天の川に願いを込めて | シンイ二次小説でんべのブログ

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バタバタと重なるように
地に伏した兵士らをよそに
ひとり手強い相手がいた。
大護軍チェ・ヨンでも剣を交えると
ぐっと息を飲む相手である。
されど愛しいウンスに危害を
加えようなどと考える不届きな輩は
許される訳がないのてある。

丹田に意識を集中しより強い気を
ヨンは纏うと蒼白い雷功は
瞬く間に、赤い炎を纏うような
姿になっていたのである。
「ぐっ」と丹田に気を集中させ
その男を斬り捨てる。

「イムジャ!!」

「・・・」

気を失っているのであろうか…
蒙古の兵士から見事ウンスを
奪還し、その逞しい腕の中で
何の反応も示してはくれそうに
ないのである。

「テマン!水を汲んで来い!」

「は、はい!」

「イムジャ!
俺は幾年も待っておったのだ
漸くこの腕にイムジャを抱くことが
叶ったものを…
イムジャ!イムジャ!」

テマンが兎の如く飛びはね
姿を消してからヨンは
らしくもなく動揺し、声を
あらげ叫んでいたのである。

『んっ、俺が倒れた折
イムジャが口移しで息を吹き込んだ
と、のちのちテマンから聞いたが
イムジャも眼を開けてくれるので
あろうか・・・』

ヨンはふとそんな事を
思いだし、一か八かの勝負に
でると決め己の肺いっぱい空気を
吸い込み、ウンスと唇を重ね
魂を込め息を吹き込む。

「・・・!!ゲ、ゲホッ・・・
あ~死ぬかと思った・・・んっ?
だ、誰!バシッ・・・」

「いっ…俺です
イムジャ、目が覚めましたか?」

「ヨ、チェ・ヨンさん??」

「そうです、俺です…
お分かりになりますか?」

息苦しくウンスは目が覚め
まだおぼつかない眼を開き
よからぬ輩に唇を塞がれている
と思い込み、バシッとその頬を
ひっぱ叩いたウンスであったが
次第に鮮明になるその顔は
黒曜石のように深く清んだ眸で
優しく見つめるヨンだと認識し
ウンスは慌てふためき、その腕より
飛び起きる。

「ご、ごめんなさい…私、拉致
されたんじゃなかったかしら?」

「もう大丈夫です…すべて
終わりました」

「そ、そうだったのね・・・
ありがとう、助けに来てくれて
えぇえっ!どうしてここに来れたの?
天門が開くのは二ヶ月先のはずよ」

ヨンは経緯をウンスに話をし
貴女かどうか分かなかったが
おなごの悲鳴に、この身が勝手に
動いていたと説明したのである。

「・・・」

「ど、どうしましたか?
幾分頬が膨らんでいるように
見えますが」

「だって…私じゃなくても
帰れないかも知れない空間に
飛び込んだと言うことでしょう?」

「そうとも言えますが
おなごの悲鳴を見過ごすことなど
俺にはできませぬ
違いますか?これから二人
寄り添う中で、俺がそんな
男で良いのですか?」

「・・・そうよね・・・
ごめん、えっ!今のセリフ…
プロポーズ??」

「ぷろぽーず?とは婚儀の申し出
と、とらえて良いのですね…
はい、俺はユ・ウンス
貴女なしでは生きていけませぬ
俺とともに高麗へ戻り
生涯寄り添って生きてくれますか?」

「あ、ありがとう・・・喜んで」

「では、戻りましょう
空間とやらが閉じぬうちに
俺たちが生きるべき地へ…」

幾分頬が染まるウンスの細腰へと
腕を回し、前を見ると
テマンが駆けてくるのが見え
目尻を緩める。

「あ、あの子は??」

「覚えていましたか、テマンです。
片時も俺の側を離れはしませんでした
きっと、貴女は戻ってくると
俺に言い続けておりました」

「・・・そう・・・ありがたい
身内ね、テマン~~!帰ろう~
三人で」

ウンスの元気な姿が眼中に
飛び込んできたテマンは
嬉しさのあまり
うっかり宙返りをしてしまい
汲んできた川の水をすっかり
溢してしまい、「あ、」っと
空の桶をひっくり返して
見せていた。

「よい!早う参れ」

溢れんばかりの嬉し涙を浮かべ
ウンスは、ヨンと手を繋ぎ
テマンの到着とともに
空間へと飛び込んだのである。
なれど無事に
高麗へと戻れたのだろうか…
それは誰も知る由もないのである。







・・・・・
「天の川に願いを込めて」
無事に完結する事が出来ました。
お付き合いありがとうございました。

知っての通りてんてんmamaさんの
突然の訃報に
私なりに初七日までは自粛しようと
思い、無事に初七日も済んだはず
ですので、更新致しました。

次は本編がんばります。

あ、オフ会はちゃんと開きたいと
思いますので、来月盆明けには
正式に告知しますね。
お店の予約がいると思うので。
(ある方から、行きたいけど
高齢者がいるので当日に
ならなければ都合が分からないの)
っと、連絡を受けましたので
お店は、追加ができるか
確かめてから予約しますので
そのような都合がおありの方は
事前にお知らせくださいませ。


ポチっとしてくだされば嬉しいです。



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