生きる意味 36(模索) | シンイ二次小説でんべのブログ

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江華島へ向け出兵したヨンらは
総勢一千の兵を従え
野営をし、暫しの休息をしていたので
ある。
月夜が辺りを照らし
松明を炊かずとも各々の顔が
はっきりと見えるほどである。

「よいか…敵わぬと踏んだなら
迷わず逃げよ、命を無駄にしては
ならぬぞ」

低いその声はみなの腹の底に
ズシンっと響きこくこくと頷くので
ある。

「護軍、みなもよう分かって
おりますれば必ずや仲間を背負い
難を逃れましょう
御案じ召されませぬよう」

「そうですよ!俺に任せてください
誰ひとりとして死なせませんから
俺は目がいいから遠くの仲間も
助けに飛んでいきますから!
い、痛って!なんで叩くんですか
プジャン!」

「馬鹿者が声をおとさぬか
敵に見つかるやも知れぬぞ」

我ながらと胸を張りそう応えたの
ではあったが、なにせトクマンで
あり、場を弁えず声を張り上げ
プジャンであるチュンソクに
「バシッ」っと後頭部を叩かれた
のであった。
その光景に
部隊の末端までもが口をおさえ
肩を揺らしていたのである。
おのこが憧れ、おのこが惚れる
万物の霊長的存在であり
皆がヨンの一挙手一投足を
見逃すまいと耳を澄まし
眼を見開いたことにより不可能が
可能になったのだ言えるのだろう。

どうやら暗闇に紛れ
総勢一千の兵が決戦の時を
むかえようとしていた。



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その頃ウンスは…

ひとり大きな寝台に潜り眠れずに
いたのである。

『そろそろ着いたかしら…
大丈夫よ!だってあの人は
強いんだから、うんうん…雷功で
まる焦げにしちゃうはず。
仲間を見捨てることもできない人
以外に私以外も大事にする人…
ちょっと妬けるかも…ふふっ』

胸のうちで呟いていたつもりが
所々声が漏れ、屋根上に潜む
ジウルにまる聴こえだっただった
ようである。

「おい、何が妬けるんだ?
戦で妬けることなんてあるのか」

「シウル、お前本当に耳がいいよな
おれにはな~んにも聴こえて
こないぞ」

「シホ?お前耳かきしてるか
俺は常に耳かきしてるからな
耳はいいんだよ!んっ!!!
こんな夜更けに何人もの足音…
こっちに向かってるぞ
奥方を狙うつもりかそれともすでに
都に入りこんでいたのか!」

シウルが指笛をふき仲間に異変を
知らせ、シホはそのまま屋根伝いに
王宮へと姿を消したのであった。


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