鈴蘭  69 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「愛しておる」
「常にそばに置きたい。
懐に忍ばせ、戦であろうと何で
あろうと共に過ごしたい」
「いっその事、ヨンジュン殿に
頼み、ウンスを小さくしてもらうか」
「侍医を辞退する覚悟はあるか」

「馬鹿も休み休み言え!
この腑抜けが!!」

文を読み終え叔母は声を荒げ
吐き捨てるようにウンスに
伝える。

「叔母様…落ち着いて。
興奮は身体に差し障りが起こります
から、血圧が・・・えっと
血の巡りが悪くなり、倒れたり
しますから、ねっ」

そっと手を添え何気に手首の脈に
触れるウンス。

「あ~良かった。脈は安定して
いますね。叔母様・・・ヨンジュン
さんも人を大きくしたり小さく
したりなんて出来ませんから
安心してください。
あの人も無茶苦茶ですよね…
戦については書いてないですか
怪我とかしてるとか
書いてませんか?」

「認めてはおらぬの・・・
文が届いたのじゃ、無事で
あろうと思うぞ」

「そうですよね。
良かった・・・」

へなへなと椅子に腰掛けるウンス。
張りつめていた糸がぷつり切れ
たのか、両手で顔を隠し
肩を小刻みに揺らしていた。

「案ずる事はない。
あやつはそなたが一番ゆえ
必ずや無事に戻る。
そう思わぬか?そなたと出会い
あやつは変わったのじゃ。
私はそれが嬉しくての・・・
眼の奥の輝きが違う。
死に急ぐあやつはもうおらぬ。
ウンスがかえてくれたと
私は思うておるぞ」

実母に勝るとも劣らぬ
そのおおらかに弧を描くその眼差し
そして懐の深さは
ウンスを我が子と思う表れであった。

「叔母様~~~」

ウンスは遠慮する事も
誰かに聴かれている事も忘れ
腰掛けたまま叔母に抱きつき
声をあげ泣き出していたのである。
「ぽんぽん」っとまるで幼子を
あやすように叔母はウンスが
泣き止むまで背を擦り続けて
いた。


・・・・・

「退いてくれ!」

高麗軍の後尾からそんな声が漏れ
聴こえ始める。
戦の最中、敵か味方か高麗軍の誰もが
凝視する中、その男ヨンジュンは
我関せずとばかりに味方を
掻き分け前へ前へっと歩を進める。
住み込みで務めていたあの宿から
そう離れていない戦場。
ヨンジュンは世話になっている
宿主を避難させ、駆けつけたので
あった。

「だ!お前は!?
はて?誰かに似てないか?
えっ!まさか大護軍様か?」

「退いてくれ、怪しい者じゃないから
多勢に無勢、おれひとりで
五百人分の働きはするぞ。
大護軍と合わせたら千人は
越える。悪い話じゃないだろう」

「五百?ほら吹くんじゃねえぞ。
おい!捕らえて大護軍の前へ
突きだしてやろぜ。
敵ならたんまり報奨金がもらえるぞ
縛り上げろ!」

ひとりの兵士が叫ぶと
報奨金目当てか回りの兵士が
ヨンジュンに飛びかかる。

「・・・申し訳ないけど
あんたらよりよっぽど強いよ。
それでもやる?」

一斉に十人程の高麗軍兵士が
ヨンジュンを取り押さえようと
腕や腰の辺りを目掛け襲いかかるが
・・・「チッ」っと舌打ちすると
長い足を使いそれを繰り上げる。

「だから!無駄な事するなって。
味方通し傷つけあっても
仕方がないだろう。ちがうのか!
大護軍~~?!おれだよ~
ヨンジュンだ~~!」

息切れする事もなく
そう叫びながらヨンジュンは
ひとりまたひとりと気絶させて
いたのである。

人の気配に敏感なヨンの事
後尾の騒ぎとヨンジュンの気配は
すでに感じてはいたのだが
目の前の敵に集中していたのである
「己の腕でのぼって来い」
そんな思いも強かったのかも
知れない。

「チッ…姿も見えやしないか・・・
味方に怪我させる訳にもいかない
こうなったら・・・」

ヨンジュンはそう胸の内で
思い、瞳を瞑り軽功使う。
人を飛び越えたりも容易い事で
あり、ヨンジュンはあっと言う間に
麒麟の紋様も凛々しい
ウダルチ軍団の背中を捉え
その筆頭で一際大きく頼もしい
ヨンの背中も眼中に捉える。
「やっぱり御先祖はかっけいわ」
ずっと先の世からきた若者らしく
そんな事を口にし、すとっんと
ヨンと背中合わせに敵と対峙
するのであった。

「ヨンジュン・・・」

「御先祖…手を貸します」

「その呼び方は止めよ。
気に食わぬ」

「じゃぁなんと呼べば?」

「大護軍でよい」

「・・・」

「えぃ!面倒!
ヨンジュン?正面突破するぞ。
着いて来れるな」

「望むところ」

ヨンはそう背のヨンジュンに
声を掛けると眼を瞑る
っと同時に身体中が蒼白い靄に
包まれ指先から漏れ出した雷功が
握る鬼剣に流れだしパチパチっと
雷功が暴れだし始める。
それに同調するかのように
ヨンジュンの身体全体靄に包まれる。

剣を持たぬ鬼人と化した
ヨンジュン。身体全体が武器と
なった瞬間である。
鋭い指先で岩をも砕き、長い足は
内臓をも一撃で粉々にする鉛のような
重き武器になり、靄を纏う身体は
剣をも通さぬ鋼と化していた。

「こやつ・・・」

ヨンは片頬を上げると己の気を
高め、一気に前進するのである。
そんな二人を追うように
高麗軍の士気も一気に高みへと
上りつめたのであった。


・・・・・


皆様おはようございます。
如何お過ごしでいらっしゃいますか
コロナ感染者も減りつつありますが
ワクチン摂取にも
まだまだ順番は回ってこないと
思い、やはり自粛が一番の
予防策ですよね。
でも会社に行けば気が紛れますが
休みで家にいれば旦那が煩い!
お女中と言う名の家事が
休む間もなく待っている・・・。
皆様はどんな
息抜きしているのかしら?

ヨンジュンはヨンを越えた
内功使い?いやいやXマンなのだから
能力は無限大、先祖から受け継いだ
その力をヨンやウンスを
守る為に使ってほしいと
思っております。


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