生きる意味 33 (模索) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「叔母上!このような早朝に」

大門前にて右に一歩、左に一歩と
まったく落ち着きがない叔母の姿が目に
とまりヨンは独り言を呟く。
その様子をチュホンの横にならぶ
テマンも見ていたのである。

「護軍!!ここ数日チェ尚宮様の
姿が見えませんでしたよね
きっとあの話で駆けずり回って
いたんだと思います
お、俺なんかの為に・・・」

「テマン?心は決まっておるのか」

「はい…実は・・・・と思っています
護軍は、お、俺にとって
父であり兄でもあります
でもそれだからと言ったって
兄弟などと淡い夢など抱いたら
罰があたりますから、お、俺は
・・・」

「テマン…殿・・・テ、テマンや
い、いやテマン?・・・兄上の養子に
は出来なんだのだ…故に・・・」

そんな二人を大門まえにて
目にとらえたチェ尚宮は
戸惑いと照れからか滑舌も悪く
しどろもどろになりながらも
テマンに思いを伝えようとするが。

「はい…いいんです!お、俺は
許されるなら、チェ尚宮様の養子に
なりたいと思っていましたから
いつも気に掛けてくれていたのを
知ってますから、兵舎で新入りと
雑魚寝していたとき
布団がない俺に翌朝真新しい布団が
届いたんです…あれってチェ尚宮様
ですよね、新入りを問い詰めたら
内密にせよと言われたんですと
口を割ったことがあったんです
それから冬がくれば綿入れが
届き、精のつくものをと
こっそり女官様が鶏肉を届けて
くれたりとそんなことが続いた時
お、俺はチェ尚宮様がオモニのように
見えたんです。きっと俺のオモニが
生きていたらこうしてくれて
いたんだろうなって・・・だから俺!
許されるんだったらチェ尚宮様の
養子になり、オ、オ、オモニを
支えていきたいです!!」

照れたようにツンツン頭をガシガシと
掻きながら、それでも幼さが残る
つぶらな瞳は真っ直ぐチェ尚宮を
見つめていたのである。
テマンの思いを耳にしたチェ尚宮は
瞳には溢れそうな涙と
嗚咽が漏れそうなのか必死に
口元を押さえテマンを見つめて
いたのである。
いつのまにやら愛馬から降りていた
ヨンもまた目尻を緩め、テマンと
叔母を見つめ口を開く。

「叔母上?なんとか言ってやってくれ
ぬか…テマンは忠義に厚いおのこゆえ
叔母上に尽くすであろう」

「わ、わかっておるわ・・・
テマン…?それでまことに良いのだな
私は屋敷も構えておらぬが…」

「屋敷なんていりません!
チェ家が有りますから!!へっへっ」

テマンの一言で緊張した場も
和んだのであった。
門番などももらい泣きしていたのだが
ぷっっと吹き出し、笑みを浮かべ
今日も一日良き日になるであろう
そんな予感がしていたのである。


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