言う訳ではないが、だったら最初からもっとちゃんとした説明をすればいいのに、CBSが意味深な報道をしたので色々な憶測がながれてしまった。だいたい200人からの人間に強姦されたら八つ裂きにされてしまうだろう。現実的にそんなことをされて生きて帰れるはずがない。
それで事実はどうだったのかというと、一緒にいたスタッフやボディガードと引き離されたローガン記者は、衣服をはぎ取られ旗の棒などでなぐられ、体中を強くつねられた。そのつねられかたがあまりにもひどかったので、体中青あざで腫れ上がり、最初は噛まれ傷ではないかと思われたほどだったという。
一緒に居たボディーガードも暴行を受け手を骨折するなどの怪我を負っている。ローガン記者を襲った群衆は記者を「ユダヤ人!」と呼んでいたというが、その理由は、エジプト内で報道陣に化けたイスラエルのスパイがエジプトに侵入しているとエジプトメディアが虚偽の報道をしたことが原因らしい。以前にも書いた通りローガン記者はユダヤ人ではない。私はイギリス人だと思っていたのだが、出身は南アフリカだそうだ。
ところで、アラブ系メディアのアルジェジーラではローガン記者への襲撃に関しては報道していないそうだ。
●小川雅代(おがわ・まさよ)
1969年生まれ、東京都出身。2歳で両親が別居し、数年間、親戚を実親と信じて暮らした後に母に引き取られる。母に命ぜられるままに付き人、モデル、女優となるも、母との関係に悩み、鬱病などにかかり、自殺未遂。「母との関係を取り戻す最後のチャンス」として告白本を上梓した。

母は日本アカデミー賞にも輝いた大女優・小川真由美。父はダンディな名優・細川俊之。恵まれた家柄、しかしその実態は、宗教や霊能者にも入れ込む母から「精神的虐待」を受け続け、鬱病、パニック障害、自殺未遂に追い込まれ……。40年に及ぶ母と娘の闇を、娘である小川雅代が告白した衝撃的ノンフィクション。それが『ポイズン・ママ 母・小川真由美との40年戦争』だ。
―赤裸々に記された「精神的虐待」の数々にとても驚きました。告白には相当な覚悟があったのでは?
10年前から何度も書こうとしてきたのですが、そのたびにつらかった記憶がフラッシュバックして耐え切れず、書けませんでした。でもこの10年間にも、母は私も巻き込んだ形で霊能者の“教祖”とのビジネスに2億円以上をつぎ込み、裁判沙汰になったり、現在も懲りずにまたまた別の霊能者に入れ込んだりしている。だから今書かないと、もう母との正常な関係は一生築けないと思って……。
でも公表することにはすごくすごく悩みましたね。この本によって母の女優生命が失われる可能性は大いにあるわけですから。けれど、このままだと思いつめた私自身がいつか現実に母を殺してしまうかも……そんな恐ろしい妄想までしてしまい、もう今告白するしかないと決心したんです。
―母・真由美さんからの「精神的支配・虐待」は雅代さんをどう変えていったのでしょうか。
母も父も有名俳優なので、周囲からは“親の七光り”ならぬ「十四光りでいいよね!」と言われ、学校ではいじめに遭い続けました。さらに母からは「うちは芸能人だから誰も信用しちゃダメ! 週刊誌も狙ってるし、近づく人間は全員が私たちを陥れようとする裏切り者だから!!」と常に言われ、自分のつらさを誰かに打ち明けることもできなくて。母や父を利用しようとするハイエナみたいな人たちが私に言い寄ってきていたのも事実でしたし。正直、私は何十年間も母に洗脳された状態でした。
―大女優・小川真由美さんの演技力にかかると、どんな人でも洗脳されてしまいそうな……。
けど、孤独な芸能人でもある母は、逆に洗脳されやすくもあって、何人もの「教祖」や「霊能者」が家庭に入り込んできました。母の不在中に妙な宗教家のおじさんが「見張り」と称して家に住み着いたときなど、思春期だった私は「レイプされるんじゃないか」と不安で、いつも胸にサラシを巻き、股間にテイッシュを詰めていたほどです。
―本を出された今現在はどのような心境ですか?
それが、自分でも意外なほどすっきりしているんです。これまでずっと「母だってつらかったんだ。だから私が母を許さなきゃダメなんだ。母を許すことで、私自身も立ち直れるんだ」と思い込んでいたんですね。でも、この本で私は母を許していません。「それでも母が好きです」とか「やっぱり母を愛してます」的なことも一切書いていません。
そう書いたほうが読者受けもよく、批判もされにくいだろうとは思いましたが、やっぱりどうしても、そんなきれいごとは書けなかった。だって今も私と母の「戦争」は終わっていないから……。でも、ありのままを書いた結果、「私も母娘関係で悩み続けています」「親が“悪い宗教”にハマって苦しんでいます」「母との関係を見つめ直すことができました」という女性の読者の方から多くの反響をいただけたんです。本当にうれしかったですね。
一方で、「そんなの娘の甘えだろ」「母親は敬わなきゃ」「もっと大人になれ」、そんな批判もあると思います。けれど、母との関係の歪ゆ がみからうまく恋愛もできなくなり、彼氏や夫からも暴力やハラスメントを受けるようになるケースもあるんです。私自身もそうでした。だから、ぜひ男性の方にも読んでほしい。母娘関係・父娘関係に悩み、誰にもそれを言えずに苦しんでいる女性は本当に多いですから。





