生きる意味(甦れ) 5 | シンイ二次小説でんべのブログ

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 康安殿。
日も暮れ蝋燭があちらこちらで
ゆれ始めたころ
王様より相談があるとアン・ドチ内官
より知らせを受け、ともに
王様の御前に姿を見せる。

「隊長…よう参ったのう・・・
まずは掛けられよ。
今宵呼んだのは
あの書簡のことであるがなかったこと
なかったには出来ぬであろうか…
余の友とし王宮にとどまって欲しい
そう願っておるのじゃ・・・」

「はっ」

すっと手をかざし腰掛けるように
促す恭愍王。

「そなたが王宮を退き野に下る。
それを望んでいるのは知っておる
つもりであるが…余には民と呼べる
者もともと呼べる者もおらぬ。
苦しいのじゃ・・・妃とも心通わせて
おらぬ故…お飾りの王に過ぎぬ…」

情けなさと孤独感を滲ませ
恭愍王はヨンを見つめていた。
妃である魯國公主とは
元で婚儀を済ませ、ともに高麗へと
お国入りをしていたが
心通わすことなく…そう思っているのは
恭愍王の独りよがりに過ぎないのかも
知れないのだが・・・。

「・・・王様・・・」

「どうであろう隊長?応えては
くれぬのか…」

「・・・王命には逆らえませぬ
某、これより王様の民となり
僭越ながらおそば近くにて
おささえしてまいる所存にて
ご安堵なさいますよう
願ってやみませぬ」

「真であるか?余の民となってくれる
と…余は果報者よ。このように優れた
武人が余のそばにおるのだからの・・・
隊長も正室を娶りどうなのじゃ
女人とは難しいものであるか?」

幼き頃よりそばに使えた参事
チョ・インシルはともにお国入りと
なってはいるがなんとも言い難い重臣
となりつつあるのであった為
余計に孤独感が増し
隊長であるその男をそばにと
思ったのかも知れないのだ。

「王様…某の事はよろしいかと
思われます。王様はこの地を
納めるべく参られたのでございます
れば、なんに臆することなく
玉座にお座りになられませ。
余計な者らがおりますれば
某が排除してまいります」

「隊長…信じておるぞ」

「はっ!」

その男は一礼すると康安殿を
あとにする。
胸のうちでは「ちっ」っと舌打ち
していたのかも知れないが
恭愍王の民として生きるのも悪くは
ない…そう思ったのかも知れないが
己の知らぬ腹の底に、正室である
柳恩讐の存在が徐々に大きくなりつつ
あるのは言うまでもなかったので
ある。

『向き合うとするか・・・ん?
屋敷のものが言葉が分かるのかと
言っておったような・・・』

「テマン!」

どこからともなく姿を現すテマンと
共にヨンは屋敷へと踵を返したので
あった。


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