天門の試練  21 | シンイ二次小説でんべのブログ

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21

住職の厳かなお経が
唱えられ辺りは静まりかえる。
永久に結ぶありがたいお経なのだ。
式典前にはヨンはウダルチの正装に
着替える。それに習いチュンソクら
ウダルチも全員鎧を纏い
花婿、花嫁の後ろに整列していた。
背筋をピンと伸ばし
胸を張り、麒麟の紋様も凛々しい
その集団は端からみても圧巻だ。


ウンスはと言うと白地に小菊が
ちりばめられたチマチョゴリを
纏い、髪を結い上げ
チェ家に代々伝わると言われる
藍色の簪をさしている。
薄く紅をひき白い肌が引き締まって
映り、清楚で上品であり
高麗の地でも十本の指に入る
名家に相応しい正室である。


「王様、これにて契りは結ばれ
ましてございます。
これはわたくしめが願いを込め
一玉ごと通した連珠にございます
災いを寄せ付けず病にも
打ち勝つ事となりましょう」


住職が、一度王様にお見せし
二人に渡す。


「住職殿、わざわざ脚をお運び
下されたこと感謝申し上げます。
此度はこのようなありがたい
連珠も賜り、我ら二人心中より
礼を申し上げます。
誠にありがとう存じ上げます」


ヨンは住職に礼を述べ頭を下げると
ウンスもまた頭を下げる。
そして揃いの連珠を左手首に
つけると、顔を見合せ微笑んでいた。


「住職、ご苦労であった。
これより宴が始まるゆえ
住職も楽しんで行かれよ。
さぁ~~皆の者!本日は無礼講で
ある。盛大に二人の門出を
祝おう!」


「「「おぉ~~~~」」」


丸卓が並べられた王宮中庭へと
皆がぞろぞろ移動し
卓に所狭しと並べられた
ご馳走に目を見張る。
普段食する事がない肉の塊や
卵、珍しい野菜等が
無造作に置かれている。
皆ははて??と首を傾げていた中
ウンスが声をあげる。


「えっと皆様、こちらのお肉は
王様からの差し入れになります
卵は叔母様から、野菜は王妃様のお里
からわざわざ取り寄せ頂いた
ありがたい品々になります。
でですね
今日はバーベキューをします。
七輪が卓の側にあると思うので
お肉を切り、野菜を切り
竹串にさして焼いて食べます
お塩があると思うのでパラパラと
味付けされて召し上がって
下さいませ」


高麗では初スタイルとなるバーベキュー
立食式典の始まりである。

まずはウンスがお手本を見せる
豚肉を適当な塊に切り分け
ネギも切り分けると竹串にさし
七輪で焼き始める。
王族や両班は鶏肉はたまには
食する事ができるが
豚肉は王様でも滅多にあたらない
高級食材であり、今日の為に
わざわざ西域から取り寄せた食材
なのだ。
暖かくなってきているため
傷みの加速もはやく氷室を活用し
御披露目できたのである。


「焼けて来たようですよ。
先ずは王様に、あれ?
ヨン?お毒味って必要じゃないの?」


「確かに」


「構わぬ。医仙殿が作りし物に
毒などあろう筈がなかろう
余と王妃にひとつくれぬか?」


「はい、確かに。
私は医員ですからそんな事は
致しません。どうぞお召し上がり
下さいませ」


そう呟くと小鉢に移し
王様や王妃様の卓の前へと
差し出す。
香ばしい香りが鼻腔を擽り
ウンスの腹の虫がぐぅ~~と
鳴き出した。


「医仙殿?今日はウンス殿であるな
腹の虫が盛大に騒いでおるが
大事ないか?」


「もぅ~~王様のいじわる」


「これ、ウンス!無礼であるぞ」


叔母に一喝されさすがのウンスも
「あっ!」と言う顔させる。


「チェ尚宮!今日は無礼講じゃ。
主賓を叱るでないぞ。
王妃よ?ばーべきゅーとやらは
旨いぞ、食してみよ」


「はい、王様・・・まぁ~なんとも
言えぬ味付けにございましょう
お肉の柔らかさ口から溢れそうな汁
ねきもまた甘もうございます」


「そうじゃろう?
旨い!気にいった!
ドチ?どんどん焼いてくれぬか?
さあ皆も食せ。旨いぞ」


「「「はっ!」」」


あれよあれよと言う間に
各々の七輪の回りには
人が集まり、ウンスが見本を
見せたようにバーベキューを
楽しんでいる。
ヨンはせっせと焼き
それをウンスの口に運び
甲斐甲斐しく世話を焼いていた。
そんな光景を盗み見、赤子も直に
出来るのではと誰もが思ったに
違いない。


「ヨンも食べてよ。
私はさすがにお腹いっぱいかも」


「今宵は体力勝負なのだ。
ゆえにどんどん食さなければ
倒れてしまうやも知れぬ故
遠慮はいらぬぞ。クックッ」


「えっ?どう言う意味?・・・」
『あっ?初夜?って事?
えぇ~~~~、ど、どうしよう
私、、、』

一瞬黙りこくったウンスにヨンは
耳打ちする。「仕置きもまだ故
今宵は離さぬ」と。



・・・・・

皆様こんにちは。

さて次回はアメ限です。
ずいぶんと描いていないので
大丈夫かな~~。すごい心配です。

まだまだアメンバー申請ボタンを
押しただけで、メッセージのない方や
メッセージやコメントは頂けましたが
申請ボタンを押してない方が
多数いらっしゃいます。


1…成人女性である事

2…ざっくりで構わないので年代を
記して、メッセージかコメント欄に
一報下さいませ。


アメンバー申請ボタンは私のトップ画面
に飛んで下さりますとアメンバー申請
と言う文言が出てきますので
それをポチっと押して下さいませ。
トップ画面とは私のアイコンを
押してくださいね。


申請ボタンを押したけど
承認されてない方。

メッセージを送ったけど承認されて
ない方、あれ?と思う方は
今一度ご確認の程宜しくお願い
申し上げます。
二週間立ちましたら
勝手に削除されますから
お気をつけ下さいませ。


大変です!別館のアイコンがありません
どうしましょう。
またあれやこれやと忙しくなりそう。



でんべ