時の雫 5(最終話) | シンイ二次小説でんべのブログ

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その男は笑みさえ浮かべ
処刑台に膝まずいていた。
胸を張り前を見据え
その時をむかえるのであろうか。

「ソンゲ?そなたを恨みはせぬ
故…安堵致すがよい。
だが、 己に少しでも
私心があれば墓に草が生えるだろが
そうでなければ草は生えぬ。んっ?」

兄とも師匠とも慕っていた
李成桂はただただ頭を垂れ
無言をきめこんでいた。
時世が二人を分け隔てたのかも
知れない。

「くくくっ…そう畏まるでない
ソンゲ?おまえはしっかりこの地を
よき方向へと導いてくれ。
俺はあの方が待っておる故
先にいくが」

あまり語らずともヨンは
僅かばかり離れたソンゲに向かい
そう伝え再び前を見据え瞳を
閉じたのだ。

直に介錯人の剣が振り下ろされる
刹那…時が止まったのだ。

「フォ~ホッホ、フォ~ホッホ…
ならぬぞ~その剣はならぬ!
斬首されるような悪さなど
こやつはしておらぬのじゃ
・・・して、そこの者!
お主の術を解いてしんぜよう」

誰が頭かは時の神は
すぐにわかるのであろうか
ソンゲに向かい手を掲げ
術を解いてみせた。
直に、ソンゲの眼が開きすぐに
その眼が見開かれた。
黒の外套に身を包み
長い口ひげを蓄え突如現れた
得体の知れないじい様に
ソンゲは剣を抜く。

「儂は時の神じゃ
この者はこの地の為に
身を粉にし
役目に邁進してきたのじゃ
何故、斬首などとゆう罪を与えた
のじゃ??酷いであろうに・・・。
なれど、どうしても断罪に値する
っと言うなら、こやつを
儂が連れていくゆえ
それで帳消しにせぬか?」

「時の神・・・刻を操る神って
ことでございますか・・・
それ故、皆の動きが止まって
おるのでございますね。
・・・某とて望んではおりませぬが
時の神?将軍をお頼みしても
よろしゅうございますか…。」

「フォ~ホッホ…ものわかりよい奴じゃ
のぅ~…っと言う事は
こやつの処刑はお主は望んで
おらぬっと言うことじゃな?」

「・・・」

口にすることは出来ないと
時の神の問いには応える事は
せず、ソンゲは押し黙ってしまった。

術はヨンには効いてはいない
ようである。
そのそばに寄り添うように
蝶が一匹飛びまわり
なついていた。
その蝶を慈しみ眼差しで
見つめ、口角さえあがっている
ようにも見える。

「嫁御も迎えにきておる故
そろそろ参ろうかのぅ~
フォ~ホッホ、フォ~ホッホ・・・
蝶を大事に囲うておれ。
お主が護ってやらねば誰がやる?
お、儂が懐に忍ばせても
よいがのぅ~。フォ~ホッホ」

「時の神!!戯れは許さぬ
俺が懐に忍ばせともに参るに
決まっておる!」

ぎろりっと睨まれすごすごと
後退りする時の神…。

「・・・ゴッホン・・・
では参るかのぅ~・・・お主は
彼方の世に入る時、その生が
つきるが後悔はないのであろうのぅ
~」

「ない。」

ヨンは蝶に化したウンスを
懐深く忍ばせ、それを衣の上から
そっとおさえ眼を瞑った。

次の瞬間、時の神とともに
跡形もなくその姿は忽然と
消えてしまったのである。

「ウンスゃ」

「ヨン・・・」

彼方の世でもそんな甘い二人が
若かりし頃に戻り
イチャイチャばかりしているに
違いない・・・。
そんな横で時の神は「儂も仲間に
入れてはくれぬかのぅ~」
そんなひとりごとを呟き
二人の邪魔をしているのだろうか。




・・・・・

皆様こんにちは。

「時の雫」無事に「完」の文字が
付きました。
てんてんmamaさんの時の神を
お借りし、綴ってきましたが
彼方の世で怒ってないかしら?

お付き合いありがとうございました。

本編も頑張ります!(笑)

あ!アメンバ―申請が異様に
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宜しくお願い申し上げます。


でんべ


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