鈴蘭  54 | シンイ二次小説でんべのブログ

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市井を埋めつく紅巾賊が
あちらこちらで
仮眠する夜明け前事は起こった。
何かに吸い込まれるように
紅巾賊の体が宙に浮いたのである。
それも十万とおもれる数がだ。
狙ったように紅巾と言われた賊だけ
がごぅ~ごぅ~っと渦巻く知る人が
見ればブラックホールかと
見間違えるほどなのである。
明らかに天門のそれとは違うのだ。

「侍医様!!
市井では不思議な現象が起こって
いるんだ!侍医様なら天人様だから
見た事あるんじゃないか?」

「えっ?不思議な現象??
大護軍に伝えたの?
私は患者をそっちのけで
行けないし、そんな事より
お父さん怪我してるじゃないの
診せて」

「わしは大丈夫だ!こんなかすり傷
どってことないさ。大護軍を探し
見てもらうことにするよ!
じゃな侍医様」

手のひらの傷・・・大事にならなきゃ
いいと思いつつもウンスは
市井の不思議な現象に気を取られ
「見たい!いや…大人しゅうおれ」
っと言われたから・・・でも
見たい!!」
紅巾が現れてから一晩中
典医寺に箱詰め状態のウンスらは
疲れ切っていたのだ。
次から次と運ばれる患者に最善の
処置を行い、時には軽い縫合
時には針治療と大忙しの時を過ごして
いたのだ。
そんな時ウンスの姿が典医寺から
消えた・・・。


「あ、あれね・・・ブラックホールが
なんでこんな所に出来てるわけ??
ヨンが天門を操りブラックホールまで
呼び込んでしまったの…」

どうしてもどうしても不思議な現象を
自身の目で確かめたくてウンスは
ひとり市井へ姿を見せたのである。
幸いにもまだ世が明けきらず
大概の紅巾は宙に浮き市井の民は
王宮に避難しウンスの周りには
誰も居ないかと思われたのだが
今、まさに宙に浮こうとしていた
紅巾賊にがっしりとその腕を
捕まれたのである。

「た、助けてくれ…俺死にたくない
ど、どこへ連れて行かれるのか
こ、怖い…恐ろしい…助けてくれ~」

「ちょ、ちょっと手を離しなさいよ
私まで巻き添えくらうじゃないの
離して!離してってば!」

「いや、離さない!こうなったら
お前もあの恐ろしい穴についてきて
もらう。死なば諸共だ!」

バシバシっと捕まれた腕を叩いては
見るが、男の力に叶う筈もなく
ウンスの身体は足元から浮き始める。

「いや、いやよ!
誰の仕業なの!降ろして…
ヨン!ヨ~~~ン!!
助けて~~~~」

ウンスが必死に叫んでいた頃
ヨンは王宮内におり
不思議な出来事を伝える
老人に捕まっていたのだ。

「それを侍医に伝えたのか!!」

「へぃ…侍医様は天人と
耳にしたもんだから、知ってるか
と思ったもんで・・・」

馬鹿な事をとヨンは直ぐ様駆け出す。
まだ日も明けきらぬ折
どこをどう駆けたのか気がつけば
市井のただならぬ光景が
ヨンの目の前で繰り広げられて
いたのであった。

「なんなのだこれは」

「ヨ~~~ン!」

その時であった。遥か頭上から
ウンスの叫び声がヨンの耳に
微かに聴こえたのであった。


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